「失業保険を受給するための求職活動って何?」
「失業保険をもらいながら勉強はできる?」
雇用保険の基本手当(失業保険)は、失業後に条件を満たせば、毎月一定額のお金がもらえる頼もしい存在です。
しかし、失業保険を受け取るためには、求職活動の実績が必要です。
失業保険を受け取るための求職活動にはいくつかの条件があります。
条件を満たさなければハローワークの認可を受けられず、その期間の失業保険は支給されません。
失業保険を受給しながら再就職をめざす方は、参考にしてください。
目次
失業保険を受給するには求職活動実績が必要
失業保険を受け取るためには、失業認定日ごとにハローワークが認める求職活動を2回以上行う必要があります。
失業保険は再就職して働きたい方のための制度なので、期間中に再就職のための求職活動が認められない場合は給付されません。
最初の失業認定日は、受給資格決定日から3週間後です。
以降は4週間ごとに失業認定日が設定されます。
よって、失業保険を受給しながら再就職をめざす場合、4週間に2回以上のペースで求職活動をしなければなりません。
失業保険受給のための求職活動として認められるもの
失業保険を受け取るための求職活動は、誰が見ても就職するための活動を行っているとわかるものである必要があります。
具体的には以下のいずれかです。
- 求人への応募
- ハローワークが行う職業相談、職業紹介、講習などの利用
- 許可を受けた民間企業が行う職業相談、職業紹介、講習などの利用
- 公的機関が行う職業相談、職業紹介、講習などの利用
- 再就職するための資格試験、検定試験の受験
また、どのような求職活動を行ったかによって、求職活動実績を証明する方法は異なります。
自分で求人に応募した場合は、失業認定申告書にその旨を記載して報告します。
それ以上の証明は不要ですが、ハローワークが調査を行うこともあるので、不正はできません。
ハローワークが行う職業相談、職業紹介、講習などを利用した場合は、受給資格者証にハンコを押してもらうことで実績の証明になります。
ハローワーク以外での職業相談、職業紹介、講習などを利用した場合は証明書が、試験などを受けた場合はその受験票がそれぞれ必要です。
失業保険受給のための求職活動とみなされないもの
以下のものは、失業保険の受給に必要な求職活動の実績として認められません。
- インターネットでの求人検索
- 求人・転職サイトへの会員登録
- 興味のある企業への問い合わせ
- 派遣会社に登録
- 知人への仕事の紹介依頼
- ハローワークや新聞などで求人情報の収集
これらはいずれも、情報を集めるだけだったり、問い合わせるだけで、実際の行動が不十分なものです。
何が認められ、何が認められないのかを正しく把握し、期間内に2回以上の求職活動を確実に行いましょう。
失業保険の認定日までに求職活動が間に合わなかったら?
失業認定日までに2回の求職活動ができなかった場合、その期間の失業保険を受け取ることはできません。
ただし、1回分の給付が先送りされるだけです。
離職から1年以内であれば、再度失業保険の給付を受けられます。
次の失業認定日までに2回の求職活動をすれば、再度失業保険の受給が可能です。
失業保険をもらうための求職活動の注意点
ハローワークに認められる求職活動についての注意点としては、以下のようなものがあります。
- 求職活動をしているふりをしない
- 失業保険をもらいながら職業訓練を受ける場合は条件がある
- 専門学校・大学に通うことは求職活動とみなされない
順番に説明していきます。
求職活動をしているふりをしない
失業保険を受け取るため、毎月2回の求職活動が煩わしいからといって嘘の求職活動報告を行うのはやめましょう。
求職活動実績について嘘の報告をし、それが発覚すると、以下のような処分を受けます。
- 失業保険の給付停止
- 不正に受給した給付金の全額返金
- 不正に受給した金額の最大2倍の納付
- 返金、納付しない場合は財産差し押さえ
- 悪質な不正受給と判断された場合は刑事事件として告発
失業保険をもらいながら職業訓練を受ける場合は条件がある
求職活動の一環として、職業訓練を受けることができます。
職業訓練とは、働くために必要な資格やスキルを身につけられるカリキュラムです。
失業保険の受給資格がある方は、失業保険をもらいながら職業訓練を受けることもできます。
ただし、失業保険を受け取りながら職業訓練を受けるには、以下の条件を満たしている必要があります。
- ハローワークに求職の申し込みをした
- 1年以内に公共職業訓練を受講していない
- 失業保険を受給できる残日数が3分の1以上残っている
専門学校・大学に通うことは求職活動とみなされない
失業保険受給中に専門学校や大学に進学すると、失業保険はもらえなくなります。
失業保険は、いつでも就職できる状態の方が対象です。
専門学校や大学に通うと、いつでも就職できる状態ではないとみなされるため、受給資格がなくなります。
資格を取得するために学びつつ、失業保険も受給したい方は、職業訓練の受講がおすすめです。
失業保険を受給するには正しい求職活動実績が必要
失業保険を受け取るために必要な求職活動について解説しました。
失業保険を受け取るためには、失業認定日ごとに2回以上の求職活動が必要です。
また、ハローワークが認める求職活動には条件があり、条件を満たさないものは求職活動実績としてカウントされません。
あらかじめ条件を把握し、失業手当を適切に受け取りましょう。