転職を繰り返している人のなかには、転職回数が多くなることを不安に思っている人もいるでしょう。
転職回数が多いと次の転職活動に影響するばかりでなく、社会的な信頼が落ちてしまう場合もあるためです。
ここでは、何度も転職を繰り返してしまう人の特徴や、短期退職のデメリットを解説します。
「次こそは長く働ける職場を見つけたい!」と考えている人に向けて、転職回数が多くても内定をもらえるコツや、一つの職場で長く働くコツも合わせて紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
目次
転職を繰り返す人の特徴11個
転職を繰り返す人には、次のような特徴があります。
当てはまるものはないか、確認していきましょう。
- 転職の目的が不明瞭
- 自己分析が不十分
- 職場にうまく馴染めない
- 不安を感じやすい
- 会社に求める理想が高い
- 仕事内容が合っていない
- 忍耐力がない
- 飽きやすい
- プライドが高い
- 勢いで行動する
- 転職活動を一人でしている
転職の目的が不明瞭
転職した目的や、転職先でやりたいことがはっきりしていないと、「なんとなく合わない」「嫌だから辞めたい」という理由で仕事が長続きせず、転職を繰り返してしまいます。
転職は、キャリアプランの実現や目標達成をめざして行うべきものです。
目的が明確でないと、「自分と合わない職場」だと感じてすぐに退職してしまうことになります。
自己分析が不十分
自分が仕事に何を求めているのかや、自分の適正や性格なども含め、自己分析がしっかりできていないと、企業とのミスマッチが起こりやすく、転職しても「自分に合わない」とすぐに辞めてしまう原因になります。
自己分析が不十分で、会社の知名度や給与などの条件のみで転職先を決めた場合も、「思っていたような会社ではなかった」「自分に合わない」と感じやすく、転職を繰り返す原因になるでしょう。
職場にうまく馴染めない
職場で人間関係がうまく築けない、職場の雰囲気に馴染めないなども、転職を繰り返してしまう原因の一つです。
上司や同僚など、周りの人間との関係が悪くなったり、苦手な人がいるなど人間関係に問題を感じると、すぐに転職を考えてしまいます。
このような理由で転職を繰り返している場合は、自分自身にも改善するべき点はないか、接し方やコミュニケーションの取り方などを振り返ってみることも大切です。
不安を感じやすい
将来や現状に不安を抱いてしまいがちな人も、転職を繰り返してしまう場合があります。
「自分はこのままのポジションで良いのだろうか」「この会社で評価されていないのでは?」「違う職場のほうが合っているのではないか」など、さまざまなことが心配になるため、仕事へのモチベーションが保ちにくくなってしまうのです。
会社に求める理想が高い
仕事のやりがい、労働条件、給与、ワークライフバランス、人間関係などに対し、自分の希望を満たす企業を求めて転職を繰り返すケースもあります。
譲れない条件と妥協できる条件を決めていなかったり、条件に対して優先順位が明確でないことが、現状に不満を抱きやすくなる原因です。
すべての希望を満たす会社を見つけることは、簡単ではありません。
仕事内容が合っていない
入社したものの、仕事内容が自分のスキルや適正もしくは理想と合っていないと感じ、転職を繰り返す場合もあります。
自己分析が不十分な場合に加え、仕事内容をしっかりと把握せずに転職してしまうことが原因です。
「人との交流が得意ではないのに営業職」「人と多く関わる仕事がしたいのに事務職」などのようなミスマッチが起こるため、仕事が合わないと感じてしまいます。
忍耐力がない
少しでも嫌なことがあると辞めてしまう人も、転職を繰り返してしまう危険があります。
仕事をしていれば、思いどおりにいかなかったり、嫌なことや理不尽なことに直面することもあるでしょう。
忍耐力がない場合、仕事を辞めることで解決しようとしても、根本的な原因を排除しなければ、また転職を繰り返してしまうことになります。
飽きやすい
もともと飽きやすい性格の人は、仕事に慣れてきたり、毎日同じような業務を繰り返していると「つまらない」と感じ、仕事にも飽きてしまう傾向があります。
そして新しい刺激を求め、転職を繰り返すのです。
飽きやすい人は、フットワークが軽く、新しい環境や変化に対応できるという特性があるので、それを活かせる職種や職場に就くことがおすすめです。
プライドが高い
プライドが高すぎる人は、自分のミスを認められなかったり、自分より仕事のできない上司に指示されたくないと考えてしまう傾向があります。
それにより人間関係が悪化したり、職場への不満が募り退職につながるケースもあるでしょう。
プライドの高さから「自分の能力を活かせる場所がもっと他にある」と考え、転職を繰り返すのもよくあるケースです。
勢いで行動する
勢いで物事を決めてしまうタイプの人も、転職を繰り返してしまいがちです。
