面接では身だしなみも評価要素の一つであり、靴の選び方も重要なポイントです。
服や髪型と同じくらい、足元のマナーと清潔感も面接官には見られています。
基本的には男女いずれの場合も革製の靴を選ぶことになりますが、どのような色・デザインでも良いというわけではありません。
本記事では、面接にふさわしい靴の選び方や面接日当日の靴に関するトラブルへの対処法をまとめました。
リクルートスーツでの面接時はもちろん、私服面接にふさわしい靴も紹介します。
目次
面接の靴選びのポイントは?
面接に履いていく靴は、男女ともに革靴が適しています。
ただし、フォーマルなスーツに合わせることをふまえた靴のデザインや色であることが重要です。
好印象を与える靴選びのポイントを男女別に見てみましょう。
女性が面接を受けるならパンプスを選ぼう
面接を受ける際、女性は革製のパンプスの着用が最適です。
装飾が少なくシンプルなものを選ぶようにします。
就職活動中だけでなく、社会人になってからもフォーマルな場で履く機会が多くあるため、一足持っていると便利でしょう。
色やデザイン、素材、ヒールの高さの選び方について、以下で詳しく解説します。
パンプスの色やデザインは?
パンプスの色は黒が無難です。
中途採用の場合は、ネイビーやグレーの落ち着いた色でも良いでしょう。
デザインとしては、リボンやビジューなどがついていないシンプルなプレーンパンプスが適しています。
華美な装飾がついているもののほか、つま先が開いているオープントゥのパンプスは面接の場にふさわしくありません。
ただし、ストラップ付きのパンプスは面接でも着用可能です。
安定感があるので、普段パンプスを履き慣れていない方や、足の甲が低く靴がパカパカ脱げてしまう方は、ストラップ付きを選ぶと良いでしょう。
アンクルストラップはファッション性が高く見えてしまうため、面接では足の甲にストラップがあるタイプがおすすめです。
パンプスの素材は?
素材は、本革か合成皮革を選びましょう。
見た目にほとんど違いはありませんが、本革は履いていくうちに材質が変化し、自分の足に馴染んでやわらかくなります。
一方、合成皮革は値段がお手頃で、雨にも強くお手入れの楽さが特徴です。
しかし、本革に比べると劣化しやすく傷みやすいため、長く靴を愛用したい場合は本革を選ぶと良いでしょう。
光沢のあるエナメル素材やスエードのものはカジュアルな印象を与えるため、面接では避けるのがベターです。
パンプスのヒールの高さは?
ヒールの高さは、3〜5cmの高さがベストです。
ヒールの高さは歩き方にも影響するため、不格好な姿勢にならないよう実際に試着してみて、自分が歩きやすいものを選んでみてください。
ヒールは太めで安定感のあるものが良いでしょう。
ウエッジソールやピンヒールはカジュアルに見えるため、面接にはふさわしくありません。
ヒールを履き慣れていない方の場合、長時間パンプスで過ごすと足が痛くなったり、疲れが溜まりやすくなったりする可能性があります。
なかにクッション性のあるインソールを敷くと、足への負担が和らぐでしょう。
男性が面接を受けるなら革靴を選ぼう
男性が面接を受ける際は、紐付きの本革または合成皮革の靴が最適です。
シンプルなもので装飾が少なく、全体に清潔感のあるコーディネートになるよう意識しましょう。
革靴の種類や色は?
男性の靴は、本革で黒かこげ茶色が望ましいといえます。
明るい茶色は、派手な印象を与えかねないため避けたほうが無難です。
本革は年数が経過するにつれ自分の足に馴染むため、お手入れをすれば長く愛用できます。
特に男性の場合、黒の革靴は多くのビジネスシーンで重宝するでしょう。
長く履くことを考えると、シンプルでどのようなコーディネートにも馴染むフォーマルな一足を持っておくと安心です。
つま先の形やデザインは?
面接で着用する男性の靴には、つま先に適度な丸みがあり、内羽根のストレートチップがおすすめです。
シューホールと呼ばれる靴の紐を通す部分が、靴の甲と一体化しているデザインを「内羽根」と呼びます。
シューホールがあと付けされたように独立しているデザインの「外羽根」もありますが、面接ではどちらでも構いません。
デザインは、つま先に横一本の線が入ったストレートチップや、U字にステッチが入ったデザインのUチップ、装飾のないプレーントゥがふさわしいとされています。
つま先に羽根のようなステッチのあるウイングチップは、ファッション性が高く面接の場には不向きです。
紐なしのものや、靴の先端が反っていたり細く尖ったりしたデザインも避けましょう。
これらはカジュアルなパーティーなどに適しており、面接の場にはふさわしくありません。
靴にはどのような面接のマナーがある?
