ポテンシャルで採用される新卒とは異なり、転職ではスキルや実績が求められる傾向にあります。
このため自分のスキルに自信がない方は、転職に尻込みしてしまうこともあるでしょう。
しかし、転職において必ずしも専門的なスキルや誇れる実績が必要なわけではありません。
本記事では、転職時にアピールできる基本的なスキルと未経験でもチャレンジしやすい業界を紹介します。
スキルなしでの転職は年齢を重ねるごとに難しくなるため、自分の強みや興味のある業界が明確になったら、早めに行動へ移してみてください。
目次
スキルなしでも転職できる?
スキルなしでも、転職を成功させることは可能です。
転職にあたって、必ずしも特別なスキルが求められるわけではありません。
企業によっては入社後に研修を設け、知識やスキルを学んでいけることもあります。
特に20代の人材に対しては、スキルより人間性ややる気を重視する採用担当者も多いものです。
そもそもスキルがないと悩む方は「テクニカルスキル」だけを指して不安になっているのかもしれません。
しかし、スキルの種類には「ポータブルスキル」もあります。
テクニカルスキルとポータブルスキルの特徴は下記のとおりです。
テクニカルスキル | 特定の職種のみで用いる専門知識や技術 |
ポータブルスキル | どのような業種・職種にも活かせるスキルや適合可能性 例)コミュニケーションスキル、情報収集力、計画力など |
テクニカルスキルがない場合は、ポータブルスキルに目を向けてみましょう。
自分の持つポータブルスキルが志望企業でどのように活かせるかを的確に伝えられれば、テクニカルスキルに劣らないアピールポイントとなります。
転職でアピールできるスキルを3つ紹介
テクニカルスキルなしでも転職でアピールできる強みを3つ紹介します。
- コミュニケーションスキル
- 業務遂行スキル
- ExcelやWordなどのパソコンスキル
それぞれ詳しく見ていきましょう。
コミュニケーションスキル
ポータブルスキルの一つであるコミュニケーションスキルは、多くの業界や職種でアピールできます。
ただ話すだけでなく、相手の話を聞き、意向を汲んだ行動が求められるでしょう。
コミュニケーションスキルがある人の特徴は、下記のとおりです。
- 上司や同僚と良好な関係を築ける
- お客様と打ち解けるのが早い
- 場の空気を明るくして周囲のモチベーションを高められる
- 聞き手を惹き込むような魅力的な話ができる
このように、コミュニケーションスキルは特別な知識や技術がなくても磨いていけます。
業務遂行スキル
業務遂行スキルとは、課題や目標に向けて計画的に行動し、ときには臨機応変に対応できるスキルです。
この能力もポータブルスキルに該当します。
業務遂行スキルの例は、下記のとおりです。
- 情報収集力
- 課題設定力
- 計画力
- 遂行力
- 対応力・柔軟性
- 責任感
転職活動においては、自発的に動いた経験をアピールするのがおすすめです。
言われたことをただこなすだけでは評価対象にならないため、注意しましょう。
ExcelやWordなどのパソコンスキル
ExcelやWordなどのパソコン操作スキルは、どのような企業へ転職しても重宝します。
ExcelやWordの機能を使いこなせる場合、強みとしてアピールできるでしょう。
特に、デスクワークが主となる職場では必須のスキルです。
余裕があれば、ExcelやWordの使用スキルを証明できる「MOS」という資格の取得をめざすのも良いかもしれません。
全国1,700ヵ所の会場でほとんど毎日試験が行われており、一般レベルの試験であれば独学での合格もめざせます。
【年齢別】仕事で身につけたスキルがなくても転職できる?
スキルなしでも転職自体は可能ですが、年齢によって難易度が変わってくることも事実です。
一般的に、20代は特別なスキルがなくても転職できる可能性が高い傾向にあります。
ただし30代になると、スキル不足を補うために工夫が必要かもしれません。
スキルを持っていない場合の転職難易度を、20代・30代の年齢別に解説します。
【20代】スキルなしの転職なら早いほうが良い
20代はスキルがなくても転職は成功しやすいですが、それでも早いに越したことはありません。
多くの企業は20代の人材に対して、スキルより年齢を重視する傾向にあるためです。
若い人材には将来性や成長率が見込まれ、入社後に育てていくことを前提として採用されます。
社会人経験年数が浅いぶん、スキルがないことは考慮されるでしょう。
もちろん専門スキルや資格があれば、プラスの評価につながります。
【30代】スキルがない状態での転職は厳しい
30代になると転職のハードルは上がり、即戦力になるかどうかが重要視されます。
企業が求めるスキルや実績にマッチしていないと、転職活動は難航するかもしれません。
自身のスキルや実績が不足していると感じる場合、これらを補完するためアピールの仕方に工夫してみましょう。
例えば下記のようなアピール方法が考えられます。
- 企業が求めるポータブルスキルをアピールする
- 資格取得をする、もしくは取得を視野に入れていることをアピールする
- 転職エージェントを活用にする
上記のような方法でスキルや実績不足を補いましょう。
30代からスキルなしで転職をめざす際の対策は、以下の記事もご参照ください。
スキルなしで転職できるおすすめ業種6選!
