「転職理由を聞かれて、うまく答えられるか不安」
「転職を成功させるために、理由で好印象を与えたい」
このような悩みを持っている方はいませんか?
本記事では、転職理由を聞かれたときに回答するコツを例文を含めて紹介します。
また転職理由が思いつかないときの対策も解説します。
転職を成功させるために、記事の内容を参考にして面接で好印象を与えましょう。
目次
転職理由を聞かれる理由
転職の面接では、ほとんどの場合で転職理由を聞かれます。
転職理由から、企業にとって大切な内容を判断できるためです。
転職理由を尋ねることで、多くの場合、企業は以下の2点をチェックします。
- 職場に定着できるかどうか
- 就職後に活躍できるかどうか
それぞれ具体的にどのような部分をチェックしているのか、詳しく解説します。
職場に定着できるか判断するため
転職理由を聞かれる理由の一つが、応募者が職場に定着できる人材か判断するためです。
企業側は、せっかく採用したのにすぐ辞められるようなケースは避けたいと考えています。
たとえば、残業がどうしても発生する職場での募集では、退職理由で前職の残業が嫌だったと言われると、同じ理由で退職するのではないかと採用を見送るでしょう。
できるだけ長く働いてもらいたいと企業や面接官が考えている点を踏まえて、転職理由を答えられるようにしましょう。
就職後に活躍できるか判断するため
転職理由を聞かれる2つ目の理由は、就職後に活躍できる人材か判断するためです。
転職理由から自社との相性を見極め、必要な人材かどうか確認したいと考えています。
たとえば、専門性を要する職種での採用において、専門的な知識や技術を持つことが伺える応募者の転職理由が「より専門性の高い仕事がしたい」であった場合、転職理由と自社の相性がマッチしているため採用の確率が上がります。
転職理由を不満ばかり述べるのではなく、不満な部分を改善するために努力したり、より高い視点で目標を定めたりといった前向きな理由を答えられるようにしましょう。
転職理由で好印象を与えるポイント4つ
転職理由はどう工夫してもネガティブな印象を与えるのではないかと、不安になるかもしれません。
しかし、次の4つのポイントを抑えれば転職理由を述べながらも好印象を与えることは可能です。
- 嘘をつかない
- 志望動機と一貫性をもたせる
- ネガティブな発言を控えて前向きな言葉に言い換える
- 意欲や熱意を伝える
具体的なコツを解説しますので、面接でしっかり反映できるように練習のときから意識しましょう。
嘘をつかない
少しでも面接官に良い印象を与えるために、嘘の理由を作りたくなる気持ちはわかります。
しかし、嘘の理由を言ってもマイナスにしかなりません。
嘘がバレたときにマイナス評価になるのはもちろん、本音を隠して採用されても、同じ理由での退職につながるかもしれません。
とはいえ、率直に転職理由を答えれば良いわけではなく、大切なのはしっかり転職理由を分析・深堀りし、伝え方を工夫することです。
たとえば、残業に不満を持って退職したとして、「残業したくなかった」と率直に言うのはマイナスな印象を与えかねません。
しかし、「できるだけ仕事を効率的にすませて、社内業務全体の効率化や残業代の削減に貢献したかった」という理由であれば、率直に答えた場合より、良い印象を与えられます。
また、転職理由をシンプルにとらえすぎず、深掘りしていくことで、新しい職場で本当にやりたい仕事に結びつく可能性もあります。
嘘をつくのではなく、転職理由をしっかりと考え、前向きに言い換えられるように工夫しましょう。
志望動機と一貫性をもたせる
転職理由と志望動機に一貫性がないと、面接官は「適当に自社を選んだのではないか」と疑問を持ってしまいます。
たとえば、給与面を転職理由にあげているのに、休日の取りやすさを志望動機にあげてしまっては、面接官が混乱してしまうのが想像できるでしょう。
転職理由と志望動機に一貫性をもたせ、転職する意欲の高さをアピールすることが大切です。
