結婚や出産など、ライフステージの変化にともなって退職した人が、パートとして再び働くことを目指す際の、履歴書の書き方を紹介します。
パートと正社員では働き方も異なるため、履歴書ではパート採用に合わせた書き方が求められます。
例文を参考にしながら、詳しく見ていきましょう。
目次
【パートの履歴書】項目別の書き方ポイント
パートの履歴書にはどのようなことを書くべきなのか、項目別に分けて解説していきます。
基本情報欄の書き方
住所や氏名・生年月日といった基本情報を書く際には、抜けや間違いがないように注意してください。
それぞれの項目で気をつけるべきポイントは以下のとおりです。
- 日付
日付は履歴書の提出日に合わせて記入します。
郵送なら郵送日、面接で手渡しするなら面接日を記入してください。 - 氏名
氏名欄は、あなたの名前をふりがな付きで記入します。
漢字は戸籍に登録されたものを使用してください。
ふりがなは、ひらがなで指定されているときはひらがなで、カタカナで指定されているときはカタカナで書きましょう。 - 生年月日・年齢
あなたの年齢と生年月日を記入します。
西暦・和暦どちらでも問題ありませんが、履歴書全体で統一してください。
年齢は、履歴書を提出する日の満年齢を書きましょう。 - 住所
住所欄には、あなたが現在住んでいる住所を記入します。
都道府県から書きはじめ、番地はハイフンで略さず正式な書き方で記入してください。 - 電話番号・メールアドレス
連絡先記入欄には、あなたの電話番号とメールアドレスを記入します。
電話番号は、できるだけ固定電話と携帯電話両方を書きましょう。
記入欄が1つしかない場合は、より連絡が取りやすい番号を記入してください。
メールアドレスは、個人で使用していて返信が早いアドレスを使用しましょう。 - 写真
写真の貼り付け欄に、胸から上を写した写真を貼ります。
背景色は青か白、薄いグレーがベストです。
貼り付け欄の大きさに合わせた写真を用意し、ずれたり汚したりしないよう気をつけて貼ってください。
学歴の書き方
学歴・職歴欄は、先に学歴から記入していきます。
1行目の中央あたりに「学歴」と書き、その下から順に入学・卒業した学校名と年月日を記入してください。
卒業した学校すべてを書く必要はありません。
最終学歴が高卒なら中学校から、最終学歴が大学なら高校からというように、最終学歴のひとつ前から書き始めると良いでしょう。
また、履歴書は応募先に提出する正式なビジネス書類なので、名称を略すのは失礼になります。
必ず正式名称で、学部・学科までを記入してください。
【例】
- 〇〇高等学校普通科・〇〇大学〇〇学部〇〇学科
職歴の書き方
学歴を書き終わったら、その下に職歴を書きます。
学歴の最終行から1行空け、下の行の中央に「職歴」と書いてから記入を始めてください。
入社と退社は1行ごとに分けて書くのが基本ですが、勤務した会社が多く、書ききれない場合は、以下の例のように1行にまとめて書いても大丈夫です。
【例】
○○株式会社に正社員として入社(20xx年x月退社)
職歴が多い人の履歴書の書き方について、もっとくわしく知りたい人は以下のページをご参照ください。
なお、在職中の場合は、入社日の下に「現在に至る」や「以上」と書き添えましょう。
在職中の職歴の書き方について、よりくわしく知りたい人は、以下のページもご参照ください。
職歴の雇用形態がさまざまな場合の書き方
職歴を書くときは、「入社」のあとに雇用形態まで書きましょう。
【例】
- 〇〇株式会社 入社(正社員)
- 〇〇株式会社 就業(派遣社員)
応募先の企業にとっては、前職をどのような雇用形態で働いていたのかも重要な情報です。
履歴書を一目見ただけで理解してもらえるよう、形式を整えて書きましょう。
職歴にブランクがある場合
職歴にブランクがある場合は、離職期間中にどんなことをしていたかを記入してください。
例えば、妊娠・出産で前職を離職した人なら、退職年月日の下に「妊娠・出産で子育てに専念」「PTAの役員をしていた」といった情報を記載すると良いでしょう。
応募先の企業が知りたいのは、離職理由と離職期間中に何をしていたかです。