ここからは、スキルなしでも転職しやすいおすすめの業種を6つ紹介します。
- IT・インターネット業界
- 接客・サービス業
- 運送業
- 事務職
- 介護・福祉業界
- 営業職
これらの業界は慢性的に人手が足りておらず、特別なスキルがなくても比較的挑戦しやすいといえます。
IT・インターネット業界
IT・インターネット業界は、デジタルの急速な発展により人手不足が続いており、未経験でも転職しやすいでしょう。
専門的なスキルが必要なイメージを持たれがちですが、IT・インターネット業界にもさまざまな働き方があり、スキル不要な職種も多く存在します。
例えばITサービスやツールの営業、企画などは特別な資格がなくとも挑戦しやすいかもしれません。
また、採用後の研修制度に力を入れている企業も増えています。
このため、スキルなしでもポテンシャル採用される可能性があるでしょう。
接客・サービス業
接客・サービス業も同様に慢性的な人手不足が続く業界で、多くの求人があります。
大抵の職場では研修制度の充実やマニュアルが完備されており、未経験者でもチャレンジしやすい業種です。
飲食店のほか、旅館やホテルなどの宿泊業、アパレルショップの販売員などが挙げられるでしょう。
特にコミュニケーションスキルが高い方、臨機応変な対応力に自信がある方に向いています。
運送業
運送業もまた人手不足に悩まされており、転職のチャンスが多い業界です。
インターネットショッピングが日常的になったことで、需要が高まり続けています。
運転免許は最低限必要ですが、業務内容自体は覚えやすく未経験でも挑戦しやすいでしょう。
また、30代以降の方も運送業界では積極的に採用される可能性があります。
宅配ドライバー以外に、倉庫内での仕分けや保管など仕事内容はさまざまです。
事務職
事務職にも多様な働き方がありますが、多くの場合はパソコンの基本操作スキルを持っていれば未経験者も歓迎されるでしょう。
一般事務や営業事務、経理事務など種類によって業務内容は異なるものの、会社のサポート業務を担うという点で共通しています。
ただし事務職の求人は人気があり、競争倍率が高くなりやすい点に注意しましょう。
WordやExcel、PowerPointのスキル、実務に活かせる知識などを積極的にアピールする必要があります。
介護・福祉業界
介護・福祉業界は、少子高齢化にともない今後も多くの人材が必要とされています。
仕事に活かせる資格はさまざまにありますが、未経験者でも転職しやすいのが特徴です。
なかには資格取得の支援を行っている企業もあり、スキルを磨きながら働けるでしょう。
また、離職率の高さや人手不足を打破するため、労働環境の見直しも進められています。
これまで持たれていた介護・福祉業界へのネガティブイメージは払拭されつつあるといえるでしょう。
営業職
営業職は、コミュニケーションスキルがあれば未経験からでも転職がしやすい職種です。
営業スキルに関しては、入社後に研修で身につけられる企業もあります。
人と話すことが好きな方、向上心がある方、情報収集が得意な方などは特にその強みを活かせるかもしれません。
求人を探す際は、教育制度が整っているかどうかをチェックしておきましょう。
スキルがなくて不安なら転職エージェントのサポートも活用
スキルなしでの転職はもちろんのこと、スキルや資格がある方も、転職エージェントを活用することで転職活動がスムーズに進めやすくなります。
転職に関する悩みに乗ってくれるほか、これまで気付けなかった自分のスキル・強みも見つけ出してくれるかもしれません。
面接練習や履歴書のアドバイスも行ってくれるため、転職の成功率を上げたい方は活用してみてはいかがでしょうか。
なお転職エージェントや転職サイトは、複数併用するのがおすすめです。
選択肢の母数が増えるため、好条件の求人を見つけやすくなるでしょう。
スキルなし未経験でも自信を持って転職活動に臨もう!
スキルなしでの転職に不安を抱いている方は、テクニカルスキルだけにこだわっているのかもしれません。
特別な資格がなくとも、コミュニケーションスキルや行動力といったポータブルスキルもアピール次第で大きな魅力となるでしょう。
特に若い世代での転職は、スキルよりも人間性や入社意欲が重要視されます。
あるいは、スキルなし未経験でも比較的転職しやすい業界にチャレンジするのも手です。
転職サイトや転職エージェントのアドバイスを通して自分の強みを再確認できたら、自信を持って転職活動に臨みましょう。