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退職を2ヵ月前に言うのは非常識?退職意思表示のタイミングと非常識になり得るケース

会社を退職する際には、上司や人事部に退職の意思表示をしなければなりません。
退職を前に、意思表示のタイミングに悩んでいる方もいるのではないでしょうか。

今回の記事では、退職の意思表示は2ヵ月前で問題なく、後任者へしっかりと引き継ぎを行うことで円満退社につなげられることなどを紹介しています。
現在退職を考えている会社員の方は、参考にしてみてください。

希望の2ヵ月前にする退職の意思表示は非常識ではない理由

希望の2ヵ月前にする退職の意思表示は非常識ではない理由

退職希望日の2ヵ月前に退職の意志表示をすることは、非常識ではありません。
理由は、以下のとおりです。

  • 会社側の準備に十分な時間があるから
  • 法律上は2週間前の申告で良いと定められているから

会社側の準備に十分な時間があるから

退職希望の2ヵ月前に意志表示をすれば、会社は欠員に対応する準備ができます。
正社員だけでなく、パート・アルバイトも同様です。

退職まで2ヵ月の猶予があるため、引き継ぎに1ヵ月かけても、残りを有給休暇の消化に当てられます。
退職希望の2ヵ月前に退職の意思を伝えることは、会社側にもメリットがあるため適切であるといえるでしょう。

退職の伝え方が気になる方は、こちらの記事を確認してみてください。

後任への引き継ぎは余裕を持って1ヵ月程度

後任への引き継ぎ期間は、業務の内容や量にもよりますが、余裕を持って1ヵ月程度を見ておきましょう。
引き継ぎ期間が1ヵ月あると、何かトラブルがあったとしても対応策を検討する余裕が生まれ、会社側にとってはとても貴重な時間です。

また、すぐに後任者が決まらない場合でも、引き継ぎ書類の作成や業務内容の整理を十分に行えるため、会社側も安心できます。
退職1ヵ月前に実施すべきことを知りたい方は、こちらの記事をチェックしてみてください。

有給休暇を消化する

2ヵ月前に退職を告知し、1ヵ月の引き継ぎ期間を終えておけば、保有日数にもよりますが、残りの1ヵ月は有給休暇の消化に当てられます。
会社側も退職までに残っている有給休暇は使ってほしいと思っている場合もあるため、早めに退職意向を伝えることは大切です。

退職希望の2ヵ月前には退職意向を伝えることで、十分な引き継ぎを行い有給休暇を消化できます。
円満退職をめざしましょう。

法律上は2週間前の申告で良いと定められているから

雇用期間に定めがない契約の場合、退職希望の意思表示は、法律上では2週間前の申告で良いと定められています。
企業の就業規則と民法では、民法が優先されるとの解釈が一般的です。
つまり、就業規則では2ヵ月前までに退職意思を示すと規定されていても、2週間前までに意思表示すれば合法となります。

しかし、円満退職をめざすのであれば、就業規則を守ることも必要です。
退職を決めたら、就業規則を見直しておきましょう。

2ヵ月前の退職意思表示が非常識・違法になるケース

以下のケースでは、2ヵ月前の退職意思表示が非常識、場合によっては違法になるため注意が必要です。

  • 契約開始から1年以内の有期契約社員
  • 契約が年俸制
  • 退職時期が繁忙期

契約開始から1年以内の有期契約社員

契約開始から1年以内の有期契約社員は、2ヵ月前に退職の意思表示をしても辞職はできません。
やむを得ない事情であればただちに契約解除は可能ですが、労働者の一方的な事情であれば、損害賠償の責任を負わなければならない可能性もあり、注意が必要です。

しかし、契約期間の初日から1年を経過すれば、退職意思を示すことでいつでも退職できます。

契約が年俸制

契約が年俸制の場合は、退職希望日の3ヵ月前に意思表示をしなければなりません。

民法627条3項に以下のように規定されているからです。

六箇月以上の期間によって報酬を定めた場合には、前項の解約の申入れは、三箇月前にしなければならない。

引用元:民法_e-Gov法令検索

しかし、企業によっては労働者の権利である退職自由を尊重するために、就業規則で3ヵ月より短い期間が設定されている場合もあります。

退職時期が繁忙期

会社の繁忙期に辞めることは、非常識ととらえられる可能性があります。
残される社員ですべての業務に対応しなければならず、一人あたりの負担が増えるからです。

円満退職のためには、退職時期を繁忙期からずらしたほうが無難でしょう。

3ヵ月前の退職意思表示は問題ないがおすすめできない

3ヵ月前の退職意思表示は、問題はないですがおすすめできません。
理由は、以下のとおりです。

  • 退職意思表示後の勤務は心苦しいから
  • 早くても引き継ぎがうまく進まないから

退職意思表示後の勤務は心苦しいから

退職意思表示後の勤務は心苦しさを感じやすく、退職までの期間が長いほど蓄積するでしょう。
退職告知後、退職日までの勤務に心苦しさを感じる背景には、以下のようなことが挙げられます。

上司や同僚から「どうせ辞めるでしょ」という目を向けられる

上司や同僚と仕事をしても、「どうせ辞めるでしょ」という冷たい目を向けられる可能性があります。
特に人間関係が悪い職場であれば、なおさらです。

しかし、退職までの期間も手を抜かず仕事や引き継ぎを行うことで、辞めることに対する気まずさは小さくなるでしょう。
円満退職のために、退職の意思表示をしてから退職するまでも、与えられた仕事を確実に行うことが大切です。

自分自身も退職する会社ではモチベーションが上がりにくい

退職の意思表示後は、仕事へのモチベーションは上がりにくいでしょう。
当然ながらモチベーションが低下すると、仕事の効率も下がります。

普段起こさないようなケアレスミスを起こし、他の社員に迷惑をかけてしまう可能性もあるため、注意が必要です。

早くても引き継ぎがうまく進まないから

退職の意思表示が早くても、引き継ぎがうまく進むとは限りません。
後任担当者が決まっていない可能性があるからです。

後任担当者が決まったらすぐに引き継げるように、業務内容や取引先情報、引き継ぎのスケジュール立案など、必要事項を整理しておきましょう。

退職の意思は2ヵ月前を目安に伝えよう

有期契約や年俸契約を除くと、退職希望の意思表示は、法律上2週間前の申告で良いと定められています。
しかし、円満退職のためには、業務引き継ぎ期間を考慮して2ヵ月前には申告したいものです。

社内だけでなく、取引先や顧客の引き継ぎが終了すると安心して有給休暇を消化できます。
退職の意思は、2ヵ月前を目安に会社に伝えましょう。

執筆者について

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