目先の不満をすぐに解消したいなどの理由で、転職先の情報収集をしっかり行わないまま転職を決めてしまうので、入社後にギャップを感じてまた転職を考えるようになります。
長く働ける企業に出会うには、しっかりと企業研究などを行ったうえで転職を決断することが大切です。
転職活動を一人でしている
転職活動を一人でしている場合、自分の適性や性格などの自己分析が的確にできていない可能性があります。
その結果、転職先とのミスマッチによりすぐに退職をしてしまったり、転職活動自体を繰り返すことになってしまいます。
ご家族や友人など第三者の視点や就活アドバイザーなどプロの視点から、客観的なアドバイスを受けることも、自分に合った転職先を見つける手段の一つです。
3年で転職を繰り返す人はマイナスイメージになりやすい
一般的に、転職の平均回数はどれくらいなのでしょうか。
社会人経験の年数に対しての転職回数と転職する期間、また転職先に一貫性があるかどうかも、印象を左右するポイントです。
転職を繰り返す人はジョブホッパーと認識されることもある
3年以内の短期間で転職を繰り返し、明らかに回数が多い人は、「ジョブホッパー」と呼ばれています。
企業はジョブホッパーに対して、一つの仕事を長く続けられないなどのネガティブなイメージを抱くこともあります。
しかし、業種や職種に一貫性があり、確実にステップアップする転職であれば、転職回数が多くても評価に大きな影響はありません。
転職は1~2回が平均的
20代の場合、転職の平均回数は1〜2回が一般的です。
3回以上の転職をしている場合は、企業の採用担当者が「気になる」と考える傾向があります。
しかし、過去の仕事が同じ業種など一貫性がある場合や、正当な理由がある場合は、マイナスにとらえられない場合もあるでしょう。
厚生労働省の調査では、20〜30代前半までの転職回数は1回の割合が大きくなっています。
20~24歳 | 25~29歳 | 30~34歳 | 35~39歳 | |
1回 | 69.7% | 49.3% | 27.1% | 14.6% |
2回 | 16.9% | 23.9% | 24.9% | 22.2% |
3回 | 9.9% | 17.8% | 23.6% | 25.0% |
4回 | 1.2% | 5.9% | 14.8% | 17.5% |
5回 | – | 2.0% | 3.5% | 8.3% |
6回以上 | 1.2% | 1.0% | 5.7% | 12.2% |
不明 | 1.1% | 0.0% | 0.3% | 0.2% |
出典元:雇用の構造に関する実態調査 6 性・年齢階級・最終学歴・現在の勤め先での職種、転職回数別転職者割合 | ファイル | 統計データを探す | 政府統計の総合窓口
転職を繰り返すとダメ?4つのデメリット
転職を繰り返した場合の主なデメリットは、以下の4つです。
デメリットをしっかり考慮したうえで、転職を考える必要があります。
- 経験やスキルが身につかない
- 収入アップが難しくなる
- 採用されにくい
- 社会的に信用されなくなる
経験やスキルが身につかない
短期間で転職を繰り返した場合、充分な専門性やスキルを身につけることが難しくなります。
半年から1年の短いスパンで転職を繰り返せば、その期間の業務は経験として見なされないことがほとんどです。
経験値が上がらず、転職によってまたゼロからのスタートになるため、待遇が新卒で入社したばかりの社員と同じになる可能性もあります。
収入アップが難しくなる
転職を繰り返すと、年齢を重ねても収入アップは難しくなってしまいます。
会社を変えることで年収を上げられるケースもありますが、短期間での転職を繰り返している場合は一つの会社で評価されるほどの実績を残せないため、市場価値は下がっていくものです。
より条件の悪い企業へ転職せざるを得なくなり、収入を上げることが難しくなるでしょう。
採用されにくい
転職回数が多い場合「雇ってもすぐ辞めてしまうのでは?」「忍耐力・責任感がない」などのイメージを持たれ、転職活動をしても採用に至らない場合があります。
企業は、長く働いてくれる人材を求めています。
実際の転職理由に関わらず、すぐに辞めてしまう可能性があるとみなされたら、採用される可能性は低くなるでしょう。
社会的に信用されなくなる
転職を繰り返していると、面接の場においての信用が落ちるだけではありません。
周りの人からも、「根気の足りない人」「計画性がない」「嫌なことからすぐに逃げ出す」などのイメージを持たれてしまい、信頼がなくなるかもしれません。
また、勤続年数が短いと、家や車の購入時にローンを組むときに影響を受けることもあります。
転職の失敗を繰り返す人が長く働き続けるためのコツ
転職には、時間・労力・お金がかかり、失敗すると自身の信用や価値を下げてしまう可能性があります。
