自己紹介は、転職面接での定番の質問です。
必ず聞かれると思って、自己紹介文を考えておいて損はないでしょう。
自己紹介というとまずは名前を述べるイメージですが、転職面接の自己紹介は1〜2分ほど話をするのがベターとされています。
そこでこの記事では、転職面接の自己紹介で話す内容と話し方のポイント、職種別の自己紹介の例文をご紹介します。
目次
転職面接の自己紹介で伝えるべき4つの項目
転職面接の自己紹介で「どういった内容を話したら良いのかわからない」という方のために、自己紹介で伝えるべき4つの項目をご紹介します。
転職面接で自己紹介をする際の参考にしてください。
挨拶・名前
まず、自己紹介ではじめに伝えるべき内容は名前です。
名前はフルネームで「〇〇 〇〇と申します。」と伝えましょう。
ぼそぼそ喋るのではなく、面接官の目を見てはっきりと自分の名前を伝えることが大切です。
第一声は緊張して早口になることもあるため、話すスピードも意識すると良いでしょう。
現職(前職)での役割
現職の仕事内容や役割、勤続年数なども具体的に伝えます。
離職中の方の場合は、前職の内容を伝えましょう。
「株式会社〇〇で営業を3年間担当し、〇〇製品の新規顧客獲得業務を担ってきました。」
このように具体的な内容を端的に述べると良いでしょう。
現職(前職)での実績
応募企業が必要としている業務経験や求める人材像を参考にして、企業とマッチする実績やスキルを選択し、端的に述べましょう。
「マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)とTOEIC650点を資格として保有しています。」
「パソコン業務は〇〇が得意で、前職では営業先へのプレゼンに役立てていました。」
このように、資格を取得している場合は資格名を述べ、資格がない場合はできることを話します。
志望動機
「どうして今回、御社を志望したのか」その理由を端的に話すと、あとから聞かれる自己PRの質問の回答につなげやすくなります。
志望動機とあわせて意気込みも伝えれば、志望企業への熱意が面接官に伝わります。
また、自己紹介の最後に「本日はよろしくお願いします。」と一言付け加えると、面接官に好印象を与えることができるでしょう。
転職面接の自己紹介のポイント
転職面接の自己紹介では、話す内容以外にも気を付けておかなければならない4つのポイントがあります。
自己紹介は、面接の最初に話す内容であるため、ポイントを押さえて面接官に好印象を与えることが大切です。
1~2分程度の長さにする
転職面接の自己紹介は、1〜2分くらいの長さを意識して話しましょう。
長くなりすぎると話の焦点がぼやけてしまい、要点がわからなくなってしまいます。
しかし、「自己紹介を3分でお願いします」などと時間が指定されるケースもあるため、ある程度長いバージョンを考えておくことも必要です。
1〜2分程度で話せる長さを文字数にすると、だいたい300文字になります。
まずは300文字という文字数を目安に、自己紹介文を考えてみましょう。
要点を押さえて簡潔にまとめる
転職面接の自己紹介において、面接官が着目しているポイントは、今までの経験やスキルに関する内容です。
よって、「自己紹介をしてください。」といわれた場合は、今までの経験やスキルが面接官に伝わるように話し方を工夫しましょう。
「弊社を志望した理由をふまえたうえで自己紹介をしてください。」といわれる場合もあります。
その場合は、面接官が注目しているポイントは志望理由になるため、志望理由が伝わるように話す順番を入れ替えるなど、臨機応変な対応が必要です。
転職の面接に関する質問は、以下の記事で詳しく紹介していますので、ご参照ください。
キャッチコピーをつける
キャッチコピーを付けることで、面接官にインパクトを与えられます。
また、キャッチコピーは、伝えたいことを端的に表現できるというところがメリットです。
キャッチコピーの例として以下のようなものがあげられます。
- 石の上にも3年いられる辛抱強さがあります
- 石橋を叩きすぎるほど慎重な性格です
- 辺りを照らす灯台のような性格です(協調性のアピール)
- 刺し身のつまのような人間です(協調性のアピール)
このように、自分の長所や強みでキャッチコピーを考えることで、他の志望者と差をつけることができ、面接官の印象にも残りやすくなるでしょう。
第一印象を意識する
人間の印象を決めるポイントの一つが「メラビアンの法則」です。
メラビアンの法則では、第一印象に影響する要素の割合は「視覚55%、聴覚38%、話の内容7%」と定義されており、見た目などの視覚的要素、話し方などの聴覚的要素が大部分を占めていることがわかります。
