「非正規雇用の平均年収はいくら?」
「正規雇用とはどれくらい違うの?」
非正規雇用の年収について、上記のような疑問を持つ方は多いのではないでしょうか。
パート・アルバイトなどの非正規雇用は、「勤務時間や勤務日を調整しやすい」など、勤務における融通が効きやすい点はメリットですが、年収は正規雇用よりも少なくなります。
本記事では、厚生労働省の令和4年賃金構造基本統計調査のデータをもとに、非正規雇用の年収や月収について解説します。
目次
非正規雇用の年収はいくらか
まずは、非正規雇用の平均年収を紹介したうえで、生涯非正規雇用として働いた場合、正規雇用と総額でどれくらいの差が生じるのかを見ていきましょう。
平均年収
正規雇用 | 非正規雇用 | |
---|---|---|
平均年収 | 531万円 | 306万円 |
厚生労働省の賃金構造基本統計調査によると、令和4年の非正規雇用の年収は306万円でした。
一方、正規雇用の平均年収は531万円で、両者のあいだには225万円の違いがあります。
男女別平均年収
男女計 | 男性 | 女性 | |
---|---|---|---|
非正規雇用の平均年収 | 306万円 | 353万円 | 267万円 |
非正規雇用の平均年収には男女差があり、男性は353万円、女性は267万円でした。
男性と女性で平均年収に86万円の差がでた理由としては、非正規雇用を選ぶ理由が異なることなどがあげられます。
厚生労働省の令和元年就業形態の多様化に関する総合実態調査によると、非正規雇用で働く人が現在の働き方を選んだ理由(複数回答可)として、「家庭の事情(家事・育児・介護等)と両立しやすいから」を選択した人は、男性がわずか7.7%だったのに対し、女性は40.5%でした。
このことから、非正規雇用の女性は家事や子育てと並行しながら働くケースが多く、非正規雇用の男性よりも労働時間が少ないことが窺えます。
年齢別平均年収
年齢区分 | 平均年収 |
---|---|
~19歳 | 222万円 |
20~24歳 | 263万円 |
25~29歳 | 290万円 |
30~34歳 | 293万円 |
35~39歳 | 290万円 |
40~44歳 | 294万円 |
45~49歳 | 289万円 |
50~54歳 | 287万円 |
55~59歳 | 297万円 |
60~64歳 | 375万円 |
65~69歳 | 302万円 |
70歳~ | 263万円 |
非正規雇用の年齢区分別の平均年収は、45~54歳で若干減少しますが、全体的に見ると年齢を重ねるごとに緩やかに上昇していきます。
なお、60~64歳で一気に78万円上がるのは、再雇用制度(60歳を迎えた正社員を、65歳まで非正規で再雇用する制度)の影響によるものです。
生涯年収
非正規雇用の生涯年収は1億2,240万円です。
なおこの数値は、非正規雇用の平均である年収306万円で、40年働くと仮定したものです。
実際には今後、非正規雇用を取り巻く環境が変化する可能性もあるため、あくまで参考ととらえてください。
また、非正規雇用の生涯年収から、社会保険料や所得税などを差し引いた手取りは9,180万円です。
こちらは生涯年収の75%として計算しています。
なお、正社員の平均年収である531万円で40年働いた場合、生涯年収は2億1,240万円で、手取りは1億5,930万円です。
非正規雇用の月収はいくらか
非正規雇用の平均月収は24万円です。
これは正規雇用の平均月収36万円よりも12万円少ない金額です。
非正規雇用の年収は年齢や性別によっても異なる
非正規雇用の年収は306万円で、年齢や性別によっても異なります。
正規雇用の平均年収は531万円で、225万円の隔たりがあります。
以下の記事では、非正規雇用の割合について詳しく解説していますので、この記事とあわせてご参照ください。