エントリーシート(ES)における自己PRは、選考突破に関わる重要な要素です。
自分の強みを企業側へアピールできるよう、客観視して自己分析しなければなりません。
しかし、いざ自己PRとして内容をまとめようとすると文章がうまくまとまらない、何を書けば良いのか迷うという方も多いでしょう。
本記事では、エントリーシートに記載する自己PRの書き方を解説します。
企業側が自己PRでチェックするポイントや良い例文も紹介しているため、参考にしてみてください。
目次
エントリーシート(ES)の自己PRで企業はどこをチェックしている?
エントリーシート(ES)や履歴書で、採用担当者の印象に残る自己PRを書くためには、重要視されるポイントを知っておくことが大切です。
自己PR文で企業がチェックするポイントを解説します。
伝わりやすい文章が書けるか
企業が自己PRで見るポイントの一つに、PRしたいポイントが伝わりやすい文章が書けているかどうか、が挙げられます。
わかりやすく要約できていない場合、コミュニケーション能力が低い人材と判断される可能性があるでしょう。
ビジネスにおいて、メールは重要なコミュニケーションツールの一つです。
文章がわかりやすく書けていないと判断された場合、一緒に仕事をしてもコミュニケーションが滞り、スムーズに業務を進められないと懸念されるかもしれません。
また、採用担当者は何百人という就活生のエントリーシートに目を通すこともあります。
このため、わかりにくい文章は読み飛ばされる恐れもあるでしょう。
自分の強みをアピールする以前に、自己PR文を最後まで読んでもらうためにも、わかりやすい文章を心がけることが大切です。
企業の求める人物像にマッチしているか
採用担当者は自己PR文から、企業とのマッチ度を判断しています。
自分を採用するメリットを企業側へアピールするために、社風や求められる人物像を理解したうえで自己PRを書くようにしましょう。
アピールする強みが会社の求める人物像とマッチしなければ、評価にはつながりません。
例えば、風通しが良く社員の意見を積極的に採用しているような社風の企業に対して、「言われたことを忠実にこなすスキル」をアピールしてもマッチ度は低いといえます。
エントリーシートの自己PRを作成する際は、事前に企業のホームページや採用情報、口コミ情報などをチェックし、社風と求められる人物像を理解しておきましょう。
また、求められる人物像が自分の強みと違う場合、無理に自分の強みを企業に合わせるのは避けましょう。
面接に進んだ際、具体的なエピソードを話すよう求められます。
大前提として、自分の強みを生かせる会社を探し、エントリーすることが入社後に長く活躍できる重要な条件となります。
将来性のある人材か
企業はエントリーシートを通して、応募者が将来的に成長して活躍できる人材かどうかを判断します。
新卒の場合はポテンシャル採用となるため、エントリーシートの自己PRから将来の成長性を読み取れれば、特に評価の対象となるでしょう。
自分の強みが活きた経験などをアピールして、入社後の活躍が期待できる人材だと思ってもらうことが重要です。
例えば、「自身の強みであるリーダーシップを活かし、部活動でチームを優勝に導いた」「学園祭で企画やアイデア出しに携わり、参加者数を増やすことに貢献できた」など、仕事でも生かせそうな、自身の強みに関するエピソードを伝えると良いでしょう。
自分の強みやPRできる部分がないと悩んでいる人は、下記記事を参考にしてください。
エントリーシートに自己PRを書くポイント
エントリーシートで自己PRを書く際は、結論・根拠・未来の順序で内容を組み立てましょう。
それぞれ何を書くべきか詳しく解説します。
結論は自分の強みを明確にアピール
自己PRの冒頭では、まず結論にあたる自分の強みを記載しましょう。
結論から書き始めることで、話の要点が明確に伝わります。
一文目は「私の強みはどのような逆境でも立ち向かうメンタルの強さです」など、わかりやすさとインパクトを意識することがポイントです。
自分にキャッチコピーをつける感覚で、強みを端的に表してみてください。
ただし端的な表現が好ましいとはいえ、強みを一言だけで説明しようとすると、具体性に欠け正しく伝わらないこともあります。
例えば「私の強みはコミュニケーション能力の高さです」と伝えるだけでは、話す能力・聞く能力どちらを指すのかわかりません。
「私の強みはコミュニケーション能力です。初対面の相手でも共通の話題を見つけ、すぐに打ち解けられます」など深掘りした一言を添えると良いでしょう。
