自己PRで企業に「継続力」をアピールするときは、注意すべきポイントがあります。
企業が求める継続力を有していることをアピールしなければ、意味がありません。
具体的なエピソードを添えて、わかりやすくアピールしましょう。
今回の記事では、自己PRで「継続力」を記載する際の書き方のポイントや例文を紹介します。
目次
「継続力」の自己PRは企業の価値観に合わせる
自己PRは、自分自身を採用するメリットを訴え、企業に売り込むアピールです。
自己PRのなかで継続力をアピールする場合は、「企業が求める継続力」があることをアピールしましょう。
事前に企業の求める人物像や社風などを確認し、企業が求めている人材を把握しておく必要があります。
継続力があることを自己PRにしたときの企業からの印象は?
自己PRで継続力をアピールできれば、企業からは以下のような印象を持ってもらえるでしょう。
真面目なイメージ
コツコツと物事を続けてきた事実は、真面目なイメージをもたらします。
企業が望むのは、入社後も真面目に努力し、スキルアップや目標達成をしていく社員です。
継続力がある真面目なイメージは、多くの企業に好印象を残すでしょう。
困難なことにも最後までやり抜くイメージ
仕事をしていると、困難な壁が立ちはだかることもあります。
継続力があることを伝えられれば、難題に対しても逃げずに立ち向かう人という印象を持ってもらえるでしょう。
長期的に働いてくれるイメージ
物事を継続的に続けてきた実績は、すぐに諦めず長期的に働き続けてくれるであろうという期待を企業側に抱かせます。
人材を発掘し育成するにはとても大きな労力と金銭がかかるため、企業は一度入社した人にできるだけ長期的に活躍してほしいと望んでいます。
長期的に安定して活躍できるイメージを与えられることは、内定への一歩になるでしょう。
履歴書の自己PR欄で「継続力」を強みにする組み立て方
自己PRで継続力を記載する際は、以下の構成で記載しましょう。
- 結論:
アピールしたい自分の強みは「継続力があること」であると記載します。
置き換え表現は後述するので、そちらをご覧ください。 - 理由:
継続力があるといえる理由を記載します。 - エピソード:
継続力が発揮できたエピソードを記載します。
エピソードは結論を裏付ける重要な部分なので、できるだけ具体的に記述しましょう。
そのエピソードのなかで直面した問題の内容とその分析および対策、そして結果をわかりやすく書いていきましょう。 - 結論:
再度、継続力をアピールします。
単純に「継続力が強みです」と記載するだけでは不十分です。
継続力が入社後にどう活かせるのかを、具体的に記載しましょう。
採用担当者は入社後の活躍の様子をイメージしやすくなり、より採用したくなるでしょう。
自己PRで継続力をアピールする際のポイント
自己PRで継続力をアピールする場合、以下のポイントを踏まえて、より説得力のあるものにします。
継続力を具体的な表現に置き換える
自己PRでは「継続力があります」とありきたりな表現で伝えるよりも、自分自身の言葉で「継続力」を表現してみましょう。
伝えたい能力の具体的な意味が、一層はっきりしたものになります。
よりわかりやすくなると同時に、他の人と表現が重複しにくくなるため、面接官の印象に残ります。
「継続力」の主な置き換え例
- コツコツと努力し続けることができる
- 一度やると決めたらやり続ける
- 困難なことがあっても、逃げ出さずに最後までやり抜く
- 難しい壁に対しても解決策を考え、実行していく
- いかなるときでも自分の力を発揮できる
- 目標に対して物事を続けることを厭わない
エピソードは数字を入れて具体的に記載する
エピソードは、できるだけ具体的に記載しましょう。
具体的であればあるほど、面接官は状況が想像しやすくなります。
また、可能であればエピソード内に数字を入れることがおすすめです。
言葉による説明ではわかりにくい変化が、数字を用いることによって客観的に記述できます。
例えば、アルバイトの経験をエピソードで紹介するとします。
下記の2つを比較してみてください。
- お客様のニーズに応える工夫をした結果、お客様から満足しているとの声を聞くことができました。
- お客様のニーズに応える工夫をしたことで、売り上げが30万円から50万円に上がりました。
客観的指標を入れれば、エピソードがわかりやすくなることは明白です。
継続できた理由や工夫を伝える
漫然と継続したエピソードでは、「ただ何も考えず習慣のように行っただけで、問題解決能力がないのでは?」と思われて、マイナスの印象になってしまう可能性があります。
ただ継続した事実をアピールするのではなく、継続できた理由や継続するために行った工夫なども一緒に伝えていきましょう。
また、結果のみのアピールで終わってしまうのも避けましょう。
企業側は、応募者のステータスを知りたいわけではありません。
エピソードを通して、どのような価値観を持ち、企業にどう貢献してくれるのかを知りたいと思っています。