資格の勉強や地域社会への貢献など、少しでも復職に役立つ情報があったら記入してください。
仕事の経験がゼロまたは少ない場合
仕事の経験がゼロ、または少ない人は、アピールできることを記入して、職歴の空白を減らしてみましょう。
過去の勤務先が1社だったとしても、辞令で課を移動した経歴や表彰履歴などが書ければ、充実した職歴が書けます。
職歴がゼロだった場合は、応募先で役立つ特技を書くのも良い方法です。
「町内会の会計を務めていた」「子供会の行事で物品の仕入れを担当していた」といった内容はアピール材料になります。
仕事の経験の少なさを隠さず、やってきたこと・できることを職歴に書いてください。
志望動機の書き方
志望動機を書く際に、抑えておくべきポイントは以下の3つです。
- 応募先の企業で働くことへの熱意
- 応募先の企業を選んだ理由
- 応募先の企業でどのように役に立ちたいか
どこでも良いから働きたいという理由より、「この企業だからこそ」といった、前向きな動機が好まれます。
働かなければいけないネガティブな理由ではなく、なぜ応募先の企業を選んだのかを前向きに書くと良いでしょう。
以下に例文を挙げますので、ぜひ参考にしてみてください。
子育て中に貴社の子ども服をよく購入していましたが、スタッフの皆さんが明るく対応してくれて、子どもも喜んで着てくれました。
貴社で採用いただけたら、以前、販売に携わっていた経験を活かし、私もお客様に喜んでもらえる接客をしたいと思います。
下記のページでも志望動機の書き方や例文を紹介しますので、ぜひご参照ください。
自己PRの書き方
自己PRでは、自分が身につけている能力や経験をアピールすることが重要です。
直接仕事に役立つビジネススキルはもちろんですが、コミュニケーション能力や持続力・忍耐力といったポータブルスキルも、立派な自己PRになります。
例えば、対人スキルがあれば経験がなくても接客業で認められやすいです。
日常的にパソコンを使用しているなら、未経験可のデータ入力業務に応募できます。
つまり、自分のスキルと応募先が求める人物像と照らし合わせ、一致している部分をアピールすれば、目に留まりやすい自己PRが書けます。
以下で自己PRの例を業種別に紹介しますので、参考にしてください。
【例文】一般事務に応募する自己PR
私は子育て中にPTAの役員をしており、パソコンへのデータ入力や文書作成をおこなっていました。
家計簿もパソコンで管理していて、表計算ソフトが得意です。
このスキルを貴社でも活かしていきたいと考えています。
【例文】飲食店に応募する自己PR
過去に働いた飲食店では、コミュニケーションや協調性を評価され、昇給に繋がりました。その経験は子育てにも役立ち、子どもが参加しているスポーツチームでも、学年のリーダーとして保護者のまとめ役を勤めたこともあります。
次は貴店でこのスキルを活かし、貢献したいと考えています。
【例文】接客業に応募する自己PR
私は人の話を聞いたり相談を受けたりすることが多く、子育て中も「あなただと話しやすい」「親しみやすい」と言われたことも多くありました。
私自身、人と接することを楽しめる性格です。
接客業は初めてですが、こうした性格を活かし、貢献できればと考えています。
本人希望欄・備考の書き方
本人希望欄には、勤務時間や勤務地、曜日など、アルバイトをするうえで譲れない条件を記入します。
具体的には次のような内容です。
- 保育園の送り迎えがあるため17時までに退勤したい
- 子供が家にいる土曜日・日曜日は勤務できない
- 特定の店舗で勤務したい
特に記載する内容がない場合は、空欄にせず「貴社の規定に従います」と記入してください。
主婦業を生かした履歴書でPRし、パート職を手にしよう
社会人経験のブランクがあったり、ほとんど経験がなかったりすると、パート用の履歴書に何を書けば良いか迷ってしまうかもしれません。
しかし、ブランク期間中に身につけたスキルや経験があれば、履歴書でもPRすることができます。
ブランクがあることを隠さず、応募先で働きたいという前向きな姿勢が伝われば、採用に繋がるでしょう。