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転職3ヵ月の壁を感じたら?辞めたい理由・リスク・対処法を解説

この記事の監修者
五十嵐美貴
【資格】
2級キャリア・コンサルティング技能士(国家資格) /キャリアコンサルタント(国家資格) /CDA(career development adviser) /ハラスメント対策認定アドバイザー

【プロフィール】
フリーランスのキャリアコンサルタントとして、高校生から中高年までの幅広い年齢層の就職・転職支援、相談業務に従事。高校や大学での面接指導、職業訓練校や就労移行支援事業所での講師兼キャリアコンサルタント、就職・転職フェアでの相談コーナーにて、求職者を支援。 新卒・中途採用、次世代リーダー選別のアセスメント業務歴25年。適性診断テスト(文章完成法テスト)を用いての人物像把握など、これまで10数社の判定に携わる。

転職してまだ3ヵ月ほどしか経っていないのに、すでに現在の職場を辞めたいと感じることがあります。
これを転職3ヵ月の壁と呼び、多くの方が直面する問題といえるでしょう。
転職3ヵ月の壁を感じたとき、後悔のない選択をするためには、辞めたい理由と退職のリスクを天秤にかけて冷静に判断することが大切です。

本記事では、転職3ヵ月の壁を感じる理由と早期退職のリスクを解説します。
転職3ヵ月の壁への対処法も紹介しているため、現状に悩んでいる方は参考にしてみてください。

転職3ヵ月の壁を仕事で感じる理由は5つ

転職3ヵ月の壁を仕事で感じる理由は5つ

転職3ヵ月の壁を感じる理由として、慣れない仕事への不安や人間関係、社風へのストレスが考えられるでしょう。
ここでは大きく5つの理由とそこから退職に至る前に考えるべきポイントを紹介します。

転職3ヵ月で仕事についていけない

転職3ヵ月の壁にぶつかる理由の一つに、仕事へついていけないことが挙げられます。
中途採用で入社した方などは特に、即戦力としての活躍を期待されがちです。
とはいえ業務の難易度が高かったり、頼れる人が身近にいなかったりすると、仕事についていけず不安になることもあるでしょう。

1~2ヵ月目は覚えることが多く慌ただしかったものの、3ヵ月ほど経つと周囲と自分を比べる余裕も出てきます。
その結果、仕事についていけていない現状を意識してしまい、自己嫌悪に陥るかもしれません。

前職での経験があり、即戦力としての期待に応えようと、必要以上に肩に力が入り過ぎてはいないでしょうか。
たとえ前職と同業界・同職種であったとしても、やり方や必要なスキル、細かい業務内容は企業によって異なります。

会社が変わればこれらが異なるのは当然であり、スムーズに仕事が遂行できるようになるまでには、ある程度の期間を要すると受け止めて肩の力を抜くことも大事です。
もしスキル不足を感じているなら、スキルアップのチャンスと考え、焦らずに日々の仕事にベストを尽くすことが必要でしょう。

転職3ヵ月で人間関係にストレスを感じている

転職3ヵ月の壁に悩む要因として、人間関係へのストレスも考えられます。
苦手な人がいる、コミュニケーションが十分に取れないなど、人間関係に悩みがあっても職場で関わる人を自分で選り好みすることはできません。
また、職場の人とは毎日のように接するため、小さな不満が積み重なって、転職後3ヵ月経つ頃には大きなストレスとなってしまう可能性もあります。

上司の指示がわかりにくい

上司の指示がわかりにくく、仕事へのモチベーションを保てなくなることも、転職3ヵ月の壁を感じる一つの原因です
説明がいつも言葉足らずだったり、詳しい指示を求めると機嫌が悪くなったりする上司だと、接しづらさに悩まされます。

上司自身も業務内容や目的をよく理解できていないまま、仕事を丸投げされることもあるかもしれません。

転職して間もないうちは指示を理解しようと努力できても、3ヵ月経つ頃にはコミュニケーションを取ること自体を億劫に感じてしまうこともあるでしょう。
だからといって、上司とのコミュニケーションを避けるわけにもいきません。
わかりにくい点は文章にまとめ、上司の指示と自分の理解が一致しているかを確認してみるのも良いでしょう。
あるいはメールやチャットを活用し、要点を共有してもらうなど、距離感に気を付けてみましょう。
上司の性格に応じて、接し方を工夫することによって、上司の反応にも変化が生じます。
どういう言い方や接し方をすれば、お互いのコミュニケーションがスムーズになるのか、いろいろ試してみるのも一案です。