面接にふさわしい靴を履きこなすには、いくつかのマナーを守ることも大切になります。
就活時だけでなく社会人としての身だしなみにも通じる、靴に関するマナーをチェックしてみましょう。
面接でローファーはNG
ローファーは、よほどの理由がない限り面接での着用は避けます。
就活時はフォーマルな服装が基本です。
ローファーはカジュアルでラフな印象が強いため、ビジネスシーンには不適切ととらえられてしまう可能性があるでしょう。
一定のマナーをわきまえていれば、服装にあまりこだわらない企業やアパレルなど私服を見られる企業の面接については、ローファーを履いても問題がない場合もあります。
企業の方針に沿った面接時の身だしなみを理解したうえで、判断してみてください。
靴下やストッキングも面接用を選ぼう
女性は、肌色のストッキングを着用するのがビジネスシーンでのマナーです。
自分の肌色に近い自然なベージュを選びましょう。
黒を避けるべき理由は、お葬式などお悔やみのシチュエーションを連想させる可能性があるためです。
ストッキングの厚みは20〜30デニールが適しています。
万が一伝線した場合に備えて、予備のストッキングを鞄に入れておくと安心です。
男性の靴下は、黒か紺色の無地を選びます。
白の靴下は、黒や紺の靴やスーツを着る場合に足元だけ浮いてしまうため避けましょう。
面接官から見えにくい部分ではありますが、グループ面接で他の面接参加者と並んで椅子に座った際に目立ちます。
座ったときにパンツスーツのあいだから肌が見えない丈の長さで、かつワンポイントや柄のないシンプルなものを身につけてください。
男性は靴と鞄の色を合わせて統一感を
男性の就活スーツスタイルでは、靴と鞄の色を合わせることで全体の統一感が出て、落ち着きのある印象になります。
鞄の色は、黒のほか紺やこげ茶が基本ですが、必ずしも靴と合わせなければいけないわけではありません。
まだ靴も鞄も決まっていない場合は、黒を選ぶとスーツに合わせやすく無難です。
使い勝手の良いベーシックな色を選ぶと長く愛用できるでしょう。
靴はお手入れをして清潔感を保とう
面接用の靴は、上述したとおり革製のものが適していますが、本革は特にお手入れを怠るとツヤが減り、ひび割れを起こしやすくなります。
定期的に専用のクリームで磨くほか、傷の修復や汚れはきちんと落として、きれいな状態で面接に挑めるよう準備をしましょう。
靴は見た目の清潔感を大きく左右するポイントです。
ヒールやかかとのすり減りがひどい場合も、だらしない印象を与えてしまうため、補修や買い替えなど早めに対処することをおすすめします。
面接当日は、念のため携帯用の靴磨きを鞄のなかに入れておくと良いでしょう。
靴に関するトラブルへの対処法
いざ面接当日を迎えたとき、思いもよらないトラブルに見舞われる場合があります。
例えば天候に恵まれなかったり、うっかり履く靴を間違えたりということも起こるかもしれません。
ここでは、靴に関するトラブルへの対処法を紹介します。
面接日に雨が降っている
面接日当日、雨で足元が汚れそうな場合は家を出る前に準備をしておきましょう。
あらかじめ防水スプレーをかけておくことで、汚れをつきにくくし、雨水による靴のダメージを防げます。
雨でストッキングや靴下が汚れてしまう恐れもあるため、替えのものを鞄に入れておくのがベストです。
豪雨や雪で足元が悪い場合などは、レインブーツを履いて移動し、面接会場近くのお手洗いで持ってきた革靴やパンプスに履き替えるという方法もあります。
面接なのにスニーカーを間違えて履いてしまった
面接日当日、予定していたものとは違うカジュアルな靴を履いて来てしまった場合、近くの紳士服売り場や百貨店などで、面接に適した靴を新しく購入するのが無難です。
特に、スニーカーは面接の場にはふさわしくありません。
やむをえず間違えた靴で面接に参加せざるを得ないときは、面接時に間違えてしまったことを謝罪し、その後の受け答えで挽回できるようがんばりましょう。
面接当日は緊張や慌ただしさから、ついうっかりということもあるかもしれません。
スーツや靴など持ち物の準備、シワ・汚れがないかの確認などは前日までに済ませておきます。
私服指定の面接ではどのような靴が良い?
私服可と指定されている面接でも、普段着に合わせてスニーカーやサンダルなどを選ぶのは場にふさわしくありません。
私服面接に向けた靴選びのポイントを、基本的なマナーと合わせて解説します。
私服指定でもフォーマルを意識する
就活での私服は、ビジネスカジュアルやオフィスカジュアルを指しているため、TPOに合った服装とそれにふさわしい靴を選ぶようにしましょう。
足元は、男性であれば黒や茶色のシンプルな革靴、女性であれば太めのヒールで黒やネイビーのシンプルなパンプスが望ましいです。
リクルートスーツに合わせる黒の革靴だと足元が重い印象になってしまう場合は、ベージュやブラウンなど控えめな色を選びましょう。
ビビットな色味のものや派手な飾りがついた靴は避けるべきです。
私服面接ではTPOを見られる
企業が面接時に私服で参加するよう求める理由の一つとして、TPOを意識した服装ができるかという一般常識を見ている可能性があります。
面接に不相応な服装をしてしまい、常識や協調性に欠けると判断されないよう注意が必要です。
着慣れているTシャツやスウェットパンツではなく、かしこまったスーツスタイルをカジュアルダウンした服装をしましょう。
襟付きのシャツやブラウス、ポロシャツ、テーパードパンツなど、清潔感のあるアイテムがおすすめです。
面接用の靴を用意して当日に備えよう
面接に履いていく靴には、ベーシックでシンプルな革靴が適しています。
姿勢や歩き方の乱れを防ぐためにも、サイズの合った靴選びが必須です。
特に面接に向けて新しく靴を用意した場合、足に馴染んでいないため靴擦れを起こしてしまう可能性もあります。
面接前に多少履き慣らしておく、足への負担を軽減する中敷きやかかとパッドを使う、面接当日に鞄のなかへ絆創膏を入れておくなどして、万が一に備えましょう。
面接での受け答えだけでなく、足元の清潔感も選考要素の一つであることを忘れずに、より魅力的な自分を演出できるように準備してみてください。