退職する方へ送るメッセージは、心を込めた言葉を送りたいものです。
しかし、退職する人との関係性や退職理由などを考慮すると、思いついた言葉が本当にふさわしいのか、不安を感じて筆が進まないケースもあるでしょう。
退職祝いのメッセージは、相手との関係性やメッセージの送り方をふまえて、ポイントを押さえた文章を考えることが大切です。
今回は、退職祝いのメッセージで感謝を伝える書き方のポイントを、文例付きで詳しく解説します。
目次
退職の一言メッセージの文例
退職する方へ向けたメッセージのなかでも、一言で気持ちを伝える場合は、感謝やお礼の言葉に重点を置くとまとめやすいです。
退職の一言メッセージの文例を、ケース別に解説します。
定年退職者の場合
定年退職される方への一言メッセージでは、最後まで勤めあげた姿への敬意や、今までお世話になった気持ちを入れてみましょう。
具体的な例文は以下のとおりです。
今後ますますのご健勝をお祈りいたします。
教えていただいたことを忘れず、精進いたします。
上司・先輩の場合
職場の上司や先輩が退職する場合、たとえ普段から仲が良かったとしても、けじめとして丁寧な文章で気持ちを伝えることが大切です。
上司や先輩は、あなたから見て目上の立場ですから、尊敬と感謝の気持ちを込めたメッセージにしましょう。
具体的な例文は以下のとおりです。
これから寂しくなりますが、〇〇さんの教えを守って頑張ります。
今までありがとうございました。
〇〇さんのおかげでここまでこれましたこと、心より感謝いたします。
これからのご活躍をお祈り申し上げます。
後輩の場合
退職する後輩へのメッセージは、上司や先輩に比べるとやわらかい表現でも大丈夫です。
しかし、退職は人生の節目の一つなので、普段の関係性を考慮しつつ、失礼のない文章にしましょう。
具体的な例文は以下のとおりです。
いつも頑張っている姿を見て、私も頑張ろうと励まされていました。
またいつか、一緒に仕事ができますよう、心よりお祈り申し上げます。
一緒にプロジェクトを頑張ったことは、私のなかで良い思い出です。
新しい職場でも、〇〇さんらしさを大切にして頑張ってください。
結婚・出産で退職する女性の場合
結婚や出産は、女性にとって大きなライフイベント。
おめでたい理由での退職ではありますが、不安を感じる一面もあることでしょう。
結婚や出産で退職する女性へのメッセージは、素直なお祝いの言葉や、今後の幸せを願う気持ちを伝えると喜ばれます。
具体的な例文は以下のとおりです。
〇〇さんが退職なさるのは寂しいですが、新たな門出を迎えられましたことは喜ばしい限りです。
今後の〇〇さんの人生に幸多からんことを、心よりお祈りいたします。
責任感があり前向きに頑張る姿は、私の憧れでした。
どうぞお体に気をつけて、母子ともに健やかに過ごせますよう、心よりお祈りいたします。
退職祝いのメッセージを伝える方法
退職祝いのメッセージの伝え方には、次のような方法があります。
- 色紙にみんなで寄せ書きする
- 個人的に手紙やカードを書く
- お祝いの電報を打つ
どの方法にも特徴があるので、退職する人との関係性を考慮して伝え方を選ぶと良いでしょう。
それぞれの方法を、以下で詳しく解説します。
色紙にみんなで寄せ書き
色紙を用意して、みんなで退職する人へのメッセージを寄せ書きする方法です。
色紙の真ん中に退職する人の写真やイラストを書き、その周囲に一言ずつメッセージが添えられていると、持ち帰ったあとも飾ってもらえることでしょう。
なかなか全員で集まる機会がない場合は、リモートでオンラインの寄せ書きをする方法もあります。
リモートでの寄せ書きなら自宅からでもすぐ書き込めるので、寄せ書きを書く人も参加しやすく便利です。
形に残したい場合はプリントアウトも可能なので、状況に合わせた寄せ書きの方法を選んでみましょう。
個人的に書くなら手紙やカード
退職する人との付き合いが深く、伝えたいことがたくさんある人は、個人的に手紙やカードでメッセージを伝えるのも良い方法です。
一緒に仕事をしたときの思い出や、退職する人との忘れられないエピソードなどをつづれば、あなたの気持ちもより深く伝わることでしょう。
手紙やカードを個人的に書く場合は、パソコンで文章を打つより手書きがおすすめです。
直筆は温かみがあり、文字にも個性が現れますから、お気に入りの便箋やカードを用意して、直筆でメッセージを書いてみましょう。
お祝い電報
電報と聞くと、結婚式への祝電や、出席できない葬儀への弔電のイメージがあります。
しかし、最近では定年のお祝いで電報を送るケースも、よく見られるようになりました。
定年退職日を確認し、宛名や住所を間違えないように気をつければ、思い出の残るお祝いメッセージになるでしょう。
ただし、退職理由があまりおめでたい理由ではないときは、お祝い電報がかえって失礼になる可能性もあります。
メッセージ作成が難しいときは、文例を参考にしたり該当する定型文を選んだりして、失礼のないよう気をつけましょう。
退職する人へのメッセージのポイント
いざ書こうと思うとなかなか文章がまとまらず、悩む方もいらっしゃいます。
例文を参考にするのも良いですが、できれば自分らしいオリジナルのメッセージを送りたいものです。
退職する人へのメッセージは、ポイントを押さえた書き方をするとまとまりやすくなります。
気をつけるべきポイントを解説するので、メッセージ作成の参考にしてみてください。
まずは退職をねぎらう言葉で始める
