「職歴の書き方がわからない」
「職歴の書き方の見本が見たい」
転職する際は履歴書の職歴欄に、これまでの職務経験の履歴、すなわち職歴を書く必要があります。
しかし、人により職歴にはさまざまなパターンが存在するため、自分の場合はどのように書けば良いのだろうと悩む方もいるのではないでしょうか?
今回は、職歴の正しい書き方と9つの決まりごとを見本付きで紹介し、よくある疑問を3種類紹介しています。
職歴の書き方で悩んでいる方は、参考にしてください。
目次
職歴欄の書き方見本・決まりごと9選
履歴書の職歴を書く際には、以下の決まりごとを守る必要があります。
- 過去に勤務した職歴は漏れなく記入する
- 職歴は時系列に沿って記入する
- 入社以外の書き方に、入職・入庁・入局がある
- 会社名・部署名は略さず記入する
- 入社・退職した年の表記は和暦・西暦のどちらかに統一する
- 正社員以外の雇用形態の場合は書き方に注意する
- 現在の状況を記入する
- 社名変更があった際は前後の社名を記入する
- 職歴の最後は「以上」と記入する
これらの決まりごとに則って書けば、自然と担当者にわかりやすい職歴が完成します。
決まりごとの詳しい内容はこれから順番に説明していきます。
過去に勤務した職歴は漏れなく記入する
年 | 月 | 学歴・職歴 |
職 歴 | ||
平成〇〇 | 〇 | 株式会社△△△△△ 入社 |
平成〇〇 | 〇 | 一身上の都合により退職 |
平成〇〇 | 〇 | 株式会社▢▢▢▢ 入社 |
令和〇〇 | 〇 | 一身上の都合により退職 |
令和〇〇 | 〇 | 株式会社✕✕✕✕ 入社 |
職歴を書く際は、過去に勤めていた会社を漏れなく記入します。
短い期間しか勤務していない場合でも職歴としてみなされるため、忘れずに記入してください。
複数回転職している場合は、入社・退職した年月を間違えないように注意しましょう。
職歴欄に記入しきれないからといって職歴を省略すると、経歴詐称で問題になる可能性があります。
職歴欄に書ききれない場合は職務経歴書に書き、職歴の書き忘れがないようにします。
職歴は時系列に沿って記入する
年 | 月 | 学歴・職歴 |
職 歴 | ||
平成28 | 4 | 株式会社△△△△△ 入社 |
平成30 | 3 | 一身上の都合により退職 |
平成30 | 4 | 株式会社▢▢▢▢ 入社 |
令和2 | 3 | 一身上の都合により退職 |
令和2 | 4 | 株式会社✕✕✕✕ 入社 |
職歴は上表のとおり、時系列に沿って記入します。
古い職歴を上に記入し、直近の職歴が一番下になるよう記入します。
時系列に沿って記載すると、面接担当者の方も経歴を把握しやすいです。
入社以外の書き方に、入職・入庁・入局がある
年 | 月 | 学歴・職歴 |
職 歴 | ||
平成28 | 4 | 株式会社△△△△△ 入社 |
平成30 | 3 | 一身上の都合により退職 |
平成30 | 4 | 〇〇市立〇〇病院 入職 |
企業の場合は「入社」と書きますが、病院や学校で働いた場合は「入社」ではなく「入職」と記入します。
入社は一般的な会社に就職する際に使用する言葉のため、病院や学校では使用しません。
医師や看護師、教師などとして働いた場合は、入職と記入しましょう。
その他、公務員の場合は入庁(入省)、テレビ局の場合は入局と記入します。
会社名・部署名は略さず記入する
年 | 月 | 学歴・職歴 |
職 歴 | ||
平成〇〇 | 〇 | 株式会社△△△△△ 入社 |
福岡支店 製造部 設計課に配属 | ||
平成〇〇 | 〇 | 福岡支店 営業部 営業3課に異動 |
令和〇〇 | 〇 | 営業3課 課長に昇進 |
会社名や部署名は略さず正確に記入しましょう。
会社名は「(株)△△△△△」ではなく「株式会社△△△△△」と書き、所属していた部署名も正しく記入します。
