転職を考える際、自身の学歴に不安を抱く方もいるかもしれません。
新卒採用ではポテンシャル採用が主となるため、学歴も大きな選考材料といえます。
しかし、ある程度社会経験を積んだ中途採用において、学歴はそこまで重視されないでしょう。
本記事では、転職に学歴が関係ないといわれる理由を解説します。
学歴に自信がない方が転職を成功させるポイントも解説しているので、最後までチェックしてみてください。
履歴書への学歴の書き方については、こちらの記事で詳しく紹介しています。
目次
転職に学歴は関係ないといわれる理由
新卒採用では、学歴で応募者をふるい落とす「学歴フィルター」があるともいわれますが、転職において学歴はそれほど重視されないのが一般的です。
その理由を詳しく説明します。
転職では学歴よりも重視される要素が多数ある
厚生労働省が発表した「平成30年若年者雇用実態調査の概況」によると、企業が転職者の選考にあたって重視した項目は次のとおりです。
- 職業意識・勤労意欲・チャレンジ精神:76.0%
- コミュニケーション能力:62.9%
- マナー・社会常識:60.1%
- 組織への適応性:47.8%
- 業務に役立つ職業経験、訓練経験:40.6%
- 学歴・経歴:23.1%
また「令和2年転職者実態調査の概況」によると、転職者の処遇を決める際に考慮した要素は「これまでの経験・能力・知識」が74.7%と高い割合である一方、「学歴」は11.0%と低い結果でした。
転職時に学歴が選考に影響する可能性はありますが、学歴よりも積極的に他者と関わりながら、円滑に業務を遂行できる能力やスキルが求められるといえます。
新卒採用と転職では採用基準が異なる
新卒採用と中途採用では、採用基準が異なることも理由の一つです。
新卒採用で雇い入れる人材は社会経験がないため、入社後のポテンシャルを推測する材料として学歴が重視されることがあります。
また、新卒採用では多数の就活生を選考する必要があり、学歴によって志望者をフィルタリングするケースも少なくありません。
一方、社会人経験をある程度積んだ中途採用では、どのような実績を積みスキルを身につけたのか、高い就労意欲があるかなどをチェックして入社後の活躍を見極めます。
新卒採用に比べて応募者一人あたりにかけられる時間も多いため、学歴によるフィルタリングを行わない会社もあるでしょう。
ただし、社会人経験の少ない第二新卒は実績が十分ではないことも多いため、学歴を含めたポテンシャル採用になりやすい点に注意が必要です。
転職で学歴が求められる業種・職種
転職では学歴よりも経験やスキルが求められる傾向にありますが、業種や職種によっては学歴が重視される場合もあります。
学歴を重視する可能性がある業種・職種は次のとおりです。
- 総合商社
- 金融
- 保険
- 教育
- コンサルティングファーム
- 通信インフラ など
これらは業務を遂行するうえで論理的思考力や問題解決能力が求められるため、中途採用であっても地頭の良さを判断するべく、ある程度は学歴を見る傾向にあります。
学歴に自信がない人が転職を成功させるポイント
学歴に自信がない人が転職を成功させるためには、次の5つのポイントを意識しましょう。
- 学歴不問の求人に応募する
- ベンチャー企業を受ける
- 今の会社で経験を積む
- 資格を取得する
- 転職エージェントを利用する
それぞれ詳しく解説します。
学歴不問の求人に応募する
中途採用の求人のなかには、学歴不問のものもあります。
そうした求人ではスキルや知識、ポテンシャルを重視するため、学歴に自信がない人でも採用される場合があるでしょう。
学歴を問わずチャレンジしやすい業種や職種の例は、次のとおりです。
- 営業職
- 接客業
- サービス業
- ITエンジニア など
未経験歓迎の求人も多く、活かせる経験やスキルを持っている人は即戦力として活躍できるかもしれません。
ベンチャー企業を受ける
ベンチャー企業は実力主義で、応募要件に学歴を必要としていない場合があります。
その代わりに、ベンチャー企業で活躍するには高い行動力が必要です。
よって学歴に自信がなくとも、フレッシュさや素直さ、フットワークの軽さなどが高く評価される可能性があるでしょう。
また、高卒であれば同じ年齢の大卒の転職者よりも社会経験が長いため、経験の長さをアピール可能です。
会社と一緒に成長できる機会を得られるのがベンチャー企業の魅力であり、仕事へのやりがいを求める人には魅力的な選択肢といえます。
今の会社で経験を積む
転職ではスキルや実績が評価される傾向にあるため、現在の仕事で結果を出すまで転職を待つのも一つの手段です。
なるべく多くの経験を積み、アピールできるスキルを磨いて実績を作れば、転職の際に有利に働く可能性があります。
実績があれば、同業種や同職種への転職で評価されやすいでしょう。
また、異業種や異なる職種への転職の際にも、高いスキルをアピールすることで即戦力と見なされて、採用につながるかもしれません。
もし採用の決め手とならなくても、実績を出すまでの過程をうまく自己PRできた場合、少なからず面接担当者に好印象を与えられます。
資格を取得する
転職先で役立つ資格を取得するのも、学歴をカバーする効果が期待できます。
志望する業種や職種によっては、資格取得で知識や専門性を持っていることを示せるため、選考が有利になる可能性があるでしょう。
例えば不動産業界であれば宅地建物取引士、経理であれば日商簿記検定などが挙げられます。
それと同時に、目標達成まで努力できる人柄もアピールすることが可能です。
ただし、資格を持っているからといって選考通過が確実になるわけではありません。
転職ではあくまで経験やスキル、就労意欲などが総合的に判断されるため、「資格を持っていると選考に通りやすくなるかもしれない」くらいの心構えでいるのがベターです。
転職エージェントを利用する
学歴不問の求人は多くありますが、企業選びを誤ってしまうと将来キャリアアップが見込めなくなるかもしれません。
企業選びに不安がある方は、転職活動のプロである転職エージェントに相談するのがおすすめです。
転職エージェントでは、担当のキャリアアドバイザーがスキル・経験を身につけられる企業や、理想のキャリアを叶えられそうな求人を紹介してくれます。
応募に際して、学歴に自信がない場合どのようにアピールするのが効果的かもアドバイスしてもらえるため、面接対策をしっかりと行えるでしょう。
転職では学歴よりも経験やスキルが重視される
新卒採用とは異なり、転職においては学歴よりも経験やスキルが重視されます。
職種・業種によっては学歴も大切な選考要素ですが、営業職や接客業、サービス業などは学歴を問わない求人も少なくありません。
まずは自分のキャリアや実績を整理して、採用後活躍できる人材として評価してもらえるよう、企業へ的確にアピールすることを意識しましょう。
異業種に転職する場合でも、実績を得るまでの過程をしっかりと説明できれば、面接官に好印象を与えられる可能性が高まります。
必要に合わせて転職エージェントの協力も仰ぎながら、気になる企業に積極的に応募してみてください。