エピソードを深掘りして説明しながら、継続力があることを証明するとともに、論理的思考力や価値観などもアピールできるでしょう。
【例文】継続力のアピール内容3選
「継続力」と一言でいっても、実際はさまざまな種類の継続力があります。
企業にアピールできる継続力としては、主に下記の3つが挙げられます。
- 困難に立ち向かえる粘り強さ
- 目標に向かって努力できる姿勢
- 一定の水準で力を発揮できる能力
それぞれ自己PRの例文とともに見ていきましょう。
困難に立ち向かえる粘り強さ
継続力があることによって、困難に立ち向かい目標を達成する粘り強さをアピールできます。
入社後にトラブルなどが発生しても、逃げずに解決してくれる印象を与えることができるでしょう。
私の強みは粘り強さです。
私は小学2年生から今年の7月までバスケットボールを続けてきました。
この15年間、試合に勝ち、うれしくて泣いたこともあれば、大ケガをし、長期間外から見ることしかできず辛い思いをしたこともあります。
しかし、どのようなときも「もっとバスケットボールがうまくなりたい」と思っていました。
そこで私は、コーチからもらったアドバイスや自分が練習を通して得た気付きを、ノートに書き留めることにしました。
ただ漫然とバスケットボールの練習をしているだけでは、向上しないと思ったからです。
そして、そのノートを練習する前に見返し、今の課題を書き出してそれを克服するまで練習しました。
その結果、コーチからも「お前は指摘したことを必ず克服してくれる」と言ってもらえるようになり、試合に出られる頻度も増えていきました。
このような粘り強さがある私は、入社後慣れない仕事があっても自分自身で課題を見つけ出し、克服していける自信があります。
目標に向かって努力できる姿勢
目標に向かって努力し続けられる人材は、どの企業にとっても欲しいものです。
しっかりアピールできれば、入社後も新しい知識の習得のためにコツコツと努力してスキルアップする人材であると期待してもらえるでしょう。
私は目標に向かって努力することができます。
高校生時代にバスケットボール部のキャプテンを務め、「県大会ベスト4」の目標を掲げて練習に励み、放課後の練習だけではなく、有志と一緒に朝練習もしました。
しかし、目標の県大会では初戦で敗退してしまい、努力が報われなかったことでチーム全体の士気も下がり、朝練習に参加するチームメイトが減ってしまいました。
実際、私自身も皆と同じように休みたいと思ったこともあります。
しかし、キャプテンとして部員全員を牽引する責任を自覚していたので毎日参加し続けたところ、参加人数は徐々に増え始め、皆の練習に対する気持ちも前向きになりました。
結果的に、引退試合では目標どおり県大会ベスト4に入ることができました。
この経験から学んだことは、すぐに結果が出ない辛い状況でもコツコツと努力し続けることの重要性です。
努力している姿は、周りの人の気持ちまで変えられることも学びました。
貴社に入社してからも目標に向かって努力していくことを忘れず、日々の仕事に邁進したいと考えます。
一定の水準で力を発揮できる能力
継続的に努力できる人は、どのようなときも常に一定の水準で能力を発揮できる人とみなされることがあります。
継続力のアピールを通じて、仕事を任せられる人と見てもらうことができるでしょう。
私は何事も一生懸命に行う姿勢、そして向上心や責任感を持っています。
私は中学・高校と吹奏楽部に所属していました。
5年間ずっと同じ楽器の担当でしたが、高校3年生になった年から低音楽器に異動しました。
先輩方が引退し、部活内で低音楽器を演奏する人がいなくなったためです。
年度初めに部員全員でオーディションをし、異動の候補に私の名前が上がったときは悩みましたが、最終的には自ら志願して低音楽器に取り組むことにしました。
初めて吹く楽器だったので、同じ楽器を吹いている子に教えてもらいに他校に行き、練習方法や音符の吹き方から始め、表現の仕方なども教えてもらって、学校でも家でも一生懸命練習し続けました。
そして、最後の定期演奏会でソロパートを吹く機会に恵まれましたが、私は今でもあのときの緊張感と達成感は忘れられません。
私はうまくなろうと向上心を常に持ち、呼吸法と基礎練習を毎日行うことで一生懸命練習し、そして責任感を持って低音を一人で支えてまいりました。
入社後は社会人として自身の仕事に対する向上心や責任感を持ち、何事も一生懸命な姿勢を保つことで周りからの信頼を得、日々成長し続けていきたいと思っております。
企業の求める人物像に合わせて継続力をアピールしよう
自己PRでうまく「継続力」をアピールできれば、企業にとって採用メリットのある人材であることを示せます。
ただし、企業が求める継続力は会社や業種によって異なるので、事前に十分企業研究を行い、企業が求める人物像を把握しておくことを忘れないようにしましょう。
また、継続力をアピールする際は、できるだけ具体的に、かつわかりやすく説明するよう心がけてください。
わかりやすいエピソードを交えつつ、説得力ある構成で印象に残る継続力をアピールできれば、内定に一歩近づくでしょう。