退職までに部署異動や昇格があれば、日付と一緒に記入します。
入社・退職した年の表記は統一する
年 | 月 | 学歴・職歴 |
職 歴 | ||
2018 | 4 | 株式会社△△△△△ 入社 |
2020 | 3 | 一身上の都合により退職 |
2020 | 4 | 株式会社▢▢▢▢ 入社 |
2022 | 3 | 一身上の都合により退職 |
2022 | 4 | 株式会社✕✕✕✕ 入社 |
職歴に記載する年は、西暦表記でも和暦表記でも大丈夫です。
ただし、提出する履歴書全体で年表示をどちらかに統一する必要があります。
例えば学歴を和暦で書いた場合は、職歴を西暦で書かないように注意しましょう。
また、和暦の平成・令和を「H」「R」と略して書くのもNGです。
面倒でも一行ずつ正しい和暦を書きましょう。
正社員以外の雇用形態の場合は書き方に注意する
正社員以外の雇用形態の職歴を書く際は、注意が必要です。
正社員以外の雇用形態で働いていた事実が担当者に伝わるように、わかりやすく表記する必要があります。
- 契約社員
- 派遣社員
- パート・アルバイト
上記の例について、雇用形態別に説明します。
契約社員
年 | 月 | 学歴・職歴 |
職 歴 | ||
2018 | 4 | 株式会社△△△△△ 入社(契約社員) |
2020 | 3 | 一身上の都合により退職 |
2020 | 4 | 株式会社▢▢▢▢ 入社(契約社員) |
2022 | 3 | 契約期間満了より退職 |
2022 | 4 | 株式会社✕✕✕✕ 入社(契約社員) |
2023 | 4 | 同社に正社員として登用 |
契約社員の場合、入社のあとに「(契約社員)」もしくは「契約社員として入社」と書きます。
退職の場合、自己都合の場合は「一身上の都合により退職」と書き、契約期間満了の場合は「契約期間満了により退職」と記載するのが正しい書き方です。
契約社員から正社員として雇用された場合は、正社員になった年月を記載し「同社に正社員として登用」と記載しましょう。
派遣社員
年 | 月 | 学歴・職歴 |
職 歴 | ||
2018 | 4 | 株式会社△△△に派遣社員として登録 |
2018 | 5 | 株式会社▢▢▢に事務職として派遣 |
2020 | 3 | 契約満了につき退職 |
2020 | 7 | 株式会社✕✕✕✕に製造職として派遣 |
2022 | 4 | 株式会社✕✕✕✕に正社員登用 |
派遣社員の場合は、派遣会社と派遣先の会社を書きましょう。
時系列に沿って記載するため、先に派遣会社に登録した年月を記入し、次の行に派遣先で働き始めた年月を書きます。
派遣社員は正社員や契約社員と異なり、入社していないので「登録」・「派遣」と表現します。
勤務していた会社を辞める際は、自己都合による退職なのか契約期間満了による退職なのかがわかるように表記しましょう。
パート・アルバイト
年 | 月 | 学歴・職歴 |
職 歴 | ||
2018 | 4 | 株式会社△△△ 入社(アルバイト) |
2020 | 3 | 一身上の都合により退職 |
パート・アルバイトの場合も、契約社員や派遣社員同様に入社のあとに「(アルバイトもしくはパート)」と雇用形態を記載します。
退職時は自己都合であれば「一身上の都合により退職」、倒産などの会社都合であれば「会社都合により退職」と記入しましょう。
パート・アルバイトの職歴は基本的に書かなくても大丈夫ですが、応募先企業の業務との関係性が高く、アピールできる場合は書くことをおすすめします。
現在の状況を記入する
年 | 月 | 学歴・職歴 |
職 歴 | ||
2018 | 4 | 株式会社△△△△△ 入社 |
2020 | 3 | 一身上の都合により退職 |
2020 | 4 | 株式会社▢▢▢▢ 入社 |