他人からの評価を過剰に気にしている

周囲の評価を気にしながら仕事を続けていると、ストレスを感じやすくなります。
周りの意見を気にしすぎて、自分の意思より他人の物差しに左右されてしまうことがその理由です。
評価されない自分に対して自信を持てず、自己嫌悪に陥ってしまう方もいるでしょう。

さらに「同期は昇進している」「友人はいろいろなことに挑戦している」など、他人と自分を比べることで、嫉妬心に疲れてしまうこともあります。
承認欲求や嫉妬は、仕事に対する熱意としてポジティブに変換するのが理想です。
また、周囲の反応に一喜一憂しないためには、自己肯定感を高めることが重要です。

社風が合わない

いざ転職してみて、社風が合わないと感じることも転職3ヵ月の壁に悩む理由となります。
仕事の取り組み方や社員同士の雰囲気は、会社によって千差万別です。
新しいことに挑戦しにくい環境だった、体育会系でついていけないなど、社風は働いてみないとわからないことも多いでしょう。

価値観のずれを感じたまま働くとなると、どうしても壁を感じやすくなります。
人によって社風に対する感じ方やとらえ方は多種多様です。
現在の会社への転職活動中に企業研究によって、社風を知ることにも努めたはず。
その際に社風にどの程度重きを置いたのか、何を重視して現在の企業を選んだのかも振り返ってみましょう。
それが今はなぜ社風が合わないと感じるのか、この先改善される可能性があるのかどうかを検討してみることも大事です。

また、以前の会社を辞めたとはいえ、慣れ親しんでいたかつての会社の社風と比べて、否定的な見方をしていないかも自らに問いかけて確認しましょう。
自分と同じ感覚の仲間がいると心持ちは違ってくるため、信頼できる同僚や先輩へ相談してみるのも手です。

近年は働き方改革の推進やダイバーシティの観点から、従業員が働きやすい環境を整え、生産性やワークエンゲージメントを高めるさまざまな取り組みが各企業で行われています。
企業によっては、従業員からの業務改善提案をコンペ形式で受け入れているケースもあります。
今現在は社風が合わないと感じていても、状況が変わる可能性もあるので、時機を待ち、見極めることも必要でしょう。
また、業務改善の提案をすることも一案です。

苦手な仕事だった

実際に取り組んでみたら苦手な仕事だった、希望していた内容と違う仕事をさせられているといった場合も、転職を後悔する一つの要因になります。
例えば、人と関わることが好きな方にとって接客や営業は適職といえますが、人見知りの方からすればハードルが高い仕事に感じるかもしれません。

人には個性・適性があり、それを活かした仕事であれば、やりがいや成果へつながりやすくなります。
転職して3ヵ月が経ち、少しずつ業務内容に慣れてきたことで、自分の向き不向きが表面化するケースもあるでしょう。

担当している仕事が合わないと結論付ける前に、以下のような点を検討してみることも大事です。

  • 具体的にどの業務がどのように合わないと思っているのか。その根拠は何か
  • 自分だけの思い込みで決めつけていないか
  • その仕事を続けることでスキルアップにはならないのか
  • 将来めざすキャリアが実現できるか否か
  • 配置転換や異動を申し出ることで希望する仕事に携われる見込みがあるのか

自分の働きかけや努力で状況が好転する、あるいは悩みや課題の解消につながる可能性がある職場かどうかの見極めも、転職の判断をする重要なポイントです。

仕事内容に入社前とのギャップを感じている

転職から3ヵ月ほど経つと、入社前に思い描いていた理想と現実とのあいだにギャップを感じる場面があるかもしれません。
これをリアリティショックといい、新入社員をはじめとして多くの方が入社・転職後に直面する問題です。
チャレンジ精神を活かすはずが書類整理などの簡単な業務しか任されない、想像以上にハードな職種だったなど、現状に満足できないことで壁にぶつかる可能性があります。

「何もかも100%理想通りの仕事や職場はありえない」という現実を受け入れ、ものの見方をポジティブに変換することも大事です。
また、なぜこの会社を選んだのか、どんなキャリアプランがあるのかを再確認したり、入社前の理想と入社後に感じたギャップを書き出して「見える化」したりすることで、自身の気持ちを整理できるかもしれません。

