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半年勤務したら失業保険(基本手当)はもらえる?給付金の計算方法も解説

失業保険(基本手当)とは、失業している状態になったとき、雇用保険に加入していた人が一日も早く再就職できるよう促す手当のことです。
ケガや事故で働けなくなったとき、突然収入がなくなってしまうと、自分の生活はもちろん、家族を養っている場合、路頭に迷ってしまいます。

そのようなとき、失業保険はとても頼りになる制度ですが、半年間の勤務でも支給されるのか、どのような計算方法で算出するのかなど、わからないことが多いと思います。
ここではその疑問を解決できる内容を網羅しているため、ぜひ最後までご覧ください。

失業保険(基本手当)は半年間勤務していれば、受け取れるのか

失業保険(基本手当)は半年間勤務していれば、受け取れるのか

雇用保険加入期間や退職時の状況により、半年の勤務であっても失業保険(基本手当)が受給できる場合があります。

アルバイトや短期で働いた場合は、まずは雇用保険に加入しているのかを確認することをおすすめします。
以下で、失業保険を受け取るためにはどのような条件があるのかを具体的に解説しますので、ぜひご覧ください。

雇用保険加入期間や退職状況により、半年の勤務でも受給される

失業保険を受け取る際、大前提として雇用保険に加入していなければなりません。
そのうえで、離職をした日以前の2年間に、「被保険者期間」が通算して12ヵ月以上ある場合に、失業保険の対象となります。

しかし、それは自己都合の場合であり、会社の倒産や解雇によるものであれば、離職する以前1年間に、被保険者期間が通算して満6ヵ月あれば、受給資格を得られます。

「被保険者期間」は令和2年8月1日以降より、離職日から1ヵ月ごとに区切った期間に、賃⾦⽀払の基礎となる日数が11日以上ある月、または賃⾦⽀払の基礎となった労働時間数が80時間以上ある月を1ヵ月として計算することに変更になりました。

自己都合か会社都合か、通算した被保険者期間が満6ヵ月あるかを、自身のケースを調べておきましょう。

特定理由離職の場合も半年の勤務で受給される

自己の体調不良や病気により離職する場合や、妊娠・出産・育児などにより仕事を続けることが困難な場合なども、会社都合退職のように、被保険者期間が満6ヵ月で受給資格を得られます。

「体調が悪いのは自分のせい」や「夫の転勤で辞めざる負えないから自己都合」などと、自己判断はせずに、自分の状況を客観視してとらえることが重要です。
その結果、生活に必要な手当を受け取れる可能性もあり、自分自身だけではなく家族も含めて、次の仕事までゆとりをもつことにつながるでしょう。

半年間アルバイトや短期で働いた場合、まずは雇用保険に加入しているか確認する

アルバイトや短期での仕事の場合、失業保険を受け取るためには、まず雇用保険に加入しているかどうかを事前に確認しておくと良いでしょう。

社会保障が整備されている大企業に勤めており、かつ正社員である場合は、大多数が雇用保険に加入していると思われますが、中小零細企業のアルバイトや非正規雇用であった場合、雇用保険そのものに加入していない場合があります。

アルバイトや非正規雇用だと「雇用保険に加入できないのはしょうがない」と考えてしまいがちですが、条件を満たせば雇用保険加入は義務となるため、まずは自分が加入しているかを確認することが重要です。

条件は、次の2点です。

  1. 1週間の所定労働時間が20時間以上あること
  2. 31日以上の雇用見込みがあること

半年間仕事をしたら、失業保険(基本手当)はいくらもらえる?

失業保険は、働いていた時の基本給をもとに、給付日額を決めます。
賃金日額・基本手当日額ともに令和5年からアップしているため、今一度ここで確認しましょう。

働いていた時の基本給によって給付日額は変わる

被保険者期間が半年間であれば、会社都合・自己都合に関わらず、給付期間は原則90日間ですが、給付額は働いていた時の基本給によって変わります。

雇用保険は、離職者の賃金日額に基づいて基本手当日額(失業給付の1日あたりの給付額)を算出しており、その基本手当日額は、年齢や額により給付率が50~80%のなかで変わります。

賃金日額とは、離職した日の直前6ヵ月に、毎月決まって支払われた賃金から算出した金額のことです。
つまり、離職した日までに働いていた(直前6ヵ月)職場で、毎月支払われていた賃金から計算し、失業保険の給付金を決めているということになります。