転職理由が「営業の仕事が単調で不満だった」場合には、「転職後は将来を考えて、よりスキルや経験を必要とする営業の仕事に就きたいと考えた」と志望動機と方向性を一致させましょう。
このように転職理由だけを考えるのではなく、志望動機などと一緒に考えると説得力のある回答ができます。
ネガティブな発言を控えて前向きな言葉に言い換える
転職理由が前の会社への不満である場合、どうしてもネガティブな表現になりがちです。
しかし、不満や愚痴ばかり話をしても、面接官への印象は悪くなってしまいます。
また、同じ理由で自社も辞めてしまうのではないかと採用に積極的になれなくなってしまうこともあるでしょう。
そのため、ネガティブな理由であっても、できるだけ前向きな言葉に言い換えるような努力をしましょう。
以下に言い換えの例を紹介します。
ネガティブな理由 | ポジティブな印象を与える変換例 |
給与が低くて不満だった | 努力や成果が給与に反映される仕事がしてみたかった |
仕事が退屈だった | もっと専門的な仕事で経験を積みたかった |
人間関係が嫌だった | 風通しの良い職場で、チームで最大限の力を発揮しながら働きたい |
このように、「やりたい仕事」、「将来のプラン」、「得たい経験やスキル」などに結びつけて前向きな表現を取り入れ、転職に意欲的な印象を与えるようにしましょう。
意欲や熱意を伝える
転職理由を答える際には、前向きに明るく回答することで意欲や熱意を伝えましょう。
転職理由は面接でも答えにくい回答の一つです。
だからといって暗い表情で不満げに語っては、面接官に良い印象は与えられません。
転職理由を面接官から追求されて不安になっても、それでも転職後に最大限貢献したいという思いを伝えるよう、意識することを忘れないようにしましょう。
そのためには企業研究をして、しっかりと志望動機を考える必要があります。
企業研究の結果、前述のように転職理由と一貫性をもたせて、企業に貢献したい熱意を込めた志望理由を答えられれば、入社意欲をしっかりアピールできるでしょう。
転職理由の良い回答例
よくある転職理由には以下のようなものが挙げられます。
- 人間関係が不満
- キャリアアップがしたい
- 給与が不満
- キャリアチェンジがしたい
- ワークライフバランスを保ちたい
それぞれの理由に対して、前述のポイントを踏まえて、面接官に好印象を与える回答例を紹介します。
人間関係が理由の場合
人間関係が理由で退職した場合、ダイレクトに理由を伝えると、コミュニケーション不足なのではないかととらえられかねません。
そうならないためには、良好な人間関係を求めている点をポジティブに述べて、チームワークを重んじながら企業に貢献できることをアピールしましょう。
以下に例を示します。
前職では個人での結果重視の社風のなかで、私が求めるチームで協力し合いながらより良い結果を出す働き方ができなかったのが転職理由です。
新しい職場では、チーム一丸となってお客様にサービスを提供したいと思っています。
御社の社風である、協調性を持ちチームワークを大切にする社風を魅力に思い応募させていただきました。
上司とうまくいかなかったなどと不満だけを述べるのではなく、次の職場でどのように改善して働きたいか理由を明確に答えるようにしましょう。
キャリアアップが理由の場合
キャリアアップが理由の場合は、ただ自分のスキルアップがしたいと述べるだけではいけません。
キャリアアップして自分がどうなりたいのか、何をして企業に貢献できるかを明確に答えましょう。
私は前職でエンジニアとして新しいアプリの開発に関わってきました。
これからはAIを積極的に採用したアプリが求められると感じています。
しかし、前職ではAIを生かす仕事がなく転職を決めました。
御社はこれからAIを活用した事業に参画する予定と伺っております。
AIを使用したアプリの開発に取り組み、御社に貢献したいと思っております。
