自分の長所は「協調性」だと感じ、それを自己PRで前面に打ち出したいと考える人もいるでしょう。
しかし、協調性はよく聞く言葉のため「インパクトに欠けるかも……」と不安になるかもしれません。
協調性は正しい使い方をすれば、自己PRの内容としてふさわしいものです。
本記事では自己PRで協調性を使ったときに企業に与える印象や、特に協調性を打ち出したほうが良い企業、協調性を自己PRとして使う際の注意点を解説します。
状況別の例文も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
目次
自己PRで協調性を強みにしたときに企業が受ける印象
自己PRで協調性を強みにしたときに面接官が受ける印象は、以下のとおりです。
- 良好な関係を築いて周りと協力できる
- 円滑なコミュニケーションが期待できる
良好な関係を築いて周りと協力できる
入社後に問題なく人と関わることができ、社内のみならず社外の相手にも協調できる人として、面接官に好印象を与えます。
どのような仕事でもさまざまな考えを持つ人と関わる必要があり、スムーズに働くためには良好な関係を築くことが大切だからです。
また、チームで協力して仕事をする場合は、協調性がないとトラブルを引き起こしかねません。
仕事の目的は与えられた業務をこなすことですが、実際には業務だけしていれば良いわけではありません。
協調性は人間関係を良好にし仕事を円滑にするために大切なものなので、自己PRとして使うのにぴったりといえるでしょう。
円滑なコミュニケーションが期待できる
協調性を自己PRに使った場合、面接官はコミュニケーションが上手に取れる人という印象を受けます。
仕事を進めるためには、どのような相手ともコミュニケーションを取る必要があります。
苦手な相手だからといって関わらず、話さないで仕事を進めることはできません。
仕事をスムーズに進めるためには、コミュニケーション能力が必須なのです。
仕事以外でもコミュニケーションを上手に取ることで人間関係が良くなり、働きやすい環境を作れるだろうと思われる可能性もあります。
自己PRで協調性を打ち出すのが好ましい企業
自己PRでは企業に合わせたアピールをすることが大切であり、まったく見当違いなことを話しては印象に残りません。
ここでは、自己PRで協調性を打ち出すべき企業として、以下の2つを紹介します。
- チームワークを大切にする企業
- 上下関係がはっきりしている企業
チームワークを大切にする企業
社員同士が助け合うことを大切にしている企業では、協調性を打ち出すのがおすすめです。
いわゆるチームワークを重視する企業なら、自己PRとして上司や先輩、同僚などのメンバーと円滑に仕事ができる点をアピールすると良いでしょう。
業務効率化のため、またモチベーションを上げるためにチームワークを大切にしている企業もあります。
いくら有能でも協調性がないとチームワークに支障をきたす可能性があるため、そうした企業では特に協調性が重視されるでしょう。
上下関係がはっきりしている企業
個人の実力を重視する企業では、協調性があまり重んじられないかもしれません。
逆に、上下関係が厳しく、謙虚さが必要な体質の組織である場合は、協調する姿勢が求められます。
協調性を備えた人材は喜ばれるでしょう。
上下関係を踏まえ、アドバイスを柔軟に受け入れられる姿勢をアピールするのがおすすめです。
自己PRに「協調性」を用いた例文|履歴書・エントリーシート用
自己PRには実はテンプレートが存在しており、協調性をアピールする際にも使用できます。
テンプレートは以下のとおりです。
- 結論(協調性)
- エピソード(状況や自分の行動)
- 結果・課題
- 入社後(活かせること)
自己PRを作成するときはいきなり書き始めるのではなく、構成を作ることから始めましょう。
ここからは、協調性を強みとする自己PRの例文を5つ紹介します。
大学生活の経験で協調性をアピールする
自己PRで協調性をアピールする際、大学生活での経験を使う例文です。
私には、相手を尊重しながら協力して物事を進めていく協調性があります。
所属していた◯◯(大学)には、さまざまな国から来た文化や価値観が異なるメンバーがいました。
イベントやゼミ、サークル活動のなかで、それぞれの役割分担を提案したことにより、各自が納得したうえで活動できました。
◯◯のイベントでは全員が協力する形で発表でき、大成功を納めました。
入社後も、このように人と協力することを大切にしてまいります。
ゼミの経験で協調性をアピールする
続いて、ゼミの経験を使う例文です。
私の強みは、人の違いを受け入れて自分で考えられる協調性です。
大学のゼミでは共同で論文を執筆しましたが、なかなか意見がまとまらずに言い合いになることがありました。
私は自分の意見を押し付けるのではなく、他のメンバーの意見からメリットとデメリットを抽出し、組み合わせることでより良い内容を提案しました。
