専門学校入試の履歴書や面接において、自己PRは合否を左右する要素のひとつです。
しかし「アピールするポイントがわからない」「ありきたりな内容になってしまう」などの悩みを持つ人も多いのではないでしょうか。
自己PRは、なにを判断するためのものかを理解し、志望する専門学校に合わせて内容を工夫しなければいけません。
本記事では、高校生向けに自己PRのポイントやまとめる手順を解説します。
アピールポイント別、学校分野別の自己PR例文も紹介しているので、参考にしてください。
目次
専門学校入試での自己PRはなにを判断されている?
専門学校入試の自己PRでは、以下の3つのポイントを見ています。
- 学校が求める生徒か
- 学習への意欲
- 自己分析能力
学校側は、自校の専門分野や教育方針に合う学生を入学させたいと考えています。
また、入学への意欲だけでなく、入学後の学習や卒業後の進路に向けて、自ら努力する姿勢も重要なポイントです。
さらに、自己分析能力は将来的な自己成長に欠かせないため、自己PRの内容から自分を客観的に見る能力があるかも判断しているでしょう。
学校側はこれら3つの、受験生に求める能力があるかを、自己PRの内容で総合的に判断しています。
【専門学校入試用】自己PRの書き方
専門学校入試用の自己PRの書き方を、4ステップで解説します。
【ステップ1】学校分析をする
ステップ1は、学校分析です。
学校が求める学生像や学校の特色を理解するために、ホームページやパンフレットで、学校が掲げる目標やカリキュラムを調べましょう。
学校によってはアドミッション・ポリシーとして、「求める学生像」を掲げているところもあります。
また、オープンキャンパスを開催している専門学校であれば、ぜひ足を運んでみてください。
実際に自分の目で確かめることで、自己PRだけでなく志望動機のネタも見つかるかもしれません。
【ステップ2】自己分析をする
ステップ2は、自己分析です。
自己分析では、自分の長所や頑張ってきたことなど、アピールできるポイントを見つけましょう。
自己分析の手順は、以下のとおりです。
- 今までの自分を振り返る
- 印象に残っているエピソードを深堀りする
- 自己PRのネタを探す
自己分析は自分を客観的に振り返り、自分の好きなことや苦手なこと、得意なこと、成功体験や失敗体験などを書き出します。
専門学校を選んだ理由や、卒業後の目標も深堀りしてみましょう。
【ステップ3】学校と自分の共通点を見つける
ステップ3は、学校が求める学生像と自己分析の結果から共通点を探します。
共通点は完全に合致しなくてもかまいませんが、まったく共通点が見つからない場合は、学校分析と自己分析が深掘りできていない可能性もあります。
学校と自分の共通点が見つからない人は、もう一度、学校分析と自己分析の内容を深掘りしてみましょう。
【ステップ4】基本構成に沿ってまとめる
ステップ4は、学校と自分の共通点を基本構成に沿ってまとめます。
自己PRの基本構成は、下記のとおりです。
- 結論(アピールポイント)
- 具体例(具体的なエピソード)
- 結論(アピールポイントを活かした将来像)
自己PRをわかりやすく伝えるために、まず結論であるアピールポイントを述べます。
つぎに、アピールポイントを説得力のあるものにするため、具体的なエピソードを盛り込みましょう。
最後にアピールポイントを活かして、どのような学校生活を送りたいかを述べます。
学校卒業後の将来像も盛り込むと、未来の可能性までアピールできます。
専門学校入試の自己PR|3つの注意点
ここでは、専門学校入試用の自己PRの3つの注意点を解説します。
例文やテンプレートをそのまま書かない
自己PRは、インターネットなどの例文をそのまま書かないようにしましょう。
例文やテンプレートを真似した自己PRは、きれいにまとめられた印象を与えるかもしれませんが、ありふれた内容になりがちで面接官の印象に残りません。
例文は参考程度にとらえ、自己PRを書く手順や注意点をしっかり理解して、自分だけのオリジナルの自己PRを完成させましょう。
丁寧に枠内の8割ほど書く
履歴書に自己PRを記入する際、文字指定がある場合は指定に従い、文字指定がない場合は枠内の8割、または300文字程度を目安にすると良いでしょう。
見やすさにもこだわり、字は丁寧に、文字の大きさにも配慮してください。
また、自己PRは面接で質問されることを前提に、1〜3分程度で話せる内容にまとめておきましょう。
志望動機と一貫性を持たせる
自己PRは、志望動機と一貫性のある内容にしましょう。
内容に一貫性がないと、それぞれの説得力に欠けるだけでなく、信憑性が薄い人ととらえられかねません。
また、面接時には、提出書類と質問への回答に一貫性があるかも問われます。
緊張して提出書類と矛盾した内容を話さないように、事前に面接の練習をしておきましょう。
専門学校入試のための自己PR例文
専門学校入試用の自己PRの例文を紹介します。
アピールポイント別、学校の分類別に紹介しますので、自分に合ったものを参考にしてください。
