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志望動機と自己PRはどう違う?書き方や例文、注意点も紹介

求職活動をするにあたって多くの場合、志望動機と自己PRを作成することになります。
いずれも、企業側に自分の入社意欲を伝える重要な書類ですが、両者の書き分けに迷う方もいるかもしれません。

志望動機と自己PR、それぞれでアピールすべき内容は異なります。
履歴書だけでなく面接でも聞かれる可能性があるため、自分の気持ちを適切に言語化できるようにしておきましょう。

本記事では、志望動機と自己PRの違いや書き方、注意点を解説します。
併せて例文も紹介しているため、書く内容に困っている方は参考にしてみてください。

志望動機と自己PRの違い

志望動機と自己PRの違い

志望動機と自己PRは、明確に異なります。
志望動機は「その企業で働きたい理由」を、自己PRは「自分を採用することで得られる企業側のメリット」を説明するものです。
それぞれの役割を詳しく見てみましょう。

志望動機は「なぜその企業で働きたいか」を記載する

志望動機では、その企業で働きたい理由や入社後に実現したいことをアピールします。
企業が志望動機を求めるのは、応募者の志望度の高さや企業理解の度合いをチェックするためです。
企業への理解やマッチ度の高さから、入社後の意欲や働く姿勢、成長具合を見極めます。

志望動機の説得力を高めるには、事前に企業研究や業界研究をしたうえで、その企業でなければいけない理由を、自分なりに説明しなければなりません。
企業のビジョンや理念に共感していることを伝えられれば、「自社で一緒に働きたい」「困難な業務にも粘り強く向き合ってくれそう」と期待してもらえるでしょう。

自己PRは「自分を採用した際の企業側のメリット」を伝える

自己PRでは、企業に対して自分を採用することのメリットを伝えます。
志望動機だけでは、実際に入社後活躍できる人材かどうか企業側は判断できません。
そこで、自己PRを通じて自分の実績やスキル、過去のエピソードをもとに、自分を採用するとどのようなメリットがあるかをプレゼンする必要があります。

採用活動は、企業にとって時間も費用もかかるものです。
これらのコストをかけてでも採用したくなるような、強みをアピールしましょう。

志望動機と同じように、自己PRを考える際も企業研究や業界研究が欠かせません。
企業が求める人物像を把握し、それにマッチする経験やスキルを中心に記載することがポイントです。

志望動機と自己PRの書き方

志望動機と自己PRの書き方

志望動機と自己PRは、異なる役割を持つものであると解説しました。
また、それぞれ考える際に押さえておきたいポイントも違ってきます。
説得力を高めるためにも、以下のコツを理解したうえで書きましょう。

志望動機を考える際のポイント3つ

志望動機を考える際は「業界→企業→入社後の目標」のように、大きなテーマから徐々に絞って考えていくと、伝わりやすい内容にまとまります。

1. なぜその業界なのか

まずは、なぜその業界を志望するのかを深掘りしましょう。
掘り下げ方の例は、次のとおりです。

  • 類似する業界との違いは何か
  • その業界でしか実現できないことは何か
  • その業界を志望するに至った経緯

例えば、未経験から介護業界で働きたい場合、人と接する仕事がしたいだけなら、飲食業や小売業でも良いと思われるかもしれません。
しかし「介護が必要になった祖父の姿を見て介護士をめざした」という経緯まで触れると、その業界に絞り込んだ理由が明確になり、印象深い志望動機になります。
他の似た業界ではなく、その業界でなければいけない理由を、業界の立ち位置や役割、自らの経験から掘り下げましょう。

2. なぜその企業なのか

その業界にこだわる理由を明確にしたら、次はなぜその企業で働きたいかを考えます。
具体的には、次の3点を掘り下げてみましょう。

  • 競合他社との違いは何か
  • 企業独自の取り組み
  • 説明会や施設見学で受けた印象

例えば、「施設見学の際、職員同士や利用者さんとのコミュニケーションを積極的に行っていて明るい雰囲気を感じたから」など、その企業ならではの独自性ある内容を意識すると好印象につながります。
しっかり研究したうえで入社を希望している人材は、長く働いてくれる可能性が高く、企業にとって魅力的なためです。
自分の理想とする働き方と企業に共通する部分を洗い出し、志望動機に落とし込んでいきましょう。