これらをふまえたうえで、第一印象を良くするために、視覚的要素と聴覚的要素について詳しくご紹介します。
話し方
転職面接時の話し方としては、ゆっくりした速度で抑揚をつけて話すこと、面接官が聞き取りやすい声量で話すことがポイントです。
社内用語や専門用語、略語の使用を避け、面接官に伝わりやすい説明を心がけましょう。
異業界への転職面接の際には、社内用語や専門用語に関して特に注意が必要になります。
同業者間や社内でよく用いられる略語は、面接官に意味が伝わらない場合があるため、正式名称を用いることが大切です。
表情
話すときは目力を加えてキリッと明るい表情を作り、話の区切りや話し終わりに口角を軽く上げるのがポイントです。
目力を入れて話すことで、表情が引き締まり、真面目で意欲的な印象になります。
また、口角を軽く上げることで表情に華やかさを感じられ、明るい印象を面接官に与えることができます。
姿勢
話すときの姿勢として重要なことは、俯かずにまっすぐ前を向いて話すことです。
顔が下を向いてしまうと声が正面に飛ばず、聞き取りにくくなります。
また、俯いていると面接官に暗い印象を与えてしまうため注意が必要です。
数秒に一度は、面接官の目を見て話すことを心がけましょう。
面接官の目を見つめすぎると圧迫感を与えることもあるので、適度に目線を移動させるようにしましょう。
目を合わせないときは面接官の口元や喉元などを見ながら話すと、姿勢を維持できます。
【職種別】転職面接の自己紹介の例文
転職面接で自己紹介をするときは、企業とマッチする実績やスキルを内容に盛り込むと良いと先述しました。
職種ごとに求める人物像やスキルも異なるため、ここでは職種別に自己紹介の例文をご紹介します。
実際に自己紹介文を考える際の参考にしてください。
テンプレート
〇〇〇〇と申します。
本日は貴重なお時間をいただきありがとうございます。
現在、株式会社××××にて〇〇職を〇年間担当しております。現職では、××××(経験や業務内容)に取り組み、〇〇〇〇(強み)を活かした業務を行ってまいりました。
その結果、〇〇〇〇(成果や実績)をあげることに成功いたしました。
また、×××(資格やスキル)も保持しております。
今後は、〇〇〇(応募先の企業で携わりたい業務)に携わりたいと考えていたところ、御社の求人を目にしたため応募させていただきました。
御社の〇〇職でも、前職の経験を活かし、即戦力として実績をあげていきたいと考えております。
どうぞよろしくお願いいたします。
未経験
〇〇〇〇と申します。
本日は貴重なお時間をいただきありがとうございます。
大学卒業後4年間、旅行会社×××にて、お客様の旅行プランの立案や企画を行ってきました。
また、旅行アドバイザーの資格も保持しております。
今回は、異業種であるマーケティング職への応募となりますが、前職の旅行プランの企画や提案力、観光スポットのリサーチ力などが活かせるものと考えております。
御社の製品のいちユーザーとして、美容商品を売りにしている御社のお客様のニーズを満たせるよう、より良い商品開発に向けた市場のリサーチや分析、商品の企画を担当したいと考えております。
どうぞよろしくお願いいたします。
事務職
〇〇〇〇と申します。
本日は貴重なお時間をいただきありがとうございます。
私は、〇〇〇株式会社にて5年間、事務業務の経験を積んできました。
主な業務内容は、会議の議事録作成、売上管理、物品管理、イベント案内資料の作成などです。
事務業務として、正確なデータの管理を行うことはもちろんのこと、会議やイベント案内資料を作成する際は、見やすく的確に内容が伝わる構成を意識しておりました。
今後は、事務職として見やすい資料作成を活かし営業部をサポートしたいと考えていたところ、御社の求人を目にしたため応募させていただきました。
御社の事務職でも、前職の経験が活かせるものと考えております。
どうぞよろしくお願いいたします。
営業職
〇〇〇〇と申します。
本日は貴重なお時間をいただきありがとうございます。
私は、株式会社××××にて、〇〇製品の新規顧客開拓営業を3年間行ってきました。
SNSを活用して顧客のニーズを分析し、お客様から実際にヒアリングすることで、ニーズにあう自社製品の魅力を引き出し、提示することができました。
その結果、年間売上目標に対し、150%の成果をあげたこともあります。
今後は、〇〇製品のAIシステムを活かした〇〇の営業に携わりたいと思っていたところ、御社の求人を拝見したため応募させていただきました。