メッセージの最初に書くのは、退職する人をねぎらう言葉です。
ねぎらいの言葉はあなたの心を表しますから、メッセージの最初に入れると受け取る側にも素直に伝わります。
ねぎらいの言葉に手応えがないと感じた方は、感謝の言葉を入れてみましょう。
感謝もあなたの気持ちの表れであるため、最初に伝えることで退職する人も前向きな気持ちになれます。
ねぎらいでも感謝でも、強く伝えたい気持ちを言葉にして、メッセージの最初に書いてみましょう。
退職する人との具体的なエピソードを盛り込む
次に書くのが、退職する人とのエピソードです。
できるだけ具体的な内容を書くと、受け取った人も思い出しやすく、気持ちも温かくなります。
ただし、退職する人の失敗談などのエピソードは、たとえあなたにとって思い出深くても失礼にあたります。
退職祝いのメッセージは、気持ち良く送り出すためのものです。
退職した人から助けられたことや教わったこと、一緒に頑張った仕事の思い出など、お互いに笑顔で話せるエピソードを選びましょう。
エピソードに関する思いや感謝の気持ちを書く
エピソードを選んだら、内容を掘り下げて感謝の気持ちや現在の思いをつづりましょう。
例えば、あなたが新人の頃に失敗した話を盛り込んだとします。
退職する人が黙ってフォローしてくれたおかげで、ミスが挽回できて周囲に褒められた思い出があると、素直に感謝の気持ちを言葉にできるでしょう。
退職する人にとって、誰かが感謝したり尊敬してくれるエピソードは、温かな思い出となり胸に残ります。
気持ちを込めて、エピソードに関する思いと感謝を伝えましょう。
今後の健闘や未来を応援する言葉を添える
メッセージの最後は、今後の検討を祈ったり、未来を応援したりする言葉で締めます。
そもそも退職は、人生の通過点にすぎません。
退職したあとも、活躍したり明るい未来をめざしたりと、退職する人は頑張ることでしょう。
前向きな応援の言葉は、退職する人の気持ちも明るく照らします。
「今後ますますのご活躍を期待しております」「健やかに過ごせますようお祈りいたします」といった言葉を添えて、文章の最後が明るくなるようにしましょう。
退職メッセージを書くときの注意点
退職のメッセージでは、退職する人の理由や状況もふまえ、気をつけなければならないポイントがあります。
退職のメッセージを書くときの注意点を、以下で詳しく解説しますので、実際に書くときの参考にしてみましょう。
「退職祝い」ではない可能性も考慮
退職をお祝い事ととらえる方もよく見られますが、退職は決して祝い事だけとは限りません。
ご家族の介護や退職する人の病気など、退職したくはないがせざるを得ない状況は、お祝い事とはいえないでしょう。
つまり、本人が望まない退職はお祝いではないので、メッセージを書くときも配慮が必要です。
メッセージでは「お疲れ様でした」程度にとどめ、再就職や新たなチャレンジが成功したときに、改めて「おめでとう」と伝えるなど、臨機応変に対応してください。
上司・先輩が退職する場合は言葉遣いに注意
あなたから見て、上司や先輩の立場にある人が退職する場合は、たとえ普段から仲が良かったとしても言葉遣いに気をつけましょう。
特に、寄せ書きでメッセージを送る場合、「ご苦労様です」などと書かれていると、ほかの人の気分を害する可能性もあります。
退職祝いは、ビジネスにおけるおつきあいの一つです。
目上から目下へ贈る言葉をつづるのは、ビジネスマナーの面からも失礼にあたります。
目上の人へメッセージを書くときは、言葉遣いが間違っていないかをよく確認しましょう。
退職メッセージを送る際に困るケースの対処法
退職のメッセージを送るとき、退職する人とあまりお付き合いがなかったり、寄せ書きなどでメッセージを書く場所がせまかったりすると、書くときに困ることがあります。
退職メッセージで困ったときはどのようにすれば良いのか、具体的な対処法を解説します。
あまり親しくない相手の場合
仕事でも接点がほとんどなく、親しくない相手が退職する場合は、形式的な文章でまとめてみましょう。
無理にエピソードを探して文章を書いても、かえって浮いてしまいます。
プライベートな内容に踏み込まず、「〇〇さんお疲れ様でした。なかなか仕事でご一緒できなかったことが心残りです。今後ますますのご活躍をお祈り申し上げます。」と、無難な内容でメッセージを作成しましょう。
書くスペースが狭く一言の場合
寄せ書きなどの場合は書くスペースが狭いので、メッセージも簡潔に書くのがおすすめです。
しかし、似たようなメッセージは埋没する可能性がありますから、できれば自分らしさもアピールしたい、と考える方もいるでしょう。
一言でメッセージを書かなければならないときは、相手と自分だけが知っている言葉を添えるのも良い方法です。
例えば、一緒に大きなプロジェクトに関わった経験があれば、「〇〇の仕事を一緒にできてうれしかったです」と入れても良いでしょう。
相手との関係性やエピソードから、一言で 書ける思い出を探してみてください。
退職メッセージの書き方を知って、感謝の気持ちを伝えよう
退職のメッセージは、退職する人への気持ちや思い出を、あなたの言葉で届ける方法です。
退職メッセージにもルールがあり、失礼な書き方をしてしまうと、せっかくのあなたの気持ちも届きません。
退職メッセージの正しい書き方を知っておくと、あなたの気持ちも素直に受け取ってもらえ、退職する人も温かな気持ちになれます。
退職メッセージを書くときのポイントを抑え、書く人も読む人も心地が良い文章を作成してみましょう。