以上のように、スキルアップをめざす自分を採用するメリットを、積極的に述べるようにしましょう。
経済的な理由の場合
経済的な転職理由を伝える場合、「給与面ばかり気にしている」と思われないようにする点が重要です。
昨年家庭を持ち、より家族を安心させ、充実した仕事がしたいと思い転職を決意しました。
前職では営業成績が良くても、年功序列により給与が反映されるため、結果を出しても給与はほとんど上がりませんでした。
御社では成績に応じたインセンティブや昇進制度があると伺っております。
しっかり結果を出して会社に貢献したいと思っております。
営業成績が反映されない、年功序列でしか昇給しないといった転職理由は、説得力があり良い内容です。
より高い給与が必要な理由を明確に述べたうえで、意欲的に仕事をして結果を出したいと前向きに回答しましょう。
キャリアチェンジが理由の場合
キャリアチェンジが理由の場合は、転職理由と志望動機に一貫性をもたせる必要があります。
また、これまでの経験をどのように活かせるかを盛り込みましょう。
私は介護請求システムの営業をしておりました。
直接、お客様のニーズを聞いて必要な商品を提案する点には非常にやりがいを感じていましたが、お客様の課題やニーズに十分応えられない環境でした。
今後は多くのお客様から教えていただいた課題やニーズをもとに、必要とされる商品を開発したいと思い転職を決めました。
多様なニーズに対応するため柔軟性のあるシステム開発をされている御社で、営業経験を活かして、お客様の声に応えたいと思い、このたび応募いたしました。
ただ挑戦したいと訴えるのではなく、きちんと応募企業に貢献できる内容を伝えましょう。
ワークライフバランスが理由の場合
ただ単に「労働時間が長い」、「残業が多い」と伝えると不満ばかりになってしまい、印象が悪くなります。
前職の労働環境について具体的に説明して、環境を変えて前向きに働きたいと意欲を示しましょう。
前職では月に70時間の残業や休日出勤が常態化しており、資格取得やスキルアップの勉強をする時間を含め、プライベートとの両立ができないと感じ転職を決意しました。
今後は上位の資格を取得して、スキルアップに努めたいと考えています。
御社は効率性向上を推進しており、資格取得のために必要な休日制度も設けておられます。
ワークライフバランスを重視している御社で時間を有効活用し、スキルアップをして貢献したいと思い応募いたしました。
残業が多いなどの曖昧な情報ではなく、転職を考えてもしょうがないと思える情報があれば、具体的に伝えてもマイナスにはなりません。
しっかり会社に貢献できる点も伝えて、前向きな転職であると印象づけるようにしましょう。
転職理由が思いつかない場合の対策
転職理由を思いつかない場合に、曖昧な内容で答えてしまっては面接官に悪い印象を与えてしまいます。
退職を考え始めたきっかけを思い起こし、志望動機と一貫性をもたせて本音を伝える点に注意して、回答を考えましょう。
まずは、前職を退職した理由を、ささいな内容で良いので書き出しましょう。
そして転職理由として挙げられそうなものを見つければ良いのです。
前項で紹介した好印象を与える4つのポイントをおさえて、退職理由を前向きで説得力のある転職理由へとつなげましょう。
また、うまく転職理由が思いつかずに本音を言ってしまっても、採用されないわけではありません。
整合性のない理由を付け焼き刃に伝えるより、志望動機と一貫性をもたせて説得力を上げるように意識して回答するほうが、面接官にも好印象となるでしょう。
面接の転職理由で良い回答をして希望の職場で働こう
転職理由はネガティブになりやすく、思うように回答が考えられないかもしれません。
しかし、転職理由は面接官が何を知りたいかを理解して、好印象を与えるポイントを意識すれば説得力のある回答ができます。
今回紹介した例文では、よくある転職理由を挙げています。
ぜひ参考にして、面接を成功させて希望の職場で働きましょう。