分析力や情報収集力には自信があります。
御社の営業職でも、前職の経験が活かせるものと考えております。
どうぞよろしくお願いいたします。
企画・マーケティング職
〇〇〇〇と申します。
本日は貴重なお時間をいただきありがとうございます。
現職では、株式会社××××で7年間、化粧品の商品企画やマーケティングを担当しています。
自社製品のユーザーが20代の若い世代が多いこともあり、SNSを活用したデジタルマーケティングで市場調査や分析を行い、商品の改善や新商品の企画を行いました。
私が企画を担当したアイライナーは、販売開始から1年で累計販売本数1万本を突破する人気商品となりました。
今後は、美容製品のマーケティング職に携わりたいと思っていたところ、御社の求人を拝見したため応募させていただきました。
御社のマーケティング職でも、前職の経験が活かせるものと考えております。
どうぞよろしくお願いいたします。
人事職
〇〇〇〇と申します。
本日は貴重なお時間をいただきありがとうございます。
現在は、株式会社××××で5年間、人事職として新規職員採用や勤怠管理、給与計算などを担当しています。
人材採用業務では、人事部が主体となって就活イベントに出向き魅力を伝えます。
そこで求職者が働きたいと思ってくれる会社かどうかが決まると考えており、会社の顔として雰囲気作りを最も大切にしてきました。
その結果、入社後のアンケートでは「人事の方の雰囲気が好印象だった」というコメントを多くいただいております。
御社の人事職でも、前職の人材採用経験が活かせるものと考えております。
どうぞよろしくお願いいたします。
飲食業
〇〇〇〇と申します。
本日は貴重なお時間をいただきありがとうございます。
私は、ファミリーレストラン〇〇で5年間勤務し、入社3年目に〇〇店の店長を任され、店舗経営から人材管理を担当しました。
特に飲食店の経営では人材マネジメントが大切であると考え、人材管理に力をいれて指導を行ってきました。
結果として、個々の従業員が自分の任されている役割をきっちり果たすようになり、業務の効率化とお客さんの回転率を高められたことによる売り上げアップを導きました。
また、お客さんからも待ち時間が減少したことや、従業員の活気が増したことなどで良い口コミをいただけるようになりました。
御社でも、前職の人材マネジメントの経験が活かせるものと考えております。
どうぞよろしくお願いいたします。
エンジニア職
〇〇〇〇と申します。
本日は貴重なお時間をいただきありがとうございます。
現職では5年間、アプリケーション開発エンジニアとして、Webアプリケーションの開発を担当しております。
私が開発した〇〇というアプリケーションは、〇〇ができる仕組みになっており、100万ダウンロードを突破した実績があります。
また、システムアーキテクト試験に合格し、資格を保有しております。
今後は、〇〇製品のAIシステムを活かしたアプリケーション開発に携わりたいと思っていたところ、御社の求人を拝見したため応募させていただきました。
御社のエンジニア職でも、前職の経験が活かせるものと考えております。
どうぞよろしくお願いいたします。
転職回数が多い人向け
〇〇〇〇と申します。
本日は貴重なお時間をいただきありがとうございます。
大学を卒業後、営業職1社、金融業1社、ホテル観光業2社で勤務してまいりました。
私が現在までに携わってきた4社すべてにいえるのは、お客様を第一に考えた接客業であるということです。
私は、人と関わることが好きで、相手の伝えようとしていることを聞き出すことが得意です。
ホテル業に従事していたころは、ホテル代表として接客コンテストに参加し、県代表に選ばれただけでなく、全国大会で2位を受賞した経験があります。
これまでの各業界での経験やコミュニケーション能力を御社の〇〇職で活かし、さらなるスキルの向上をめざしたいと考えております。
どうぞよろしくお願いいたします。
転職時の自己紹介はポイントを押さえて面接に備えよう
転職面接の自己紹介は、名前、現職の役割、現職の実績、志望動機を1~2分で話せる文章量にまとめることがポイントです。
1~2分の文章量は300文字程度となるため、300文字を目安に文章を考えると良いでしょう。
どんなに良い文章を書いても、面接の場で面接官に良い印象を与えられなければ採用されることが難しくなります。
内容だけでなく、話し方や表情、姿勢にも気を配りましょう。
職種別の例文は、300文字程度にまとめてあります。
転職面接のポイントを押さえた自己紹介文を作成し、面接に備えましょう。