自己PRで自分の強みを魅力的にアピールする方法は、下記でも解説しています。
結論の根拠となるエピソードを書く
結論で自分の強みを伝えたあとは、その根拠となるエピソードを記載しましょう。
具体的な根拠を示すことで、説得力のある文章にするためです。
また、自分の経験に基づくエピソードは、自己PRに独自性を出せる要素でもあります。
そこから自分の個性や人柄、考え方をアピールすることも可能です。
強みを獲得するに至った過程や、それを発揮して困難を乗り越えたエピソードなどを記載し、ほかの応募者の自己PRと差別化を図りましょう。
自分の強みを未来にどう活かすか
自己PRの最後に、志望する企業で自分の強みをどのように活かすかを伝えます。
自分を採用することで企業が得られる具体的なメリットを、最大限アピールしましょう。
コミュニケーション能力が強みの場合、「私は誰とでもすぐ打ち解けられる能力を活かし、お客様からの信頼を獲得していきたいです。お客様が気兼ねなくお話できる雰囲気を常に意識し、何か困ったときに一番にご相談いただける関係性を構築していきたいと考えています」などの文を添えます。
応募する企業や社風によっても変わりますが、応募者自身が活躍している未来を想像できる一文を書くことがポイントです。
エントリーシートに書く自己PRの例文
ここからはエントリーシートで書く自己PR文の例文を紹介します。
例文①:経験をもとに長所をアピールする
できないことでも決してあきらめず、ひたむきに努力できます。
私は幼稚園の頃、止まっているボールも蹴れないほど運動が苦手でした。
しかし毎日公園で一人練習を続けたところ、100回以上リフティングできるようになった経験があります。
小学校に上がったタイミングで地元のサッカーチームに所属しました。
持ち前の前向きな努力を続けた結果、地域の選抜選手として全国大会に出場できました。
そこで優秀選手に選ばれたときは、努力が報われた気持ちです。
その後、高校卒業まではサッカーを続け、大学からは新しいことにチャレンジしようと始めたのはボクシングです。
ボクシング部の部員は自分以外、経験者ばかりでした。
しかし、毎日自主的に走り込みを行うなど部活以外の自主練習を人一倍行いました。
最後の大会は3回戦敗退となったものの、強豪校の選手2人に勝てたのは私の大きな誇りです。
貴社においても、この前向きな努力を存分に発揮して、発展に貢献できればと考えています。
自分の人生経験のなかでどのような強みを獲得し、どのような場面でそれを発揮したのか明確にアピールした例文です。
また、部活動を変えたという環境の変化にも柔軟に対応できていることから、入社後のポテンシャルを期待してもらえるでしょう。
例文②:ガクチカをアピールする
人間関係にわだかまりがあるときも、チームの潤滑剤として積極的に行動できます。
私は大学時代に軽音サークルへ所属し、副会長として100人ほどのメンバーをまとめる中心的役割を担っていました。
多くのメンバーが集まるため、最初のうちは言い争いや人間関係のトラブルも日常茶飯事でした。
そこで、自ら遊びや飲み会などの懇親会を企画して、すべてのメンバーと打ち解ける努力をしました。
自分がハブのような役割となり、少しずつチームのわだかまりの解消を実感できたときは、とてもうれしかったです。
学祭のライブの際にステージ上から見た、いざこざのあった人同士が肩を組みながら音楽を楽しむ光景は今も忘れられません。
私はこの持ち前のコミュニケーション能力を貴社でもいかんなく発揮して、すべての方が気持ち良く働ける環境を作れるよう邁進していきたいと考えています。
学生のときの印象深い経験をもとに、自分の強みをアピールした例文です。
実体験が盛り込まれているため説得力が強く、応募者の個性も読み取れます。
エントリーシートでは上記のような学生時代に力を入れたこと、いわゆる「ガクチカ」のエピソードが求められることも少なくありません。
ガクチカについて詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
自己PRでエントリーシートを突破しよう
エントリーシートにおける自己PRは、企業としても重要視したいポイントといえます。
そもそも最後まで目を通してもらわなければ評価にもつながらないため、結論・根拠・未来の順序で構成を組み立て、伝わりやすい表現を意識しましょう。
また、自分の強みを端的に伝えると同時に、実体験に基づくエピソードも求められます。
採用後の活躍を想像してもらえるような経験をアピールし、説得力のある自己PRを作成してみてください。