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有休休暇が取れない理由とは?対処方法や相談先を解説

有給休暇は労働者の心身の健康を守ることを目的としており、その取得は労働者の権利です。
とはいえ、なかには有給休暇が取れず悩んでいる人もいるでしょう。
有給休暇を認めないことは原則として違法なのに、なぜこのようなことが起こるのでしょうか。

本記事では有給休暇が取れない理由を紹介し、対処方法や相談先を解説します。
ぜひ参考にしてください。

有給休暇が取れない理由

有給休暇が取れない理由

2019年の労働基準法の改正により、年に5日間の有給休暇取得義務化が始まりました。
有給休暇は労働者のリフレッシュを図る目的で作られましたが、取得率が低いことから義務化に至ったのです。

そもそも有給休暇の取得は労働者の権利であるのに、なぜ取れない人が多いのでしょうか。
義務化によって年5日の有給休暇が取れるようになったとはいえ、それ以上の取得は難しい人もいるでしょう。

ここでは、なぜ有給休暇が取れないのかを紹介します。

まわりも有給休暇を取らない

日本人は自分の気持ちよりもまわりの状況を優先しがちだといわれます。
もちろん良いこともありますが、有給休暇に関しては悪い風習につながることもあるのです。

まわりが有給休暇を使わない環境だと、自分だけ使うのは気が引ける人もいるでしょう。
また、暗黙の了解で冠婚葬祭や病気以外では休みを取らないという職場もあるかもしれません。

実は有給休暇を使いたいと思っているのに、職場の慣習で使えないケースもあります。

有給休暇取得を認めてもらえない

有給休暇は労働者の権利として認められており、要件を満たしていれば取得できるため、会社は基本的に有給休暇の拒否はできません。
しかし、なかにはその事実を知らない上司もいるでしょう。

嫌な顔をしたり、叱咤したり、苦言を呈したりする上司もいるかもしれません。
あからさまに拒否をしなくても、査定や昇給に響くことを暗に伝えてくる可能性もあります。

上司の拒否には、自分が有給休暇を使えない環境で働いてきた、仕事の負担が増えるなど、さまざまな理由が考えられますが、何度か申し出ても認められない場合は、パワハラと認定される可能性もあります。

パート・アルバイトだから

有給休暇は正規社員だけの権利ではなく、一定の要件を満たしていればパート・アルバイトでも取得が可能です。
しかし、正規社員とは違い、週の所定労働日数や勤続年数によって付与日数が異なるため、上司が有給休暇について把握していない可能性もあります。

自分と上司がしっかりと把握していないと、有給休暇の取得を逃してしまいます。
パート・アルバイトだから取得できないと思い込んで、取得できない人がいるのです。

人手不足で仕事が多すぎる

常に人手不足で仕事が多いため、有給休暇の取得ができない人もいます。
まわりが忙しいなか仕事を休むと迷惑がかかるため、罪悪感を覚えてしまうからです。

人手不足なのは会社側の問題ですが、だからといって気にせず休めるわけではありません。

また、自分しかその仕事に対応できない場合も休みづらいでしょう。
資格者が必要な職場では、自分がいないことで業務が継続できなかったり、他の人を探さなければならなかったりする場合もあります。

評価や昇進に悪影響を及ぼす

有給休暇の取得が評価や昇進に影響することは、労働基準法に抵触する可能性があるため、関係性を明言する会社は少ないかもしれません。

しかし、はっきりと明言していなくても、有給休暇の取得を不真面目と考える会社は残念ながら存在します。

有給休暇の取得で評価が下がったり、昇進できなかったりする人がいた場合、まわりの人も取得しづらくなるでしょう。

有給休暇が取れないときの対処法

有給休暇が取れないときの対処法

有給休暇の取りづらい環境にいる場合には、次の3つの対処法を試してみましょう。

  • まずは申請してみる
  • 会社・行政に相談する
  • 場合により転職も視野に

まずは申請してみる

まわりが有給休暇を取らないからと諦めている場合は、まずは勇気を出して申請してみましょう。
自分が無理だと思っているだけで、案外あっさり休めるかもしれません。

有給休暇の申請方法は会社によって異なります。
担当者に申請書を提出する、メールやチャット、クラウドサービスなどで申請するなど、やり方はさまざまです。
有給休暇について詳細がわからない場合は、就業規則を確認すると良いでしょう。

ちなみに、有給休暇の理由を会社に伝える義務はありません。

会社・行政に相談する

有給休暇の申請が認められなかった場合でも、諦める必要はありません。
ここでは、次の2つの対処法を紹介します。

  • 上司・人事部に相談する
  • 労働局・労働基準監督署に相談する

上司・人事部に相談する

有給休暇が認められなかった場合は、まずは社内での解決を模索しましょう。
上司など立場が上の人に相談し、それでも解決しなかった場合は、人事部に相談するのがおすすめです。
会社によっては人事部ではなく、総務や労務などの管理部門でもかまいません。

担当者の考えが不当な場合、会社から指導が入ることも考えられます。

外部に相談すると問題が大きくなる可能性があるので、まずは社内への相談から始めるのが良いでしょう。

労働局・労働基準監督署に相談する

会社内で相談しても解決しなかったり、相談する部署がなかったりする場合は、労働局や労働基準監督署に相談するのも一つの方法です。
このように社外の機関に相談する場合は、証拠になるメールや音声などを用意しておくと良いでしょう。

ただし、会社の違法を問うことになるため、社内での居心地が悪くなる可能性があります。
労働局や労働基準監督署に相談するには覚悟が必要であり、最終手段と考えたほうが良いでしょう。
また、会社の労働組合に相談する方法もあります。

場合により転職も視野に

有給休暇が取れない場合の対処法として、一番トラブルが少なく容易なのは転職です。
社内で相談したとしても、担当者とはトラブルになる可能性があります。
また、労働局・労働基準監督署に相談した場合は、会社と戦わなければなりません。

有給休暇の取得を認めない会社は良い会社とはいえず、今後もトラブルが起こる可能性があります。
長く働ける会社かを見極め、場合によっては転職も視野に入れましょう。

有給休暇は希望通りに使えないケースもある

有給休暇が認められない場合でも、必ずしも会社に問題があるとは限りません。
状況によっては、有給休暇を希望どおりに使えないこともあるためです。

例えば、突然の長期休暇は仕事に悪影響を及ぼす可能性があります。
長期休暇を希望する場合は、早めに申請をしておくことが大切です。
また、業務に必要な研修がある日や、長期間代わってくれる人がいない場合なども、休暇取得に良い返事がもらえないかもしれません。

事業に著しく支障が出る場合は、企業が「時季変更権」を主張できます。
時季変更権とは、事業の正常な運営が妨げられる場合に、他の時季に休みを変更できる権限です。

有給休暇の取得日は希望どおりにならないこともあり、認めないことが違法にならないケースもあることを覚えておきましょう。

有給休暇は働く人の権利!正しい主張で取得しよう

有給休暇は労働者の正当な権利であり、正しい主張をすることで安心して取得できます。
会社によっては有給休暇が取りづらい場合もありますが、まずは申請することから始めてみましょう。
認められない場合は今回紹介した対処法を試してみてください。

執筆者について

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