退職を決心したら、早めに準備しておきたいものが「退職メール」です。
退職メールは、お世話になった方々へ感謝の気持ちを伝えるために送るものですが、「誰に送れば良いのか」「いつ送るのか」「どのような内容で送れば良いのか」など悩んでいる方も多いでしょう。
退職メールを送るタイミングや書き方を、例文とともに紹介します。
退職が決まった方は、参考にしてみてください。
目次
退職メールは誰に送る?
退職の挨拶メールは、仕事で関わった方へ送ります。
上司など、特にお世話になった方へは、挨拶回りをしたあとに個別にメールを送るか、もしくは挨拶に伺えなくても個別にメールを送りましょう。
関係が深くない方へは、メールの文面を整えて一斉に送信します。
一斉送信は失礼に当たると不安になるかもしれませんが、感謝の意を伝えるメールに対して不快に思われる方は少ないでしょう。
退職挨拶メールの書き方
社内への退職挨拶メールは、一斉送信が一般的です。
また、以下の点に注意してメールの内容はできるだけシンプルにしましょう。
- 件名は「退職の挨拶」だとわかるもの
- 退職日を書く
- 退職後の引き継ぎについて書く
- 感謝の気持ちを伝える
- 退職理由は書かない
- 退職後の連絡先は書かない
- 一斉送信のときの宛先は「bcc」に入れる
件名は「退職の挨拶」だとわかるもの
件名には、一目で見て「退職の挨拶」とわかるようにします。
ビジネスメールを1日に100通以上送受信している人も珍しくありません。
件名に結論が書いてあるメールは、受信者が一瞬で内容を判断できるので、その場で開いたり、急ぎでなければ別のタイミングで開いたりなど、対応を決めることができます。
件名が曖昧だと、あと回しにされたまま他のメールに埋もれてしまい、読まれない可能性があります。
退職日を書く
社内の方へ向けた退職挨拶メールには、退職日や最終出社日を書きましょう。
社外の方へ送るタイミングは、後任担当者への引き継ぎをスムーズに行うため、退職日の2〜3週間ほど前が良いと言われています。
退職日を明記しておくことで、取引先には担当者交代までの期間をイメージしてもらえて、相手のスケジュールや優先順位を決めやすくなります。
退職後の引き継ぎについて書く
お世話になった得意先に対しては、退職前に後任者と挨拶に伺うのがベストですが、難しければメールでの挨拶となります。
後任者へ引き継ぐ場合には、後任者の名前や電話番号、メールアドレスなどの連絡先を伝えておきましょう。
得意先にとっては、引き継ぎがなかったり、後任の担当者の連絡先がわからなかったりすることが不安材料となります。
会社への評価が良くても、信頼を大きく失うおそれがあるため注意が必要です。
感謝の気持ちを伝える
お世話になった方へは、感謝の気持ちを伝えます。
特に個別に送信するメールは、コピー&ペーストで文章を使い回しせずに、相手との思い出など個人的な内容を添えることで、相手のために書いたことが伝わるようにしましょう。
また一斉送信したあとに、さらに個別メールを送信するのもおすすめです。
受け取った相手は、わざわざ自分のために時間をさいてくれたと感じ、より感謝の気持ちが伝わりやすくなります。
退職理由は書かない
退職理由は具体的に書く必要はなく、一身上の都合であることを書きましょう。
退職理由が気になる相手は返信メールや電話をくれるため、その際に個別に伝えれば問題ありません。
また、どうしても退職理由を書く必要がある場合は、後ろ向きな理由ではなく、次のステップへのチャレンジであるなど前向きな理由を書くことがおすすめです。
退職後の連絡先は書かない
特に社外への転職が理由で退職する際は、退職後の連絡先は書かないほうが無難です。
場合によっては、公私混同ととらえられる可能性もあります。
私用の連絡先を書くことで、会社からも顧客情報を利用していると誤解される可能性があります。
どうしても必要な場合は、上司に相談してから送信するとトラブル防止になるでしょう。
