就職活動中や転職活動中に、魅力的な研修制度がある企業に入りたいと考える人は多く、研修制度は企業選びの軸の一つといっても過言ではないかもしれません。
魅力的な研修制度がきっかけとなり企業に応募した場合、志望動機として研修制度を記載しても良いのでしょうか?
今回の記事では、志望動機で研修制度を記載した際の採用担当者の視点、内定を得るための志望動機記載ポイントや例文を紹介していきます。
目次
志望動機で研修制度を挙げても良い?
研修制度は、応募者にとって魅力的なポイントです。
しかし、研修制度が整っていることをメインの志望動機として採用担当者に伝えてしまうことで、以下のような印象を与えてしまう可能性があることを認識しておく必要があるでしょう。
会社への貢献度が低いととらえられる可能性も
採用担当者は、応募者のスキルや経験から自社で活躍できるかという視点で採用の判断しています。
一方で、研修制度を志望動機として伝えることで、これから必要なスキルを会社の制度を利用して教えてもらうイメージが強くなってしまいます。
そのため、現時点で会社で活躍できるスキルがないまたは低いと判断されてしまい、会社への貢献度が低いととらえられてしまう可能性があるでしょう。
待遇面ばかりを気にしていると思われることも
研修制度は従業員が成長できるために会社が用意した制度です。
研修制度を主な志望動機にしてしまうことで、採用担当者に「待遇面ばかりを気にしているのでは?」「他により良い研修制度を整えている会社があればそちらに行ってしまうのでは?」と思われる恐れもあります。
その結果、採用担当者が応募者の志望意欲の強さを感じることができない可能性があります。
受け身の印象を与えかねない
会社は学校とは違い、自分の労働力を売ってその対価として給料をもらう場所です。
そのため、会社としては仕事に必要な知識を積極的に学んで還元できる人材を欲しており、会社に学ばせてもらおうという姿勢は必要とされていません。
会社の研修制度を志望動機とすることで、意図せずに「会社の研修制度のとおり学んでいけば良い」などの受け身の姿勢を採用担当者に与えかねません。
新しいことを学んでどんどん成長してもらいたいと考えている会社では、そのような姿勢を感じさせてしまうことで内定の獲得が難しくなってしまいます。
志望動機で研修制度を挙げる方法
先述したように、志望動機で研修制度を挙げてしまうとマイナスのイメージにつながってしまう可能性があります。
では、研修制度を志望動機のなかで記載したい場合はどのようにすれば良いのでしょうか?
気をつけたいポイントを紹介していきます。
研修制度をメインの志望動機にしない
前提として研修制度を主な志望動機にしないようにしましょう。
研修制度を主な志望動機にしてしまうと、マイナスのイメージがついてしまう可能性が高くなります。
そのため、どうしても研修制度のことを記載したい場合は、研修制度を補足として付け加える程度に留めることをおすすめします。
企業は教育を行う機関ではないことから、研修制度を主な志望理由にしても採用担当者は一緒に働くイメージが付きにくいことを意識しておきましょう。
主体性を伝え成長した姿をイメージさせる
研修制度を志望動機として記載するだけでは受け身の印象を与えてしまうため、あわせて、主体的に仕事を行う・学ぶ姿勢も一緒に伝えましょう。
また、自分自身の5年後・10年後の具体的なキャリアプランを伝えて、採用担当者に成長した姿をイメージさせることもおすすめです。
採用担当者は受け身で研修を受けるのではなく、目的を持って主体的に学んでいく応募者の熱意を感じることができるはずです。
会社への貢献度をアピールする
志望動機で会社への貢献度をアピールすることもおすすめです。
採用担当者は応募者が自社に入職したあとに活躍する姿をイメージでき、会社にとって必要な人物であると感じてもらえる可能性が高くなります。
同職種へ転職の方は前職での経験をアピールしましょう。
また、未経験や新卒の方は会社に貢献できるスキルを持ち合わせていないと感じるかもしれませんが、これらの方には戦力となってくれるポテンシャルを期待している場合が多いです。
直接業務に関係するスキルや知識はなくても、コミュニケーションスキルや問題解決能力など今までの人生経験のなかで培ってきた自分自身の強みをアピールしましょう。
【新卒・転職用例文】研修制度を記載した志望動機
志望動機に研修制度を記載した例文を、新卒用・転職用に分けて紹介します。
ご自身の志望動機を記載する際の参考にしてみてください。
また、こちらの記事でも志望動機の例文を多く紹介していますので、一緒に確認してみましょう。
【新卒:志望動機例文】研修制度とともに主体性も記載する
日用雑貨は普段何気なく手にとるものですが、使う回数が多い分お客様の人生と密接な関係にあると考えています。
「使うたびに幸せな気持ちになる」「前に使っていたものよりも便利」など日常を変えられるような商品の使い方を提案することができれば、その小さな積み重ねでお客様の生活文化までも変えてしまう可能性を秘めていると思います。
店舗内のディスプレイを工夫することで、伝えるべきお客様へ商品のメッセージがきちんと伝わるようなビジュアルマーチャンダイジングに携わりたいと考えています。
そのために、貴社に入社した際には必要なマーケティングの知識を増やしながら、貴社の研修制度にも積極的に参加し、根拠に基づいたアイデアを提供できる人材になれるよう精進していく所存です。
【転職:志望動機例文】研修制度とともに現在のスキルも記載する
私は現在、病院で働いておりますが、多くの患者さんは入院期間が短く退院後のサポートができないことから、退院していく患者さんが自宅で過ごしている間も継続して看護していきたい思いが強くなりました。
私自身の強みとして、患者さんの採血データや表情などのさまざまな情報から根拠を持った看護の提供を行うことを心がけ、実践しております。
透析経験はございませんが、研修制度を利用させていただくと同時に、現場での患者さんとの関わりや他看護師が行う看護なども含めて透析に必要な知識をいち早く吸収し、それらの知識を活用して患者さんに還元していきたいと考えております。
志望動機となる研修制度の種類
志望動機のなかで研修制度を記載すると、面接で採用担当者から「どの研修制度が気になっているのか?」「どのような研修を受けたいのか?」などと研修制度について深掘りされる質問が来る可能性があります。
そのため、研修制度について可能な限り情報収集しておきましょう。
研修制度を知る方法としては、以下のようなことが挙げられます。
- 企業のホームページを確認する
- OB・OG訪問を行う
- 転職サイトや転職エージェントに相談する
- カジュアル面談などに参加する
- 面接前に自分で企業に確認する
新卒の方、転職の方によって情報収集の方法は異なるので、自分に合った方法で情報収集しましょう。
また、企業で実施されている主な研修制度は以下のようなものがあります。
- 新卒・中途採用者向け研修制度:
ビジネスマナー研修、コンプライアンス研修、OJT研修、e-ラーニング、メンター制度 - 中堅用研修制度:
キャリア研修、マネジメント研修、OJTトレーナー研修 - 管理職用研修制度:
リーダーシップ研修、マネジメント研修、コーチング研修
志望動機には研修制度だけでなく他の要素も記載しよう
志望動機に研修制度を記載するだけでは、採用担当者が応募者に対してマイナスのイメージを抱いてしまう可能性があります。
そのため、研修制度以外でその会社を志望した理由や自身の強み、仕事に対する積極性なども一緒に記載することで、採用担当者が一緒に働く姿をイメージしやすくなるでしょう。
今回のポイントを踏まえて、採用担当者が納得する志望動機を記載して就職活動、転職活動をよりスムーズに進められるようにしましょう。