「再就職したが、前職よりも給与が減ってしまった」
「再就職手当がもらえる期間内に再就職したいが、給与が減るかもしれず不安だ」
再就職をめざして活動するうえで、上記のような悩みを抱える方も多いでしょう。
そこで本記事では、再就職によって前職よりも給与が減った場合に受給できる就業促進定着手当について、手当を受けるための条件や支給額、申請の方法などを紹介します。
再就職をして給料が下がり、何か手当をもらえないか考えている人も多いのではないでしょうか。
目次
再就職による「就業促進定着手当」とは
就業促進定着手当とは、再就職後の給与が、前職の給与よりも低くなった場合に受けられる手当です。
その名が示すとおり、再就職先への定着を目的としているため、受給できるのは再就職先で6ヵ月以上働いてからとなっています。
雇用保険の失業等給付のうち、就業促進手当に含まれる制度の一つです。
転職によって給与が下がった際は、自分が支給対象者に当てはまるかどうかチェックしてみましょう。
再就職による「就業促進定着手当」の支給条件
就業促進定着手当の支給対象者は、以下の3つの条件をすべて満たす人です。
- 再就職手当の支給をされている
- 同じ会社で6ヵ月以上、雇用保険の被保険者として働いている
- 再就職後6ヵ月間の給料日額が前職より低い
では、一つずつ見ていきましょう。
再就職手当の支給をされている
就業促進定着手当の支給は、再就職手当の支給を受けたことが前提となります。
再就職手当とは、雇用保険の基本手当(失業保険)の受給期間を1/3以上残して再就職した場合に受け取れる手当です。
同じ会社で6ヵ月以上、雇用保険の被保険者として働いている
就業促進定着手当を受け取るための2つ目の条件は、再就職後、同じ会社に半年以上勤務し、なおかつ雇用保険に加入していることです。
雇用保険は、正社員、パート・アルバイトなどの雇用形態に関わらず、所定労働時間が週20時間以上あり、31日以上の雇用の見込みがある場合は、全員が加入者となります。
自分が雇用保険に加入しているかわからない場合は、職場に確認をとっておきましょう。
再就職後6ヵ月間の給料日額が前職より低い
就業促進定着手当を受け取るには、前職よりも給与が低くなっていなければいけません。
比較の対象となるのは、雇用保険受給資格者証に記載されている離職時賃金日額と、再就職後6ヵ月の1日あたりの金額です。
再就職で受け取れる「就業促進定着手当」の支給額
就業促進定着手当の支給額の計算方法は、以下のとおりです。
(前職の給料日額−再就職後6ヵ月間の1日の賃金)×再就職後6ヵ月間の賃金の支払い基礎日数
前職の給料日額は雇用保険受給資格者証に記載されています。
また、再就職後6ヵ月間の賃金日額は、以下の計算方法で算出します。
【月給の場合】再就職後6ヵ月間の給料合計額÷180
【日給・時給の場合】1.2のいずれか金額の高いほう
1.再就職後6ヵ月間の給料合計額÷180
2.(再就職後6ヵ月間の給料合計÷給料支払いの基礎日数)×70%
なお、前職の給料日額には上限と下限があります。
こちらは毎年8月に改訂されるため、ご注意ください。
上限 | 離職時に30歳未満 | 13,670円 |
離職時に30歳以上45歳未満 | 15,190円 | |
離職時に45歳以上60歳未満 | 16,710円 | |
離職時に60歳以上65歳未満 | 15,950円 | |
下限 | 全年齢 | 2,657円 |
また、就業促進定着手当には支給額の上限があり、計算方法は以下のとおりです。
上限額=基本手当日額×支払い残日数×40%(再就職手当の給付率が70%の場合は30%)
「就業促進定着手当」の申請方法
就業促進定着手当は、自動的に給付されるものではありません。
受け取るためには申請が必要です。
また、申請期間が決まっているため、必ず期間内に申請してください。
ここでは、申請方法として以下の2つを紹介します。
- 提出方法
- 申請期間
支給条件に当てはまる人は、ぜひ参考にしてください。
提出方法
就業促進定着手当を申請する際には、以下の書類を提出する必要があります。
- 雇用保険受給資格者証
- 就業促進定着手当支給申請書
- 出勤簿の写し(再就職日以降6ヵ月分)
- 給与明細もしくは賃金台帳の写し(再就職日以降6ヵ月分)
就業促進定着手当支給申請書はハローワークから郵送されるため、届いたら再就職手当の申請を行ったハローワークに提出しましょう。
もしも届かない場合は、管轄のハローワークに問い合わせてください。
提出する際には窓口を直接訪れるか、郵送をしましょう。
申請期間
就業促進定着手当の申請には期間があります。
申請期間は、再就職日から6ヵ月を経過した日の翌日から2ヵ月間です。
例えば、6月1日に再就職した場合は、申請期間は12月2日から2月2日までとなります。
忘れずに申請しましょう。
再就職で給料が下がったら就業促進定着手当を受け取れる可能性がある
就業促進定着手当は、再就職手当を受け取った人が再就職後の会社で6ヵ月以上働いたとき、その期間の給料日額が前職離職時の給料日額を下回っている場合に受けられる手当です。
申請期間には限りがあるため、自分が対象者であるかどうかわからない場合は早期の確認を心がけましょう。