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朝残業は残業代が出る?残業代が出る条件・メリット・デメリットを解説

この記事の監修者
西岡 秀泰
【資格】
社会保険労務士

【プロフィール】
同志社大学法学部卒業後、生命保険会社に25年勤務しFPとして保険販売を行う。2017年4月に西岡社会保険労務士事務所を開設し、労働保険・社会保険を中心に労務全般について企業サポート。日本年金機構にて年金相談員を兼務。

朝残業とは、始業時刻よりも早く出社して業務を行う場合の残業のことを指します。
朝残業をすることで、通勤ラッシュを避けたり、帰宅時間を早めたりといったメリットがあるため、最近では積極的に朝残業をする人も増加傾向です。

そんな朝残業について、残業代が出る条件やメリット・デメリットを解説します。

朝残業とは?

朝残業とは?

朝残業とは、就業規則や雇用契約書で定められた始業時刻よりも早く出社して行う時間外労働のことです。
通勤ラッシュを避けたり、帰宅時間を早めたりといったメリットがあります。

現代では、ワーク・ライフ・バランスを重視する傾向にあり、朝残業を積極的にする人も増えてきています。

朝残業でも残業代は出る?

一定の条件を満たせば、朝残業も夜の残業と同じく残業代が出ます。
労働基準法では、労働時間は以下のように定められています。

  • 1日の労働時間:8時間まで
  • 1週間の労働時間:40時間まで

これを超える労働時間は、時間帯に関わらず時間外労働の割増賃金の対象となるため、該当すれば朝残業でも残業代が出るのです。
労働時間とは「使用者(会社)の指揮命令下に置かれている時間」のことです。
具体例として、以下のケースに該当する場合は、朝残業として残業代が出ます。

  • 早朝のミーティングに参加する
  • 朝の研修や勉強会が義務付けられている
  • 業務に必要な準備をするため、上司から早朝出勤が命じられた

朝残業のメリット

朝残業には、以下のようなさまざまなメリットがあります。

  • 生産性が上がる
  • 帰宅時間が早くなる
  • 通勤ラッシュを避けられる
  • 残業手当がもらえる

それぞれ詳しく解説していきます。

生産性が上がる

朝残業には、生産性を向上させるというメリットがあります。
始業前には社内に人が少なく、静かで集中しやすい環境だからです。

また、朝残業では始業時刻までの限りある時間を有効に使う必要があるため、「効率的に業務を行おう」という意識も芽生えます。
仕事への集中力が高まり、スムーズに業務を進められるでしょう。

帰宅時間が早くなる

朝残業して仕事を早く終わらせると、終業時間後の残業がなくなり(または減り)帰宅時間を早めることが可能です。
終業時間を早めることで、就業後の家族団らんや趣味に費やす時間を増やすことができます。
ワーク・ライフ・バランスを保ちながら、充実した私生活を送れるでしょう。

通勤ラッシュを避けられる

朝残業をすると、通勤ラッシュの時間帯を避けられます。
早朝は道路や電車が空いているため、渋滞や満員電車を避けて快適に通勤できます。
また、トラブルで多少電車が遅れたり、道が渋滞したりしても、遅刻の心配が少ないでしょう。

残業手当がもらえる

朝残業と認められる要件を満たせば、残業手当がもらえます。
残業手当の額は、法律で通常賃金の1.25倍以上と定められています。

なお、午後10時から翌日午前5時までの深夜労働に関しても、通常賃金の1.25倍以上が支給されます。
時間外労働と深夜労働が重複した場合、通常賃金の1.5倍以上が支払われるのです。

朝残業のデメリット

朝残業にはメリットだけでなく、以下のようなデメリットもあります。

  • 睡眠時間が減る
  • 長時間労働の可能性がある
  • 共同作業には向かない

以下で詳しく解説していきます。

睡眠時間が減る

朝残業をすると、睡眠時間が減る場合もあります。
朝残業をするには、早起きする必要があるからです。

早起きが体に合わない場合には、体調を崩したり、睡眠障害を発症したりすることも考えられます。
十分な睡眠時間を確保できるよう、生活リズムを整えることが大切です。

長時間労働の可能性がある

朝残業をすることで、かえって長時間労働になってしまう可能性があります。
朝に仕事を終えられなかった場合、さらに就業後の残業も必要だからです。
また、夜残業を行っている人に遠慮して、必要のない残業をしてしまうケースも起こりえます。

共同作業には向かない

朝残業は誰かの対応を待ったり、やり取りしながら進めたりする共同作業には向いていません。
仕事相手となる上司や同僚、取引先が朝残業の時間にはいないからです。
朝残業では、周囲との連携が不要な個人作業が中心となります。

朝残業の注意点

朝残業の注意点

朝残業を行う際には、以下のような注意点があります。

  • 理由なく早く出勤しない
  • 残業代が支払われているか確認する
  • 残業代請求のための証拠をとっておく
  • 残業代の請求期限を確認する

それぞれ詳しく解説していきます。

理由なく早く出勤しない

理由なく早朝出勤すると、朝残業と認められず、残業代が出ない可能性があります。
残業として認められるためには「使用者の指揮管理下にあること」が必要だからです。

「通勤ラッシュを避けたいから」朝早く出勤しても、上司からは残業と認めてもらえません。
朝残業することを事前に伝えたり、始業後に業務報告をするなどして、時間外労働であることを上司に認めてもらいましょう。

残業代が支払われているか確認する

朝残業を行ったら、残業代が支給されているかどうかを定期的に確認しましょう。
残業代がついていないことがわかったら、まずは上司や人事・総務部に相談し、業務上必要な残業であったことを確認してもらいます。
会社側に支払う意思がない場合は、労働基準監督署に相談するのも一つの手段です。

残業代請求のための証拠をとっておく

未支給の朝残業代を請求するのであれば、証拠を残しておくことが大切です。
パソコンのログイン・ログアウト時間やメールのやりとりなど、朝残業の証拠になるものはすべて記録しておきましょう。
証拠があれば、残業代の請求がスムーズに進むでしょう。

残業代の請求期限を確認する

労働基準法改正により2020年4月1日以降に発生した残業代の請求期限は3年です。
請求期限を過ぎると、残業代を請求できなくなるため注意が必要です。

正当な理由で残業したにも関わらず支払われない場合は、弁護士や社会保険労務士など専門家に相談するという方法もあります。
労働基準監督署などの公的機関に相談するのも選択肢です。

朝残業は一定の条件を満たせば残業代が出る

朝残業は、始業時刻よりも早く出社する時間外労働のことで、一定の条件を満たせば残業代が支払われます。

メリットとしては、生産性の向上や帰宅時間の早まり、通勤ラッシュの回避、残業手当の取得などがあります。
一方で、睡眠時間の減少や長時間労働の可能性、共同作業には向かないなどのデメリットもあるため、注意が必要です。

朝残業を行う際は、上司にきちんと報告するとともに残業代が支払われているかを定期的に確認するようにしましょう。

執筆者について

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