3. 入社後の目標やビジョン

最後に、入社後に叶えたい目標やビジョンを明確にします。
以下のような項目を軸に、その企業だからこそ実現できることを、自分の言葉で伝えましょう。

  • その企業が扱う商品やサービス
  • 業績や業界シェア
  • 働き方
  • 企業風土
  • 経営理念

採用活動の目的は、採用した人材が社内で活躍してくれることです。
よって、入社後どのような仕事をしたいのか、できる限り具体的に説明する必要があります。

このとき、自分の強みや目標を設定した経緯に触れながらアピールすると良いでしょう。
ただの願望にならず、企業が採用したいと感じるようなスキルや成長への意欲をアピールできます。
就きたいポジションや関わりたい事業を挙げるほか、働くなかで磨きたいスキル・技術を述べるのもおすすめです。

自己PRを考える際のポイント3つ

自己PRは、自分を採用するメリットを企業に伝えることが目的です。
自分のアピールポイントを洗い出し、強みを支えるエピソードとセットにして、企業でどのように活躍できるかを順序立てて説明しましょう。

1. 自分のアピールポイント

自己PRは「自分の持つスキルや経験は貴社に役立つ」と企業にプレゼンすることであり、採用担当者を説得できるように、わかりやすく伝える必要があります。
説得力を高めるには、入社後の活躍をイメージしてもらえるよう、仕事に役立つスキルを具体的にアピールするのが効果的です。

自己PRできるスキルには、次のようなものがあります。

  • コミュニケーション能力
  • 継続力
  • 向上心
  • 責任感
  • リーダーシップ
  • 語学力

自分のアピールポイントが思いつかない場合は、ご家族や友人など周りの人に聞いてみたり、これまでの経験を振り返ったりしてみてください。
学業や前職に関わること以外に、サークル活動や習い事、趣味から強みが見つかることもあります。

2. アピールポイントを活かしたエピソード

アピールポイントを見つけたら、その強みをどのように手に入れたか具体的なエピソードをまとめましょう。
ただ「私には〇〇のスキルがあります」だけでは、説得力や具体性に欠けます。
応募者数が多い求人では、ライバルとアピールポイントが被ってしまう可能性も否定できません。

そのような場合、自分のアピールポイントをより印象的にするためにも、オリジナリティのあるエピソードをセットで伝える必要があります。
スキルを手に入れるためにどのような努力をしたのか、そのスキルを発揮して何を得られたのかなど、ストーリーを持たせて自己PRを展開してみてください。

3. アピールポイントをその企業でどう活かせるか

アピールポイントを述べる際は、応募先の企業での活かし方まで考えることが重要です。
どれだけ素晴らしい能力があっても、企業で活かせない内容なら意味がありません。
入社後のビジョンがあいまいなままでは、せっかくの自己PRも印象が薄くなってしまいます。
「貴社の〇〇事業で、自分の強みをこのように活かしたい」と具体的に伝えることで、入社後に即戦力となることをアピールできるでしょう。

志望動機と自己PRの例文

履歴書やESを想定した志望動機と自己PRの例文を紹介します。
構成や掘り下げ方に迷っている方は参考にしてみてください。

志望動機の例文

志望動機では、「なぜその業界なのか」「なぜその企業なのか」「入社後の目標やビジョン」の3点を意識して内容をまとめましょう。

例文
私が貴施設を志望する理由は、利用者の方々を第一に考える理念に共感したためです。

祖父が介護施設に入所したとき、介護士の方が祖父だけでなく私たちのことまで優しく気遣ってくれたことを覚えています。
そのような姿を見て、当時高校生だった私は、利用者の方だけでなくそのご家族までサポートできる介護士になりたいと考えるようになりました。