【アピールポイント別】
アピールポイント別では、長所と部活・校外活動の2つの例文を紹介します。
長所は誰もが持っているので書きやすいかもしれませんが、ありがちな内容にならないよう注意しましょう。
長所
長所は、好きなことや周りから褒められたエピソードで考えると良いでしょう。
私は小学生のときから植物が大好きで、中学生からは、夏休みを利用して固有種の植物を観察するために遠方にも足を運んでいます。
観察した植物をノートにまとめていましたが、高校生からはブログを作りインターネット上にも公開しています。
最初は自分用のブログでしたが、大好きな植物が魅力的に見える写真の取り方を研究したり、わかりやすい解説文をつけたりするうちに、いろいろな人にブログを見てもらえるようになりました。
今では、読者さんから質問がくることもあります。
学校進学後は、この探究心の強さとブログを開設した経験を活かして、プログラミングの知識を深めていきたいです。
部活・校外活動
部活や野外活動のエピソードを用いる場合は、専門学校が求める学生像と合致するような内容にまとめましょう。
私は高校3年間、吹奏楽部に所属し、3年生のときには副キャプテンを務めました。
吹奏楽は個人の技術だけでなく、各パート内の調和と全体の調和が大切です。
そのため、私は自分が担当している以外のパートの後輩にも積極的に声をかけ、皆の意見を取り入れながら課題曲や練習方法を決めていきました。
結果的に、3年生最後のコンクールでは入賞でき、チームワークの大切さを学びました。
私がめざす理学療法士は、担当する患者さんを医療チーム全体でサポートする仕事だと思います。
○○専門学校で知識を学び理学療法士になったら、高校生活で学んだ経験を活かして、周囲と協力して患者さんを支援したいと考えています。
【専門学校の分野別】
専門学校の自己PRは、専門とする分野に合った内容にしましょう。
ここでは、医療系・美容系・クリエイティブ系の分野別に、自己PR例を紹介します。
医療系専門学校
医療系専門学校の自己PRは、学校の特色だけでなく、目指す職業に求められる人物像も考えながらまとめてみましょう。
私が住んでいる地域は、子どもから高齢者まで参加する地域行事が盛んです。
中学生頃になると参加しなくなる人が多いなか、人と接するのが好きな私は、今でも行事に参加しています。
行事の準備では、料理の作り方を教えてもらったり、昔話を聞かせてもらったりと、年配の方との交流でたくさんのことを学びました。
行事中には、小さな子のお世話をしたり、年齢の違う子どもたちと一緒に遊んだりと、自分自身も楽しみながら人のお世話をする喜びを知りました。
この経験を活かして、看護師になっても子どもから高齢者まで、幅広い人の看護ができるようになりたいです。
美容系専門学校
美容系専門学校の自己PRは、美容に対する思いや、将来接客業をするうえで強みになることをアピールすると良いでしょう。
私は3人姉妹の長女で、年の離れた双子の妹がいます。
忙しい両親のかわりに、妹たちの髪を結ぶのが私の日課になっています。
最初は、私好みの髪型にしていましたが、最近では妹たちからもリクエストがくるようになり、それぞれの好みに合わせた髪型の研究をしています。
小学生の妹たちのリクエストは、難しさが増していますが、本人のお気に入りの髪型にできたときは、うれしそうな笑顔で「ありがとう」といってくれるので、やりがいを感じています。
妹たちの笑顔を見て、将来は多くの人をきれいにするお手伝いがしたいと思うようになりました。
これからは、お客様の笑顔を引き出せる美容師になるために、貴校で専門知識と技術の習得に励みたいです。
クリエイティブ系専門学校
デザインや動画クリエイターなど、クリエイティブ系の専門学校は、学べる分野の特性に合わせた自己PRを考えると良いでしょう。
私は将来、グラフィックデザイナーとして、見る人の心がワクワクするような広告やポスターを作りたいと考えています。
小学生の頃からは、両親に買ってもらったパソコンで絵を描いたり、インターネット上のフリー画像を組み合わせて自分の好きな世界を作ったりするのが好きでした。
高校では、友達にパソコンで作成したオリジナルのバースデーカードをプレゼントしていたところ、文化祭のポスター制作を任されました。
このポスター制作で、自分の好きな世界観ではなく決められたテーマをデザインで表現する難しさと楽しさを知り、もっと専門的にグラフィックデザインの勉強をしたいと思うようになりました。
今後は、貴校で取り入れられている少人数グループの実践的な勉強で技術を磨き、見る人の心を惹きつけるデザインが作れるようになりたいです。
ポイントをおさえた自己PRで専門学校に挑戦しよう
専門学校入試において、自己PRは自分の強みや熱意がアピールできる大切なポイントです。
学校側も自己PRで受験生が学校に合う人物か見極め、合否を決める判断材料にしています。
この記事を参考に、評価されるポイントをおさえた自己PRを考え、専門学校入試に備えましょう。