そのような事態に陥らないためにも、長期的に働くことは大切です。
転職を繰り返す人が、長く働き続けるためのコツを紹介します。
- 勢いで辞めずに冷静に考えてみる
- 転職の目的を明確にする
- 自己分析をする
- 第三者の意見を聞く
勢いで辞めずに冷静に考えてみる
転職をしたいと思っても、まずは冷静に考えてみましょう。
勢いで転職に踏み切るのではなく、本当に転職するべき状況なのかを、しっかりと検討してみることが大切です。
仕事を始めたばかりで、仕事や環境に不慣れであることが原因で転職を思い立っているのであれば、もう少し仕事に慣れるまで決断を待ってみるのも、一つの方法です。
転職の目的を明確にする
転職をする際に、「この企業で何を実現したいのか」を洗い出し、転職の目的を明確にすることが、仕事や企業とのミスマッチを防ぐことにつながります。
目的が明確であれば、それを実現できる企業に出会える可能性は高くなるでしょう。
仕事をするうえで、「何を大切にしたいか」についても優先順位をつけて、働くうえで譲れる条件・譲れない条件を明確にしておくことも大切です。
自己分析をする
転職を意識したときは、まず自分自身の理解を深めることが重要です。
自己分析をしない人は、転職を繰り返しやすい傾向があります。
価値観や適正、長所や短所など自分自身の特性を知ることは、向いている仕事を探すうえでとても大切なプロセスです。
将来設計など、長期的な視点で考えてみましょう。
第三者の意見を聞く
長く働ける職場に転職するためには、友人や転職エージェントなど、第3者に相談することもおすすめです。
客観的な意見を聞くことで、自分とは別の視点での答えや、改善策、解決策が見出せるかもしれません。
一つの会社で長く働いている人に、相談するのも良いでしょう。
転職を繰り返す人が内定をもらうためのポイント
転職回数が多い人が採用内定をもらうためには、下記のポイントを押さえておくことが大切です。
熱意が伝わるよう自分の考えをまとめましょう。
- 最後の転職にしたいことを明言する
- 同じ職種で転職を繰り返す場合は目的に一貫性があることを示す
- 転職先で活かせる強みをアピールする
- どのように転職先に貢献できるか具体的に伝える
- 柔軟性があるとわかるエピソードを紹介する
最後の転職にしたいことを明言する
転職回数が多いと、企業からは「またすぐに辞めてしまうのではないか」と警戒される可能性があります。
「内定をもらえたらもう転職するつもりはない」という意志を、応募先の企業に言葉にして伝えることで、真剣さをアピールできます。
自分の求めているキャリアが築ける環境であるからなど、具体的な理由を添えれば、言葉の信憑性を高めてくれるでしょう。
同じ職種で転職を繰り返す場合は目的に一貫性があることを示す
同じ業界・職種で転職を繰り返している場合は、理由に一貫性があることをアピールしましょう。
一貫性を持って転職をしている場合では、スキルアップやキャリアアップなどの目的が明確です。
異なる業種や職種への転職でも、どこに一貫性があるのかをしっかりアピールできれば、転職回数が多くても納得してもらえる可能性があります。
転職先で活かせる強みをアピールする
過去の経験のなかで、応募先の企業で活かせるスキルや経験があればアピールしましょう。
「自社で即戦力として活かせる」「経験があるのなら活躍できそう」などのように評価されるものであれば、転職回数が多くても、採用につながる可能性があります。
応募先の企業が必要としているスキルを踏まえ、自身の強みを具体的に伝えましょう。
どのように転職先に貢献できるか具体的に伝える
実際に入社したら、どのような貢献や活躍ができるかを、具体的に伝えましょう。
企業側も採用したあとのイメージが湧きやすく、今後の活躍を期待して採用してくれる可能性があります。
前職・現職で「自分がどのように活躍したか」などを整理して、応募先企業に貢献できるポイントを見つけましょう。
柔軟性があるとわかるエピソードを紹介する
転職回数が多いことがデメリットととらえられることもありますが、環境が変わっても柔軟に対応できることをメリットとして伝えると、印象は良くなるでしょう。
何事にも柔軟に活躍できる人材は、どこの企業でも重宝されます。
これまでの経験のなかで、柔軟に対応し成果を得た具体的なエピソードを伝えると、より説得力を高めることができるでしょう。
仕事が嫌になって転職を繰り返す人は要注意
さまざまな職場を短期間で辞めている場合は、企業側から信頼されにくくなり、採用選考に落ちやすくなる危険があります。
また、短い期間で転職を繰り返せば、その期間の仕事は経験として見なされないことがほとんどで、次の転職でも不利になりやすい傾向も見られます。
勢いで辞めてしまう前に立ち止まり、冷静になって考えてみることも大切です。
次の転職が最後と決めて、しっかり準備を行い、長く働き続けられる職場への転職をめざしましょう。