退職が決まってから「職場での居心地が悪くなった」と悩む方は少なくないでしょう。
どのような理由であれ自分にとって退職は勇気を出した決断であり、気持ち良く会社を去りたいものです。
では、退職日までの気まずさを乗り越えるには、どのように過ごしたら良いのでしょうか。
本記事は、退職までの期間が気まずい理由と乗り越えるコツを紹介します。
すでに退職届を出していて現状に悩んでいる方も、これから退職を考えている方も、問題解決のヒントとしてみてください。
目次
退職までの期間が気まずい理由
退職までの期間が気まずい理由として、以下のような内容が考えられます。
- 周囲の態度が冷たくなる
- 仕事を振られにくくなる
- 周囲への罪悪感がある
- 退職までの期間が長い
- 仕事のモチベーションが低下する
自身の悩みに近いものがあるか、以下で詳しく見てみましょう。
周囲の態度が冷たくなる
退職する職場で気まずさを感じる原因の一つに、周囲の態度の変化が挙げられます。
退職は本来ネガティブなものではありませんが、人によっては「会社を裏切った」「逃げている」と評価するかもしれません。
また、上司や先輩から「指導に対して恩をあだで返した」と思われる可能性もあります。
もちろん、すべての人間があなたにマイナスの印象を持っているわけではありません。
周囲もどう接して良いのか迷っているだけかもしれないため、悲観的になりすぎないようにしましょう。
仕事を振られにくくなる
新しい仕事を任されない、重要な仕事から外されるなど、退職にともない仕事が振られにくくなることが予想されます。
代わりに仕事を負担する人の忙しそうな様子を見て、申し訳なく思うこともあるでしょう。
とはいえ、退職にあたって仕事量が減るのは仕方のないことです。
退職日に向けて仕事が円滑に回るように、資料の作成など引き継ぎ業務に 注力しましょう。
他にも代われる業務があれば積極的に引き受けて、同僚の補助に回るといったサポートに徹することが大切です。
最後までやる気があると認識されれば、気まずさの緩和も期待できます。
周囲への罪悪感がある
気まずい理由の一つに、自分自身が周囲への罪悪感や退職に対する申し訳なさを感じていることが挙げられます。
特にお世話になった上司がいる場合や、忙しい時期の退職などは罪悪感が湧きやすいでしょう。
これは本人の感じ方の問題でもあります。
退職に対してネガティブなイメージを持っていると、周囲が何も気にしていなくても、気まずいと感じてしまうものです。
マイナスにとらえず「より良い将来のための選択」「新しい門出」など、退職をプラスなものとして考えてみてください。 そのようにプラスに捉えるためには、退職までの期間で自分ができることに精一杯取り組むことが重要です。
これまで教わった内容を落とし込み、引継ぎにも注力することでプラスの気持ちに好転できるでしょう。
退職までの期間が長い
仕事を辞めるまでの期間が長い場合も、気まずく辛い思いをしやすくなるでしょう。
法律上、期間を定めていない雇用に関しての退職の意思表示は、14日前までにすれば良いことになっています。
しかし、多くの会社が独自の規則を設けており、退職届の提出は1〜3ヵ月前まで と定めているケースも珍しくありません。
退職届を提出してから3ヵ月以上働く必要があるとなれば、退職の噂も広まり、徐々に気まずくなる恐れもあります。
居心地が悪くなった職場で過ごす期間はストレスも大きいため、退職日やその周知、引継ぎ期間 についてはあらかじめ上司と入念に相談しておくことが大切です。
仕事のモチベーションが低下する
これまで高いモチベーションで取り組めていた仕事でも、退職が決まれば周囲との熱量にギャップが生まれることもあります。
仕事に対して手を抜いたり、モチベーションの低下からミスが増えたりして、周囲の目が冷たくなることも考えられるでしょう。
こうした態度は、周囲との関係を悪くするきっかけになりかねません。
退職が決まってからも、最後まで真面目にやり抜く姿勢が重要になります。
退職までの気まずい期間を乗り越えるコツ
退職までの気まずい期間は、どのように乗り越えれば良いのでしょうか。