現在に至る |
現在、会社に在籍しており退職日が未定の場合は、在籍している会社の下の行に「現在に至る」と記入します。
退職予定日が確定している場合は「20〇〇年〇月〇日 退職予定」と記載しましょう。
現在の状態や退職予定日を記載することで、採用後いつ出勤できるのか、担当者がイメージしやすくなります。
社名変更があった際は前後の社名を記入する
年 | 月 | 学歴・職歴 |
職 歴 | ||
平成28 | 4 | 株式会社△△△(現 株式会社〇〇〇) 入社 |
平成30 | 3 | 一身上の都合により退職 |
平成30 | 4 | ▢▢株式会社 (現 〇〇株式会社)入社 |
令和2 | 3 | 一身上の都合により退職 |
令和2 | 4 | 株式会社✕✕✕✕ 入社 |
会社の名前が変更になった際は、入社時の会社名を先に書き、現在の会社名を括弧のなかに記入します。
どちらの会社名も省略せず正式名称を記入しましょう。
社名が長く1行で収まらない場合は、2行に渡り記載してもかまいません。
職歴の最後は「以上」と記入する
年 | 月 | 学歴・職歴 |
職 歴 | ||
平成30 | 4 | 株式会社▢▢▢▢ 入社 |
令和2 | 3 | 一身上の都合により退職 |
令和2 | 4 | 株式会社✕✕✕✕ 入社 |
現在に至る | ||
以上 |
職歴の最後の行には「以上」と記入します。
以上と記入することで、面接担当者に職歴の終わりを伝えます。
職歴が多く書けなくなった際は、「現在に至る」もしくは「一身上の都合により退職」・「会社都合で退職」と書いた行の右端に「以上」と書きましょう。
職歴の書き方・記載方法によくある疑問
職歴を書く際によくある疑問について、回答していきます。
職歴に関するよくある疑問は、以下の3つです。
- 職歴が多すぎて書ききれないときは?
- 職歴がない場合はどうしたら良い?
- 職歴に業務内容を書くべき?
順番に回答していきます。
職歴が多すぎて書ききれないときは?
職歴が多すぎて書ききれない場合は、別に職務経歴書を用意して記載しましょう。
職歴欄に記載する職歴は直近のもののみにし、職歴欄に書ききれなかった職歴は職務経歴書に記載している旨を一言添えて、面接担当者に職務経歴書に目を通してもらうよう促します。
職歴が多く、履歴書に書ききれないからといって職歴を省略すると、職歴詐称とみなされる可能性があるのでやめましょう。
職歴が書ききれない場合の対処法について知りたい方は、次の記事をご覧ください。
職歴がない場合はどうしたら良い?
職歴欄に何も記載しないのは良くないので、職歴がない場合は職歴欄に「なし」と記載します。
新卒の場合は職歴がないので「なし」で問題ありませんが、既卒者の場合は卒業後働いていないことになるので、その間何をしていたのかを面接で問われる可能性が高いです。
質問されたときの答えを考えておく必要があります。
職歴なしの書き方について知りたい方は、次の記事をご覧ください。
職歴に業務内容を書くべき?
履歴書の職歴欄には概要を記載するため、基本的に職歴に業務内容は記載不要です。
業務内容は職務経歴書に書き、職歴には会社名・部署名だけで十分です。
ただし、職歴欄に余裕があり空白が目立つ場合や、面接担当者にアピールできる内容の場合は、社名の下に1行で収まる程度の業務内容を書いても問題ありません。
職歴の書き方をマスターし転職活動を開始しよう
職歴は、採用担当者にこれまでどのような企業で働いてきたのかを伝える欄です。
書き方にはルールがあり、ルールを守った書き方をしていないと、履歴書の書き方を知らないと判断されます。
書き方を知らないだけで不採用になることはないとしても、面接担当者にマイナスのイメージを与えてしまいます。
正しい職歴の書き方をマスターし、好印象を与えられる履歴書を作成しましょう。