貴施設ではご家族へのフォロー体制までしっかりと構築されており、利用者の方が安心して過ごせる環境が大きな魅力だと感じています。
貴施設で自分が理想とする介護士像を実現したいと思い、志望いたしました。

志望動機の書き方やその他の例文は、こちらの記事で紹介しています。

自己PRの例文

自己PRでは、アピールポイントに絡む具体的なエピソードを添えられるとベストです。

例文
私の長所は、責任感を持って仕事に取り組めるところです。

前職では、ICUで5年間勤務していました。
気になる部分は些細なことでも放置せず解決するように心がけ、円滑に業務を進めるため他のスタッフとのコミュニケーションにも気を配っておりました。
また、業務に漏れがないようタスク管理に取り組み、その結果、看護師長からは「あなたなら安心して仕事を任せられる」とお言葉をいただいたこともあります。

急性期の総合病院であり地域の核を担う貴院でも、これまでの経験で身につけた責任感を活かし、日々の業務に尽力して参る所存です。

面接での自己PRのまとめ方やその他の具体例は、こちらの記事もご参照ください。

志望動機や自己PRを書くときの注意点

志望動機や自己PRを書くときの注意点

志望動機や自己PRを書くときには、以下の3点に注意が必要です。

  • 一貫性のある内容にする
  • 違いを理解して内容を書き分ける
  • 欄が同じ場合は志望動機から書く

それぞれ詳しく解説します。

一貫性のある内容にする

志望動機と自己PRで主張に揺らぎがないよう、一貫性を持たせましょう。
それぞれ書き方や盛り込むべき内容は異なりますが、自分がやりたいことと、できることの方向性にズレがあると信憑性が薄くなります。

例えば、志望動機では「IT業界の先駆的企業である貴社でSEとして働きたい」と伝えたのに、自己PRでコミュニケーション能力をアピールするのは最善ではないかもしれません。
この例の場合、SE経験やプログラミング知識などをアピールしたほうが、入社後の活躍を想像してもらいやすくなります。
自己PRで伝えた強みによって、志望動機にある目標やビジョンが達成できるという筋を通すようにしましょう。

違いを理解して内容を書き分ける

志望動機と自己PRは一貫性を持たせる必要があるものの、両者の内容が書き分けられていないと、入社意欲や理解力が低い人物だと思われる可能性があります。
プレゼン能力が強みの場合、自己PRで伝えるとともに、志望動機で「営業として自分のプレゼン能力を活かせると思い、貴社を志望した」と記載することも可能です。
主張に一貫性はありますが、内容の重複は「書くことがない」ともとらえられかねません。

また、深く考えずに志望動機と自己PRを作成した場合、面接で掘り下げられたときに答えに困ってしまう可能性もあります。
入社後の姿を具体的に想像したうえで、内容が矛盾しないように書き分けることが重要です。

欄が同じ場合は志望動機から書く

エントリーシートや履歴書のフォーマットによっては、志望動機と自己PRを書く欄が共通していて、どちらから書き始めるか迷うことがあります。
記入欄が一つしかない場合、まず志望動機から書きましょう。

志望動機を述べたうえで、その内容を実現できることを証明する自己PR文へつなげます。
この順で伝えるメリットは、自己PRが入社後のビジョンや目標を達成するための裏付けとなり、採用担当者に納得してもらいやすくなることです。

志望動機と自己PRの違いを理解して履歴書を作成しよう

志望動機と自己PRは、企業に自分をアピールできる貴重なチャンスです。
履歴書やESで求められるほか、面接でも深掘りされる可能性があり、自分のなかできちんと言語化しておく必要があります。

志望動機と自己PRを説得力のある内容にするには、両者の違いを明確にして内容をまとめておくことが大切です。
志望動機では「その企業で働きたい理由」を、自己PRでは「自分を採用した場合の企業側のメリット」を論理的に伝えましょう。
いずれも具体性と一貫性を意識して、採用担当者の印象に残る文章をめざしてください。

執筆者について

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