気まずさを感じている原因に合わせて、以下6つの方法を検討してみてください。
- 適切な時期に退職を伝える
- 最後まで仕事をやり切る
- 退職することを軽々しく口外しない
- どうせ辞めると割り切る
- 有給を使い切る
- お世話になった人へ挨拶しておく
それぞれ詳しく見ていきましょう。
適切な時期に退職を伝える
退職の意向を伝える時期が早いと、引き継ぎなどに十分な時間を取れる一方で、辞めるまでの気まずい期間が長くなるのがデメリットです。
多くの場合、会社によって就業規則に退職時期の規定が設けられています。
会社のルールを確認のうえで、適切な時期に退職の意向を伝えましょう。
上述で触れたとおり、民法上は雇用期間を定めない契約なら2週間前までに退職の意向を伝えれば良いことになっています。
雇用期間を設けている場合は、退職の申し入れ時期が異なるので注意しましょう。
退職の申し入れ時期については、こちらの記事もご参照ください。
最後まで仕事をやり切る
退職を理由に仕事の手を抜くと、周囲の評価が下がり関係性が悪化する可能性があります。
環境や業務内容によりますが、退職者が出ればそのぶんの仕事は新たに人員を配置したり、ほかの従業員で負担したりするケースが一般的です。
申し訳なく感じる必要はないものの、感謝の気持ちは忘れないようにしましょう。
そのうえで、引き継ぎを含め退職日までに関われる仕事には全力を尽くす必要があります。
わだかまりを残さず気持ち良く退職するためにも、仕事は最後までやり切りましょう。
退職することを軽々しく口外しない
退職を最初に伝えるべき人物は、直属の上司です。
上司とのあいだにトラブルがある場合は例外ですが、直属の上司を飛び越えて人事部や役員などに退職を打診すると、上司との関係が悪化する可能性があります。
また、上司の了解を得たからと同僚や部下などに言い回るのも避けたほうが賢明です。
退職は会社にとっても大きな出来事であり、正式な発表は会社のタイミングで行います。
退職の口外は、周囲のモチベーション低下や噂話によるトラブルを招き、自分自身にもメリットは期待できません。
お世話になった人への挨拶なども、会社の発表があるまでは待ちましょう。
どうせ辞めると割り切る
どうせ辞めるからと割り切って考えるのも一つの手です。
退職までの期間が辛い原因には、周囲の視線が気になるということも挙げられます。
最終手段として「 職場の人に嫌われても辞めたあとは関わらない」と考え方を切り替えると、気持ちも楽になるかもしれません。
退職日までは必要な業務と引き継ぎのみに注力し、定時で帰ってしまっても良いでしょう。
有給を使い切る
出勤することで気まずい思いをするなら、有給を使うという手段もあります。
有給は労働者に与えられた権利 であり、利用時期や目的は制限されていません 。
なお有給の付与には「雇用から6ヵ月勤務」「全労働日の8割以上出勤」などの条件があります。
事前に有給取得可能日数や退職日までの日数を確認して、引き継ぎに支障がない期間で申請しましょう。
お世話になった人へ挨拶しておく
円満退職をめざすためにも、上司や先輩などお世話になった人にはしっかり挨拶しておきましょう。
感謝を言葉にして伝えるだけでも印象が良く、気まずさが解消される可能性があります。
挨拶を始めるタイミングは、おおよそ2〜3週間前が妥当です。
スケジュールを立てながら周囲へ丁寧に感謝を伝えて、気持ち良く送り出してもらえるようにしましょう。
退職までの気まずい期間も過ごし方のコツを知って上手に乗り切ろう
退職までの気まずい期間は、周囲への罪悪感や仕事のモチベーション低下など、本人の考えすぎや振る舞いが原因となっているケースも少なくありません。
周囲の態度や環境を変えるのは難しくても、自分の考え方はすぐに変えられます。
最後まで真摯に業務へ取り組んだり、周囲に感謝の気持ちを伝えたりすることで、円満退社をめざせるでしょう。
あからさまに周囲から冷たい態度を取られている場合、割り切ってしまうのも一案です。
本記事で紹介した方法を実践しながら、退職までの期間を乗り切ってみてください。