転職前の有給休暇は、会社の状況や引き継ぎによって取れるタイミングが変わります。
この記事では、有給休暇のタイミングや完全消化するポイントを解説しています。
別の記事で、有給消化の日数を解説しているので、そちらも参考にしてください。
目次
転職前に有給消化するタイミング
ここでは、転職前に有給消化するタイミングを解説します。
引き継ぎの期間を使って徐々に消化
一番多いケースとして考えられるのは、引き継ぎの期間のなかで徐々に消化していくパターンでしょう。
職場や現職での自分の立場によっては、想像以上に引き継ぎやあいさつ回りに時間がかかるものです。
そのような場合は、引き継ぎ作業やあいさつ回りを進めつつ、1週間に1日や2日ずつ休むと良さそうです。
徐々に有給を取得しておくことで、業務への支障を抑えながら引き継ぎ作業を進められます。
最終出社日前に消化
最終出社日前に有給を消化するケースもあります。
業務の引き継ぎを終えたら有給を取得し、退職日に最終出社する流れです。
すでに引き継ぎが終わっているので、最終出社日は最後の荷物整理や会社の備品の返却、あいさつ回りなどをゆっくり行える点がメリットです。
退勤の際に健康保険証の返却もでき、後々郵送する手間もありません。
最終出社日後に消化
最終出社日後に有給消化する方法もあります。
この場合の最終出社日とは退職日には当たらず、書類上の退職日は最終出社後に有給消化したあとの日付となります。
このパターンでの有給消化のメリットは、引き継ぎ後にあいさつをしてそのまま有給を取得できるので、転職に向けて気持ちを切り替えやすい点です。
健康保険証は、実際の退職日まで所有していて問題ないので、万が一の病気やケガの際も安心です。
ただし、転職後に速やかに郵送で返却が必要な点は、手間がかかるでしょう。
転職前に完全に有給消化するポイント
有給休暇が多く残っている場合、せっかくならしっかりと使い切ってから転職したいと考えるでしょう。
ここでは、転職前に完全に有給消化するポイントを解説します。
有給休暇の日数から逆算する
まずは、有給休暇の日数から逆算することが大切です。
現状残されている有給日数を確認し、それに合わせて転職に向けたスケジュールを組みます。
転職の際は引き継ぎが必要となるため、引き継ぎ期間と有給期間を考えてスケジュールを組むと良いでしょう。
引き継ぎに必要な期間は業務内容などによって前後しますが、おおむね1ヵ月程度が一般的です。
退職する旨を早めに伝える
転職の際は退職の意向を早めに現職の上司に伝え、後任の手配期間を作ります。
いきなり退職する旨を伝えてしまうと、後任を手配して引き継ぐまでに時間がなく、有給を取得する余裕も少なくなります。
また、社内に後任の適任者がいない場合は、企業側も採用を行なわなければならないので予想以上に時間がかかるケースもあるでしょう。
遅くとも1ヵ月半前~2ヵ月前には退職の意向を伝えて、後任の任命や引き継ぎ期間を確保することが大切です。
転職前から引き継ぎ準備を進める
引き継ぎ準備は、たとえ転職先が決まっていなくても、転職を決意したタイミングから進めておくのがおすすめです。
マニュアルなどを事前に作成しておけば、引き継ぎもスムーズに進められます。
また、実際に内定がもらえ転職時期が決定したあとは、取引先にも事前に伝えておきましょう。
事前に伝えておくことで、取引先側にとっても転職後に急に担当者が変わるなどの混乱を避けられます。
転職前の有給消化が拒否されることはある?
ここでは、転職前に有給消化が拒否される可能性を解説します。
有給休暇は最低年5日の取得が義務
有給休暇は2019年の労働基準法の改正で、企業は年次有給休暇を年10日間以上付与される労働者に対して、年5日の有給を確実に取得させる義務が生まれました。
したがって、年5日以上の有給をまだ取れていない場合は、会社側からの有給の拒否は違法になります。
まだ、有給を5日以上取れていない場合は、ほぼ100%取得できるでしょう。
有給休暇の拒否は特定の場合以外は違法
有給休暇は労働基準法により、労働者が請求する時季に合わせて取らせなければいけないと決められています。
そのため、有給休暇の拒否は基本的に違法です。
ただし、事業の正常な運営を妨げる場合は、企業側が拒否できる権利も存在します。
引き継ぎ作業などが十分にできてないと、事業の運営を妨げる場合に抵触する恐れもあるので、前もってしっかりと行っておきましょう。
有給を完全消化するためには、自分が職場にいなくても業務が正常に回る体制を整えておくことが大切です。
転職前の有給消化は計画的に行おう
転職前に有給消化できるかは、転職に向けた準備を計画的に進められるかで変わります。
しっかりと有給消化して、気持ちを切り替えて新しい職場に向かうためにも、引き継ぎ準備は前もって計画的に行いましょう。
転職を決意した日から引き継ぎ資料やマニュアル作成をはじめておくことで、スムーズに有給消化できます。
やるべきことをしっかりと行っておけば、有給消化も拒否されないはずです。計画的に有休消化し、気持ちよく転職へ臨んでください。