一斉送信のときの宛先は「bcc」に入れる
一斉送信での注意点は、「bcc」で送信相手へ送ることです。
「TO」に送信相手を全員入れて送信すると、メール受信者が誰に送信したのかがわかります。
つまり、個人情報の流出やメール受信者が誤って全員へ返信すると多数の人へ迷惑をかけてしまうことになります。
退職メールでトラブルを防ぐために、必ず「bcc」で一斉送信をしましょう。
退職挨拶メールの例文
では、具体的にどのようにメールを書けば良いのでしょうか。
メールの書き方は、社内宛や社外宛、個別と異なります。
例文を提示するので、参考にしてみてください。
社内宛
社内宛メールの例文は以下のとおりです。
【TO】自分
【bcc】送信先
【件名】
退職のご挨拶(名前)
【本文】
お疲れ様です。
○○部の○○です。
突然のご挨拶で失礼します。
私ごとで大変恐縮ですが、一身上の都合により○月に退職することになり、本日が最終出社日となります。
お世話になった方々へは、直接ご挨拶を申し上げるべきところですが、メールでのご挨拶となり申し訳ございません。
入社して○年間、ご指導いただきましたこと心より感謝いたします。
みなさまのサポートがあって、仕事を続けることができました。
この会社で培った経験を活かして、今後もチャレンジしていきたいと思っています。
最後になりましたが、みなさまのさらなるご健勝とご活躍を心よりお祈り申し上げます。
今まで本当にありがとうございました。
(名前)
社外宛
社外宛メールの例文は以下のとおりです。
【TO】相手の名前
【件名】
退職のご挨拶 (○○株式会社 ○○)
【本文】
○○株式会社
●●様
平素は大変お世話になっております。
○○株式会社の○○です。
突然のご連絡で恐れ入ります。
私ごとで大変恐縮ですが、一身上の都合により○月○日付けで退社することになりました。
最終出社日は、○月○日の予定です。
本来であれば直接お伺いしてご挨拶すべきところ、メールでのご挨拶となり申し訳ございません。
●●様には、お力添えいただきましたこと心より感謝申し上げます。
後任は、同じ部署の○○が担当いたします。
後日あらためて○○がご挨拶に伺いますので、引き続き変わらぬご指導のほどよろしくお願い申し上げます。
最後になりましたが、貴社のご発展と●●様の益々のご活躍を心よりお祈り申し上げます。
○○株式会社
(名前)
退職挨拶メールを送るタイミング
作成した退職挨拶メールはいつ送れば良いのでしょうか。
社内と社外への退職メールの送信タイミングは異なるため、それぞれ紹介します。
社内への退職メール
社内への退職メールは、最終出勤日に送ることが一般的です。
退職メールは、お世話になった方への最後の挨拶の意味合いが強いため、退職が決まった日ではなく最終出勤日に送りましょう。
注意すべき点は、会社や部署によって独自ルールがあるかもしれませんので、上司や先輩に事前に確認しておくことがおすすめです。
ただし、業務を引き継ぐ担当者に対しては、社内で公表できるタイミングで可能な限り早めに伝えると、引き継ぎがスムーズになります。
社外への退職メール
社外への退職メールは、退職の2〜3週間前が一般的であるといわれています。
しかし、社外へ退職を公表できるタイミングや後任が決まる時期によっては、異なるケースもあるため、上司に確認したほうが良いでしょう。
特にお世話になっている取引先に対しては、後任担当者と挨拶や引き継ぎをしっかりと行います。
そして在職期間は仕事を全うすることを伝えることも大切です。
退職メールはマナーを守りながら、感謝の気持ちをしっかり伝えよう
退職メールは、お世話になった方々へ感謝を伝える最後のメールとなります。
退職後もどこかで一緒に仕事をする可能性もあるため、悪い印象を与えないよう、普段送信するメールよりも丁寧に作成することが重要です。
自分で納得のいくメールを送信し、スッキリした気持ちで次のステップへ進んでいきましょう。