他人の意見を尊重しつつ冷静に対処したことで論文を仕上げることができ、人間関係が悪くなることも回避できたと思います。
入社後もこの強みを活かして御社に貢献したいと考えています。
パート・アルバイトの経験を使う例文です。
私の強みは、協調性があることです。
私は、相手を喜ばせるためにどのようにすれば良いかを考えて行動しています。
アルバイトでも相手の心情を知るために、年齢性別問わずにコミュニケーションを取るように心がけ、常に円滑な人間関係を築いてきました。
お客様にもその空気が伝わるのか、「良いお店」と褒められることが多々ありました。
入社後も協調性を発揮し、良い人間関係を築いて協力しながら仕事をしていきたいです。
部活動の経験を使う例文です。
私は多様な意見を取り入れ、すべての人が納得するように導く協調性があります。
大学時代はバレーボール部に所属しており、部長を務めました。
チームワークを高めるためにミーティングを開き、さまざまな意見を聞いたところ、人によって求めるものが違いすぎて意見が分かれることもありましたが、自分だけで判断せずに周りの意見を取り入れながら徹底的に話し合うことで、結果としてチーム全体の賛同を得られました。
監督にも、以前に比べて団結力が高まったと評価されたのを覚えています。
入社後は仕事上でのチームワークを大切にして活躍したいです。
最後に、ボランティアの経験を使う例文です。
私の強みは、年齢問わず誰とでもコミュニケーションを取れる協調性です。
私は、子ども食堂でのボランティア活動を行っていました。
食事のときには子どもだけでなく、ご家族とも接します。
また、ボランティアの仲間にもさまざまな年齢性別の人がいました。
最初は同世代ではない人たちとの関わり方に悩みましたが「うまくできないのではないか」という気持ちを払拭することで、自然と交流できるようになりました。
入社後もこの協調性を活かし、さまざまな人たちと協力して働きたいです。
次に、自己PRで協調性を使う際の注意点として、以下の3つを紹介します。
- エピソードを盛り込む
- 志望企業が求める「協調性」をアピールする
- 「協調性」を別の言葉に置き換える
エピソードを盛り込む
自己PRで協調性が強みであることを伝えるのは問題ありませんが、協調性があることだけを伝えるにとどまるのでは、信憑性がありません。
「私は誰とでもすぐ仲良くなれるから協調性があります」と伝えても、「本当かな?」と思われる可能性があります。
そうならないためには、具体的なエピソードを添えることが大切です。
協調性をアピールできる具体例を使えば、自己PRとしても十分に通用するでしょう。
特に、「売上◯%を達成」など、具体的な数字を入れたり、この経験から何を学んだかなどを盛り込むのがおすすめです。
根拠やエピソードを盛り込まずに協調性をアピールしても、面接官には印象が残らないばかりか、逆に悪い印象を与えてしまう可能性もあるので注意しましょう。
志望企業が求める「協調性」をアピールする
協調性と一言でいっても、さまざまな形があります。
例えば、相手の気持ちを尊重する協調性なのか、周りと助け合って動ける協調性なのかでは方向性が異なります。
そのため、志望企業が求める協調性に合わせて自己PRすることが大切です。
企業が求める協調性を知るためには、企業理念やビジネスモデルなどを把握しておくことが必要です。
また、自分が応募している職種や、配属されそうな部署を確認しておくのも良いでしょう。
企業が求める協調性とまったく違う協調性をアピールしても、面接官の心に響かないばかりか、企業に不適合だと判断されてしまう可能性もあります。
企業が求める協調性と自分の強みを一致させられることも、協調性の一つといえるでしょう。
「協調性」を別の言葉に置き換える
協調性は使いやすい言葉ですが、それゆえ多くの人が使ってしまいます。
幅広く使えるからこそ、ぼんやりした意味になりがちなので、自分が持っている協調性について伝えるためには、言い換えの言葉を用意するのがおすすめです。
自己PRで協調性の言い換えに向いている言葉は、以下のとおりです。
- 傾聴力
- 調整力
- 柔軟性
- 人間関係構築力
- まとめる力
- 協力性
- 尊重できる
- 親しみやすい
- 観察力
- 行動力
- コミュニケーション能力
言い換えの言葉は、自分のエピソードに合うものを使うようにしましょう。
自己PRで協調性をアピールして就活を成功させよう
自己PRで協調性をアピールするには、具体的なエピソードが欠かせません。
また、協調性という言葉ではなく、他の言い方に変えることで、面接官にも印象を残すことができます。
多くの企業で協調性を持った人材が求められていますが、企業によって求める協調性の種類が異なります。
志望企業の理念やビジネスモデル、求める協調性を把握して、自己PRを作成しましょう。