賃金日額・基本手当日額の上限が令和5年からアップ

令和5年8月1日より基本手当日額が変更され、年齢区分に応じた賃金日額と基本手当日額の上限が変わりました。
下記の表を参照し、どこに当てはまるのか確認してください。

離職時の年齢 賃金日額の上限額(円) 基本手当日額の上限額(円)
変更前 変更後 変更前 変更後(前年度増減)
29歳以下 13,670 13,890 6,835 6,945(+110)
30~44歳 15,190 15,430 7,595 7,715(+120)
45~59歳 16,710 16,980 8,355 8,490(+135)
60~64歳 15,950 16,210 7,177 7,294(+117)

引用元:雇用保険の基本手当日額が変更になります ~令和5 年8月 1 日から~|厚生労働省 都道府県労働局・ハローワーク

例えば、26歳で基本日額が15,000円だった場合、上限額が適用されるため、基本手当日額は6,945円になります。

賃金日額・基本手当日額の下限額も令和5年からアップ設定

賃金日額・基本手当日額には上限がありますが、下限も設定してあります。
こちらも令和5年8月1日より変更されているため、下記表を確認してください。

年齢 賃金日額の下限額(円) 基本手当日額の下限額(円)
全年齢 変更前 変更後 変更前 変更後(前年度増減)
2,657 2,746 2,125 2,196(+71)

引用元:雇用保険の基本手当日額が変更になります ~令和5 年8月 1 日から~|厚生労働省 都道府県労働局・ハローワーク

基本手当日額の下限額は、年齢に関係なく2,196円になるため、事前に確認しておきましょう。

基本手当日額の給付率の計算方法

基本手当日額の給付率を計算する際、離職時の年齢が重要になります。
基本手当日額の計算は、基本手当日額=賃金日額×50~80%で計算します。

賃金日額 給付率
2,746円以上、5,110円未満 80%
5,110円以上、12,580円以下 50~80%
12,580円越え 50%

参照元:雇用保険の基本手当日額が変更になります ~令和5 年8月 1 日から~|厚生労働省 都道府県労働局・ハローワーク

離職時の年齢が60~64歳の場合は、給付率が変わる場合があるため、厚生労働省のホームページを参照してください。

その他失業保険に関するよくある疑問

ここでは、失業保険受給にあたり、よくある疑問をまとめました。
半年の勤務期間で退職を繰り返した場合や、失業保険の90日が過ぎたらその後どうなるのかについて、それぞれ具体的に解説しているため、ぜひ参考にしてください。

半年の勤務期間で退職を繰り返した場合は失業保険の対象になる?

失業保険は雇用保険の支払いが過去2年間で12ヵ月以上あれば、何度でも受け取れます。
リストラや倒産をはじめとする会社都合での退職であれば、勤務期間が過去1年間で6ヵ月あると受け取れます。

しかし、勤務期間が半年で自己都合の退職を繰り返した場合、雇用保険の支払いが12ヵ月未満のため、支払われない場合もあるので注意が必要です。

雇用保険の支払い状況や、何ヵ月の間会社に勤める必要があるのかなどを考慮したうえで、退職を検討すると良いでしょう。

下記のURLに、より詳しい失業保険の受給回数について掲載しているため、必要な方は参照してください。

失業保険受給期間の90日が過ぎてしまったらどうなる?

失業保険受給期間の90日が過ぎてしまっても、ある条件を満たすことで期間を延長できます。

就業訓練を受けている間なども失業保険を受給できる訓練延長給付(職業訓練)や、災害や会社都合で退職を余儀なくされた場合に受給できる個別延長給付、失業者が多発した地域の失業者に認められる広域延長給付などがあります。

それぞれの給付についての詳しい内容は、以下のURLに載っているため、確認してください。

失業保険の給付システムを理解してから退職しよう

半年間の勤続年数でも、失業保険の給付は、雇用保険加入期間や退職状況によっては受け取れるケースがあります。

働いていた時の基本給を用いて給付日額を計算するため、退職を検討している場合はどの程度受け取れるのかを把握しておくと良いでしょう。
退職後の生活も、ゆとりをもちながら次の職場を探せるよう、失業保険の給付システムを理解しておくことが重要です。

執筆者について

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