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再就職手当とは?受給条件や申請の流れを知ろう

転職や休職を考えているけれど、次の仕事に就くまでの収入に不安はありませんか?

再就職をした際には、「再就職手当」という一時金を受け取れる制度があります。
転職活動中や失業中の収入に不安がある方に、まとまったお金を一括で受け取ることができる再就職手当の制度を紹介します。

一定の条件を満たしていれば、失業後早期に再就職をすることにより、既定の方法に則って算出した金額を一時金として受け取ることが可能です。
受給条件や申請の流れ、金額の計算方法などを詳しく解説していきます。

再就職手当とはどのような制度?

再就職手当とは、失業手当の受給資格のある人が早期に安定した職業に就いた場合や、事業を始めた場合などに手当を支給し、早期の再就職を促す制度のことです。

条件を満たした人がハローワークで手続きをすることにより、支給されます。
支給額は、再就職するまでの期間などによって給付率が異なります。

再就職手当の受給条件

再就職手当の受給条件を詳しく見ていきましょう。
再就職手当を受給するためには、以下9つの条件をすべて満たしている必要があります。

  1. 7日間の待期期間満了後に就職していること
  2. 基本手当の支給残日数が所定給付日数の3分の1以上あること
  3. 離職前の事業所への再就職ではない、また密接な関りもないこと
  4. 待機期間満了後1ヵ月以内は指定された機関の紹介による就職先であること
  5. 再就職先での勤務が1年を超えると確定していること
  6. 雇用保険の被保険者になっていること
  7. 過去3年以内に再就職手当または常用就職支度手当を受けていないこと
  8. 受給資格決定日前に採用が内定していた就職先でないこと
  9. 再就職手当支給決定日までに離職していないこと

参考:再就職手当のご案内

契約社員や派遣社員だったとしても、一定の条件を満たせば受給できます。
それぞれの条件を詳しく解説していきます。

①7日間の待期期間満了後に就職していること

失業してハローワークで手続きを行ったあと、7日間の待機期間があります。
再就職または事業の開始が待期期間満了後であることが、再就職手当の給付条件です。

この期間が終了する前に再就職した場合は、再就職手当を受け取れません。
待機期間中にアルバイトなどをしてしまうと、失業した状態ではないと見なされます。

また、失業した状態ではない日、もしくは失業の認定を受けていない日は、待期期間に含まれないので注意が必要です。

②基本手当の支給残日数が所定給付日数の3分の1以上あること

所定給付日数とは、失業手当をもらえる日数のことで、支給残日数とは、失業手当を受け取ることができる残りの日数(就職日の前日まで)のことをいいます。

再就職手当を受け取るためには、支給残日数が所定給付日数の3分の1以上必要です。
例えば所定給付日数が90日の場合は、支給残日数が30日以上残っていることが条件です。

所定給付日数は、失業手当を申請した際に渡される「雇用保険受給資格者証」で確認できます。

③離職前の事業所への再就職ではない、また密接な関りもないこと

同じ会社に再就職した場合や、前職と関わりの深い会社に転職した場合には、再就職手当は支給されません。
関連企業や取引先などへの就職もこれに当たるので、注意が必要です。
資本や資金、人事などに深い関わりのない、つまり離職した会社とはまったく関係のない会社に就職することが、再就職手当給付の条件です。

④待機期間満了後1ヵ月以内は指定された機関の紹介による就職先であること

前職を自己都合などで退職した場合、給付制限(失業手当が支給されない期間)が設けられることがあります。

給付制限がある方は、7日間の待期期間満了後、最初の1ヵ月間はハローワークか指定された職業紹介事業者からの紹介で再就職する必要があります。

対象とならない事業者の紹介による再就職では再就職手当が支給されないので、給付制限を受けている方は注意しましょう。

⑤再就職先での勤務が1年を超えると確定していること

再就職手当を受けるためには、再就職先に1年以上雇用されることが確実でなければなりません。

1年以内に退職する可能性のある場合や、短期間のアルバイト、日雇い契約の場合にも対象外となります。

派遣社員の場合も、1年未満の派遣契約は対象外となるので注意が必要です。
ただし、派遣社員は1年以内の契約であったとしても、契約更新の見込みがある場合は手当支給の対象になります。

