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失業保険でもらえる金額はいくら?上限金額や給付率も解説

退職を考えている人のなかには、転職するまでにもらえる失業保険の額が気になる人も多いのではないでしょうか。
生活費の心配をせずに安心して転職活動をするためには、あらかじめ失業保険の給付について調べておくことが大切です。

この記事では、失業保険の上限額や下限額、給付率を解説しながら、失業保険が日額でいくらもらえるのかを紹介します。

失業保険金額は日額でいくらもらえる?

失業保険金額は日額でいくらもらえる?

失業保険の基本手当日額は賃金日額によって算定されるようになっており、支給金額には上限と下限が設定されています。

賃金日額とは、離職の直前6ヵ月間に毎月支払われた金額から算出され、一人ひとりの雇用保険受給資格者証に記載されているものです。
また、基本手当日額とは失業保険における1日あたりの給付金額のことで、これも雇用保険受給資格者証に記載されています。

雇用保険受給資格者証を確認すれば金額はわかりますが、雇用保険受給資格者証が発行される前に失業保険の手当支給額の目安を知りたい人も多いでしょう。
そこで、ここでは賃金日額と基本手当日額の算出方法と、上限額と下限額を解説します。

賃金日額と基本手当日額の上限

賃金日額の計算方法は、以下のとおりです。

賃金日額=離職前6ヵ月の給与合計額÷180日

基本手当日額は賃金日額の45〜80%となり、給付率は離職時の年齢や賃金日額によって異なります。
59歳までの給付率は50〜80%ですが、賃金日額と基本手当日額には上限額と下限額が設定されており、上限額は年齢区分によって変化します。

以下は、令和4年8月1日以降の賃金日額と基本手当日額の上限額です。

離職時の年齢 賃金日額の上限額(円) 基本手当日額の上限額(円)
29歳以下 13,670円 6,835円
30〜44歳 15,190円 7,595円
45〜59歳 16,710円 8,355円
60〜64歳 15,950円 7,177円

出典:雇用保険の基本手当(失業給付)を受給される皆さまへ

失業保険日額の計算例を見てみましょう。

【会社員40歳で離職前6ヵ月の給料が月33万円だった場合】

  • 賃金日額 330,000円×6ヵ月÷180日=11,000円
  • 基本手当日額 11,000円×50〜80%=5,500〜8,800円

ただし、40歳の基本手当日額の上限額は7,595円であるため、上記基本手当日額の計算で8,800円になっても支払いは7,595円が上限になります。

賃金日額と基本手当日額の下限

賃金日額と基本手当日額の上限金額は年齢によって異なりますが、下限額は年齢を問わず同一金額です。

離職時の年齢 賃金日額の下限額(円) 基本手当日額の下限額(円)
全年齢 2,657円 2,125円

出典:雇用保険の基本手当(失業給付)を受給される皆さまへ

基本手当日額の計算をした際に2,125円を下回った場合でも、失業保険の最低金額は2,125円になります。

失業保険の給付率

失業保険の給付率は、離職時の年齢や賃金日額によって変わります。
以下の表は令和4年8月1日からの給付率です。

離職時の年齢 賃金日額 給付率 基本手当日額
29歳以下 2,657円以上5,030円未満 80% 2,125〜4,023円
5,030円以上12,380円以下 50%〜80% 4,024〜6,190円
12,380円超13,670円以下 50% 6,190〜6,835円
30〜44歳 2,657円以上5,030円未満 80% 2,125〜4,023円
5,030円以上12,380円以下 50%〜80% 4,024〜6,190円
12,380円超15,190円以下 50% 6,190〜7,595円
45〜59歳 2,657円以上5,030円未満 80% 2,125〜4,023円
5,030円以上12,380円以下 50%〜80% 4,024〜6,190円
12,380円超16,710円以下 50% 6,190〜8,355円
60〜64歳 2,657円以上5,030円未満 80% 2,125〜4,023円
5,030円以上11,120円以下 45%〜80% 4,024〜5,004円
11,120円超15,950円以下 45% 5,004〜7,177円

出典:雇用保険の基本手当(失業給付)を受給される皆さまへ

失業保険の月額

失業保険の日額がわかったら、失業保険が月にいくらもらえるのか気になる人も多いでしょう。

失業保険は原則として、28日分ずつ支給されます。
ただし、初回は受給手続きをしてから次の認定日が3〜4週間と定まっておらず、待機期間の7日分も不支給なので、15〜22日分程度の支給になるでしょう。

つまり、初回の場合基本手当日額に15〜22日程度をかけた金額、2回目以降は28日をかけた金額が月の支給額になります。

失業保険の総支給額

失業保険を満額もらう場合の総支給額は、基本手当日額に給付日数をかければ算出可能です。
給付日数は自己都合の退職なのか、会社都合の退職なのかによって異なり、また働いた年数によっても変わります。

例えば、会社都合で退職した30歳未満の人で、失業保険に3年入っていた場合では90日分の支給になりますが、5年以上勤務していた場合は120日分の支給になります。
これに対して、自己都合の場合は3年も5年も90日の支給です。

失業保険をもらえる期間について詳しく知りたい方は、次の記事を参考にしてください。

失業保険以外の支給:公共職業訓練等を受講する場合

失業保険以外の支給:公共職業訓練等を受講する場合

ハローワークでは再就職のために公共職業訓練等を開催していますが、その場合の失業保険金額はどうなるのでしょうか。
ここでは、公共職業訓練等を受講する場合の支給について解説します。

基本手当・受講手当・通所手当の支給

公共職業訓練等を受講する必要があるとハローワークで認められ、受講を指示された場合は、基本手当に加えて受講手当・通所手当が支給される可能性があります。

ただし、給付を受けるためには、原則として所定給付日数の支給残日数が一定以上必要です。

技能習得手当の支給と金額

公共職業安定所長もしくは地方運輸局長の指示によって、受給資格者が失業保険の公共職業訓練等を受講する場合、技能習得手当が支給されることがあります。

技能習得手当は基本手当とは別に支給されるもので、受講手当と通所手当の2つがあります。
受講手当は日額500円となっており、上限額は20,000円です。
通所手当は施設に通うための交通費であり、最高で月額42,500円までが支給されます。

ただし、通所方法によっては支給対象にならないケースもあるため、詳しくはハローワークに問い合わせが必要です。

失業保険の金額を把握して焦らずに就活を行おう

失業保険として支給される金額は、前職の収入や離職時の年齢によって算出され、退職理由などにより支給期間も一人ひとり異なります。
とはいえ、計算方法や給付率は公開されているため、あらかじめだいたいの金額を把握することは可能です。

今回紹介した方法を参考に受け取れる失業保険額を把握して、焦らずにじっくりと仕事を探しましょう。

執筆者について

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