転職時に年収が上がるかどうかは、年齢によって傾向が異なることをご存知でしょうか。
本記事では、転職時の年収と年齢の関係について解説したうえで、年収を重視した転職をする際に押さえておきたいポイントを紹介していきます。
目次
転職後の年収の変化とは
厚生労働省の調査によると、令和3年に転職した人のうち、年収が上がった人は34.6%、下がった人は35.2%、変わらない人は29.0%でした。
しかし、年齢別に見ると、年収が上がった人の割合は20~24歳が47.1%と多いのに対し、60~64際では13.1%と少なくなっています。
さらに、年収が下がった人の割合は、60〜64歳で66.5%と多く、19歳以下は21.9%と少ない数値でした。
つまり、若い世代ほど転職によって年収を上げる人が多く、年齢が上がるにしたがって下がる人の割合が増えていることがわかります。
年収を重視する場合の転職のポイント
ここでは、年収重視で転職する際のポイントを紹介します。
実力に応じた収入が得られる企業に転職する
現職ではスキルに見合った報酬を得られていないと感じるのであれば、実力主義・成果主義の企業への転職を検討しましょう。
年功序列が根強く残る企業では、勤続年数に応じて給与が上がりますが、若いうちから結果を出しても収入アップにつながりにくい側面があります。
実力主義・成果主義の企業は、常に結果を出し続けなければいけないというプレッシャーがある一方、結果を出しさえすれば給与の上がり幅も大きいです。
中小やベンチャーの企業も候補に入れる
大手企業への転職だけが、年収アップへの近道だとは限りません。
中小企業やベンチャー企業では、一人あたりの会社に与える影響が多いため、大企業よりも柔軟に年収を決める傾向にあります。
中小企業やベンチャー企業で業績アップに貢献する活躍を見せれば、大きな年収を手にすることも可能です。
スキルが活かせる異業種に転職する
現職の業界では当たり前のスキルが、業界が変わると希少性が高くなる場合があります。
例えば、金融業界の実務経験を積んでから、金融系のコンサルタントに転職し、年収を上げたケースもあります。
異なる業界への転職は年収が下がるといわれますが、現職のスキルや経験を活かせる企業を選べば、異業種であっても年収が上がる可能性があるのです。
福利厚生や手当を考慮する
年収を重視した転職をする際には、基本給だけではなく、福利厚生や手当も考慮しましょう。
基本給が高く見えなくても、手当が手厚いことで、収入の総額を上げたり、支出を抑えたりできるケースがあります。
例えば家賃手当や社宅制度のある会社なら、毎月の家賃負担を減らすことが可能です。
その他にも資格を持っていると受け取れる資格手当や、居住地域に応じた地域手当など、会社によってさまざまな制度があります。
業績が良い企業を探す
会社の業績の良さは、給与の高さにつながります。
今後も業績を伸ばせそうな企業ならば、転職後の昇給にも期待できるでしょう。
上場企業の場合は、公開されている資料から業績を知ることができます。
中小企業やベンチャー企業は業績を公開していない場合もありますが、調査会社を通じて調べることもできます。
自分の年収を適正に判断する
過大評価や過小評価をせず、自分の実力を正しく把握することで、適正な年収での転職がしやすくなるでしょう。
また、転職活動を通して複数の会社からの評価を聞いてみることで、現職における自分の年収が適正なのかどうかを知るきっかけにもなります。
「できること」を明らかにする
年収を重視して転職するのであれば「やりたいこと」よりも「できること」を優先しましょう。
「経験はないがずっと興味があった仕事に就きたい」「新しい分野にチャレンジしたい」という気持ちを優先するのであれば、少なくとも一度は年収が下がることを覚悟しなければなりません。
「できること」であれば、これまでの実績をもとにアピールできるため、高い年収を実現しやすくなるでしょう。
生涯年収を考慮する
年収を1~2年のスパンで考えると、短期的には得でも、長期的に損をすることもあります。
例えば、転職によって年収が150万円上がるとなると魅力的ですが、そこからの昇給が見込めない場合、現職を続けたほうが生涯年収が高くなるケースもあります。
目先の好条件に飛びついて転職を繰り返すと、キャリア形成がうまくいかなくなるおそれがあるため、注意が必要です。
給与基準が高い業界を研究する
年収を重視しつつ他の業界への転職を考える場合は、各業界の給与水準をチェックしましょう。
例えば、電気やガスなどのインフラ業界、金融・保険業界は、未経験であっても給与が高い傾向にあります。
求人の年収の上限設定が希望年収を超えているか確認する
企業の募集要項に書かれている年収が、自分の希望する年収を越えているかどうかを確認しましょう。
転職時の年収には交渉の余地があるとはいえ、企業が想定している上限よりも高い金額を引き出すのは困難です。
転職後の年収が不安なら下がらないポイントを押さえておこう
転職の動機には、年収や自己実現、ワークライフバランスなどさまざまなものがあります。
例えば年収を重視する場合は、自身のスキルと経験をうまくアピールすることが重要です。
また、目先の収入アップのみを意識するのではなく、会社の業績や昇給の見込みなど、生涯年収も意識した選び方をすると良いでしょう。