客観的に見直し、柔軟に発想の転換を図ることで、ギャップを埋められるかどうかを確認してみましょう。

転職3ヵ月の壁を感じて退職を考えるならリスクを確認してから判断

転職3ヵ月の壁を感じて退職を考えるならリスクを確認してから判断

転職3ヵ月の壁をきっかけに辞めた場合、短期離職ということになります。
短期離職はいくつかのリスクを抱えているものの、3ヵ月の壁を感じたまま働き続けることにもデメリットはあるものです。
退職するかどうかは、それぞれのリスクを理解したうえで判断しましょう。

短期離職のリスク

転職後3ヵ月で辞めるとなると、短期離職によって次の転職の難易度が上がるほか、失業保険を受給できないなどのリスクがともないます。
現状を変えるために退職という選択肢が最適なのか、今一度検討してみてください。

次の面接の難易度が上がる

転職して3ヵ月で辞めた場合、次の職場を探す際に面接の難易度が上がるリスクがあります。
短期離職という職歴によって、応募企業から「継続力がない」「ストレス耐性が弱い」「採用してもすぐに辞めてしまうのでは」といった先入観を持たれてしまうことがその理由です。

企業としては、教育コストなども考えて長期的に働ける人材を求めています。
そのため、面接では先入観をくつがえせるよう、長く活躍したいことを強くアピールする必要があるでしょう。
また、たとえ前職に対する不満が転職のきっかけであったとしても、退職理由や転職理由は不平不満を述べるのではなく、ポジティブな目標に転換させて、説得力を持たせることが重要です。

失業保険を受給できない

短期離職の懸念点として、失業保険を受給できないリスクも挙げられます。
失業保険を受け取るには、退職日前の2年間に被保険者期間が12ヵ月以上あることが条件です(自己都合の場合)。
転職して3ヵ月で退職した場合は、失業保険の受給資格を満たさない可能性があります。

次の職場を決める前に退職してしまうと、無収入の状態が長引くことにもなりかねません。
退職する際は、できることなら在職中に転職活動をし、転職先が決まってから離職するなど、金銭的な心配がないよう進めましょう。

退職してから次の転職先が決まるまでのブランク期間が長くなると、採用側からは「その間何をしていたのか」「働く意欲があるのか」と不安視されます。

転職3ヵ月以降も耐え続けるリスク

辞めたい気持ちを抱えたまま、転職から3ヵ月以降も働き続けることにもリスクはあります。
心身に大きな負担がかかっている場合には、退職を前向きに検討するのも一案です。

心身に不調をきたす可能性がある

転職3ヵ月の壁を感じたまま働き続けた場合、心や体に不調が現れる可能性があります。
例えば不眠や食欲減退、仕事のミスが増える、職場へ行こうとすると腹痛がするといった異変が起こるかもしれません。

無理をし続けた結果、就労が難しい状態まで心身を壊してしまうリスクもあります。
自分が限界を迎える前に、休職や転職を視野に入れても良いでしょう。

攻撃的な性格に変貌する恐れがある

人はストレスや苦痛を感じると心の余裕を失い、自暴自棄に陥りやすくなります。
仕事でのストレスも過剰になると、性格が攻撃的になってしまうリスクがあるでしょう。

些細なことで怒り、愚痴や悪口ばかり言うようになった結果、そうした自分に対しても苛立ちを感じるかもしれません。
毎日の仕事で苦痛やつまらなさを感じていると、どうしてもネガティブな気持ちに引っ張られやすくなります。
自分なりのリフレッシュ方法を作るほか、環境を変えるのも一つの選択肢です。

自己犠牲精神になってしまう

職場の人間関係や業務内容に不満がある状態に耐えていると、自己犠牲精神が身についてしまうリスクがあります。
人のために行動できるのは素敵な長所ですが、職場で都合の良い存在として扱われないよう注意しましょう。

相手の意見を尊重することと、一方的に望みを聞き入れることは違います。
上司や先輩から業務上の適正な範囲を超える仕事や私的用事を強要された場合、できないことは、はっきりと断って自分の気持ちも尊重してみてください。

時間を無駄にしてしまう

違和感を覚えながらも仕事を続けた結果、時間を無駄にしたと感じる可能性もあります。
特に第二新卒などは将来のキャリアのために、まだまだ多くのことを吸収できる時期です。
「転職してまだ間もないから」と我慢した時間を、後々取り戻せるわけではありません。