⑥雇用保険の被保険者になっていること

再就職手当を受け取るためには、再就職先で雇用保険に加入している必要があります。
そのためには、雇用保険に加入できる雇用条件で働かなければなりません。
雇用保険に加入するには、以下の3つの条件を満たす必要があります。

  1. 勤務開始時から最低31日間以上働く見込みがあること
  2. 週に20時間以上働いていること
  3. 学生ではない(例外あり)

雇用保険はこの3つの条件を満たせば、事業者と労働者の意思に関係なくすべての労働者が加入対象となります。

⑦過去3年以内に再就職手当または常用就職支度手当を受けていないこと

再就職日前の過去3年以内に、再就職手当または常用就職支度手当(さまざまな理由で就職が困難な方が再就職した場合に支給される手当)を受給したことのある人は、再就職手当を受け取れません。

また、過去に事業を開始した際に再就職手当を受け取っていた場合も対象外となります。

以前に再就職手当を受給したことがある場合は、3年以内でないことを確認しましょう。

⑧受給資格決定日前に採用が内定していた就職先でないこと

受給資格決定日とは、ハローワークに離職票を提出し、求職の申し込みをした日を指します。
この日よりも前に、再就職先から内定が出ていないことも条件です。

前職を退職した時点ですでに再就職先が確定しているような場合には、受給対象外となります。
ハローワークに求職の申し込みをしたあとの待機期間満了日がいつになるのかも、しっかり把握しておく必要があります。

⑨再就職手当支給決定日までに離職していないこと

再就職手当の支給決定日までに離職している場合には、手当はもらえません。
また、離職予定がある場合も対象外となります。

再就職手当でもらえる金額

再就職手当でもらえる金額

再就職手当でもらえる金額は、「基本手当の支給残日数✕基本手当日額✕給付率(60%または70%)」で決まります。

基本手当の支給残日数とは、失業保険がもらえる残りの日数のことで、再就職する前日まで受給したうえで残っている日数を指します。
基本手当日額は、失業保険の1日の支給額のことです。

基本手当日額は、「離職前の6ヵ月間に支払われた給与の総額÷180×給付率」で計算ができます。
基本手当日額の給付率は、およそ50~80%で、年齢区分ごとに上限が決められています(60~64歳の方は45~80%)。

再就職手当の給付率は、支給残日数が3分の1以上残っていれば60%、3分の2以上残っていれば70%です。

参考:雇用保険の基本手当の所定給付日数

再就職手当の受給申請の流れ

再就職手当は、受給申請をしてから約1~2ヵ月後に受け取ることができます。
支給までの流れは以下のとおりです。

  1. ハローワークへ再就職が決まったことを報告する
    基本的に申請期限は「就職日の翌日から1ヵ月以内」となります。
  2. 採用証明書を再就職先に記入してもらい、ハローワークへ提出する
    採用証明書は雇用保険の手続きの際に受け取る「受給者のしおり」のなかにあります。
  3. ハローワークから再就職手当支給申請書を受け取る
    その際「採用証明書」「雇用保険受給資格者証」「失業認定申告書」の3点をハローワークに提出する必要があります。
  4. 再就職手当支給申請書を再就職先に記入してもらう
    前職とのつながりがない会社であることを証明する書類も提出が必要です。
  5. 再就職手当支給申請書と雇用保険受給資格者証をハローワークへ提出する
    再就職先での勤務実績を証明する書類(タイムカードの写しなど)の提出も必要です。

早期就職で再就職手当を受給しよう

再就職手当は、失業中の方の早期再就職を促すために設けられた制度です。

より早く再就職をすることにより、受け取れる手当の給付金額は高くなります。
まとまったお金を一括で受け取ることができるこの制度は、新しいスタートの支度金と新生活の励みになることでしょう。

執筆者について

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