仕事での成長が見込めない、職場のパワハラ・モラハラがひどいといった場合、自分がいきいきと働くために再度転職を検討するのも良いでしょう。

転職3ヵ月の壁に対する対処方法

転職3ヵ月の壁に対する対処方法

転職3ヵ月の壁に悩んだとき、退職するのはあくまでも最終手段であると考えましょう。
誰でも新たな環境に慣れるまでには時間を要し、ストレスもかかります。
退職をし、再び転職をしたとしても、同じように「転職3ヵ月の壁」に悩む可能性もありうることです。
物事の受けとめ方や、周囲への働きかけによって状況が変わることがあります。
焦って一時的な感情に流されて安易な選択をせず、この記事を自分にとって最適な対処方法が何かを考えるヒントにしてみましょう。

転職後は仕事に慣れるまでに時間がかかると心得る

転職3ヵ月の壁への対処として、仕事に慣れるまでは思い通りにいかなくて当然と割り切る方法があります。
仕事内容はもちろん職場の人間関係についても、3ヵ月ではわからないことばかりです。
環境に慣れるまでは、5~6ヵ月ほどかかるものと心得ておきましょう。
少しでも早く慣れるには、接しやすい同僚や先輩を食事に誘って相談に乗ってもらう、社内で開催される勉強会に参加するなど、積極的な姿勢を意識してみてください。
勉強会に参加して、自社商品の知識が身についたり上司の考え方がわかってきたりすると、仕事への向き合い方も今までと変わってくるかもしれません。

なお、相談の際は愚痴や悪口、不平不満は避けましょう。
職場の先輩は同じような悩みを経験してきているかもしれません。
どう乗り越えてきたのか、アドバイスをもらうと良いでしょう。
また、自分の悩みを話すだけでも気持ちが楽になることもあります。

人間関係のストレスは、どの職場でも大なり小なり、必ずあるものです。
人間関係のストレスを受けるたびに、「自分は悪くない、相手が悪い」と一方的に批判し、そのたびに転職していたのでは、自己成長にも問題解決にもなりません。

自己分析をし、自分の思考や行動パターンを変えることによって、相手との関係に変化をもたらせることもできます。
コミュニケーションやストレスマネジメント関係の研修を受けるのもおすすめです。
自らの課題克服とスキルアップにも効果的です。

さらに、人事異動によって、相手や自分自身が配置転換になる場合もあります。
職場の顔ぶれが変われば、雰囲気や人間関係、状況などが変わるかもしれません。
何ヵ月単位ではなく、1年、2年、3年、5年…と中長期的なスパンで仕事や人間関係を考えてみましょう。

体調不良時には休む

体調不良を感じたときは、我慢せずしっかりと休みましょう。
仕事が原因で心身に不調が起きている場合、放置して働き続けた結果、悪化してしまう可能性もあります。
また、無理に出社しても集中できず、思わぬミスや事故へつながりかねません。

体調が優れないときには、休息を取ることが最優先です。
趣味に没頭したり、友人に話を聞いてもらったりして、リフレッシュの時間を持ちましょう。

不当な扱いを受ける会社ならすぐに退職する

残業時間が月80時間を超える、セクハラ・パワハラが横行しているなど、不当な扱いを受ける会社なら退職を前向きに検討しましょう。
離職率が高い企業は要注意です。

最初こそ職場環境に違和感を覚えていても、慣れてしまうと異常かどうか判断がつかなくなってしまう可能性もあります。
そうなる前に、退職に向けて証拠となる文章や音声を集めておくと安心です。

転職3ヵ月の壁は理由とリスクを知ってから冷静に対処しよう

転職3ヵ月の壁を感じる理由は人によって異なります。
無理は禁物ですが、短期離職にはリスクもあるため注意しなければなりません。
なかには自分自身の物事の受けとめ方や、時間の経過とともに解決するものもあるため、自分にとっての最善の選択ができるよう冷静な判断が必要です。

退職するか否かに悩んだ場合、同じ職場の人に相談することに躊躇するかもしれません。
しかし、一人で悩みを抱えず、キャリアカウンセラーや信頼できる人物、今の職場に転職する際に転職エージェントを利用したのであれば、その担当アドバイザーなどに相談すると良いでしょう。

一人で悩んでいると視野狭窄になり、同じ考えが堂々巡りをし、多くの可能性が模索できにくくなりがちです。
第三者の客観的視点による提案やアドバイスで、後悔のない適切な判断につなげましょう。

なお、退職する選択をした場合は、何度も転職を繰り返さないためにも、前職から今の会社に転職をめざした際に行った自己分析と企業研究を見直し、入念にやり直すようにしましょう。

執筆者について

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