契約社員も、正社員と同じように書類選考・面接を経て雇用契約を結ぶことになります。
期間を定めて契約を結ぶ契約社員は、正社員と比べて担当する業務が限られるため、面接のハードルも比較的低い印象を受けるかもしれません。
しかし、対策なしで通過できるほど簡単なものではなく、事前の準備は必須です。
本記事では、契約社員の面接で聞かれやすい質問や対策しておきたいことを解説します。
「契約社員の面接がどのような感じなのか知りたい」「どのように面接対策をすべきかわからない」という方は、参考にしてみてください。
目次
契約社員と正社員の面接内容は同じ?
契約社員の面接内容は、正社員の場合とほとんど変わりません。
正社員と比較すると選考回数が少なかったり、ハードルが低いように感じたりする可能性はありますが、簡単に通過できるわけではありません。
特に、社会人として身につけておくべきマナーや挨拶などのコミュニケーションができていない場合、不採用となる可能性があるでしょう。
面接は、その企業にとって必要な人材かを確認される機会でもあるため、しっかりと対策をして本番に臨む必要があります。
契約社員の面接で聞かれることは?
契約社員の面接で聞かれる内容には、以下のようなものが挙げられます。
- 自己紹介
- 志望理由
- 自己PRや保有スキル
- 質問がないか
企業によって多少異なるものの、これらは基本の質問となるため回答を準備しておいて損はないでしょう。
それぞれの質問に受け答えをする際のポイントを解説します。
自己紹介
ドアをノックして入室し、所定の位置についたら簡単な挨拶をしましょう。
そのあと、あらためて面接官から「自己紹介をお願いします」とうながされるのが一般的です。
自己紹介では、名前・簡単な経歴・現職(前職)の仕事内容などを簡潔に伝えます。
ダラダラと話すと何を伝えたいのかが曖昧になってしまうため、要点を絞って1~2分程度にまとめておきましょう。
このとき多くの場合は、面接官と初めてコミュニケーションを取る機会となります。
笑顔を心がけて明るくハキハキとした声で話すなど、第一印象に気を配ってみてください。
志望理由
志望理由は、求職者の熱意を確認するために聞かれる質問です。
下記の点をふまえて、自分の想いをしっかりとアピールしましょう。
- 会社に応募した理由
- 業界・職種を志望した理由
- なぜ契約社員を選択したのか
志望した理由として「この業界・職種に興味関心があるから」のように伝えると、ほかの会社でも良いだろうと思われてしまう可能性があります。
また、給与や休日面など福利厚生を志望理由として述べた場合、条件にしか興味がないと受け取られかねません。
自分の体験談も交えながら、なるべく具体的に述べましょう。
自己PRや保有スキル
自己PRや保有スキルは、企業が求める人材とマッチしているか確認するために聞かれます。
ただ単にスキルを羅列して自慢するのではなく、自分のスキルが業務でどのように役立つかに着目してアピールしましょう。
特に、社会人経験をある程度積んだ転職者の場合、即戦力となりうるスキルが重要視される傾向にあります。
自己PRをする際も志望理由と同様に、具体的なエピソードを交えると説得力が増すでしょう。
これまでに携わった業務や成果をふまえながら、自分の強みを伝えてみてください。
質問がないか
面接の終盤に、面接官から「何か質問はありませんか」といった形で逆質問される可能性があります。
逆質問は、企業に対する興味や自分自身の入社意欲・成長意欲をアピールできる機会です。
質問を何も用意していないと、いきなりのことで頭が真っ白になるかもしれません。
あらかじめ聞きたい内容をいくつか考えておくと安心です。
ただし、企業のホームページに記載されているような当然の内容を逆質問すると、志望度が低いと思われる可能性があるため避けましょう。
契約社員の面接の流れ
面接の流れは、ほとんどの会社で共通しています。
一般的には、以下のステップで進めることになるでしょう。
- 服装を正して5分前には会場で待機しておく
- 入室をして挨拶する
- ハキハキと答える
- お礼を伝える
当日は遅れないよう事前に道を確認しておき、面接開始時間の5~10分前には受付を済ませてください。
事前に鏡で服装や髪の乱れを整えておきます。
また、冬場は建物に入館する前にコートを脱ぎ、手に持ちましょう。
面接中は、笑顔でハキハキと返答することを意識します。
あらかじめ回答を用意しておくと、スムーズに受け答えができて緊張も和らぐでしょう。
面接を終えたら、当日中にお礼メールを送ると良い印象を与えられる可能性があります。
もし面接が遅い時間に終わった場合は、翌日の午前中でも構いません。
面接の機会を作ってもらったお礼を伝えましょう。
契約社員の面接を受ける前に対策しておくこと
面接を受ける前には、以下3点の対策が必要です。
- 志望する企業について調べる
- 想定される質問の返答を考える
- ビジネスマナーを確認する
その場で回答をまとめようとしても、緊張と焦りで頭が真っ白になり、うまく答えられない可能性があります。
自分にとって有利な情報を的確にアピールするためにも、事前準備は必須です。
志望する企業について調べる
応募する企業の募集内容や待遇だけではなく、求める人材像、経営理念、業界での立ち位置、口コミ情報までくまなくチェックしておきましょう。
情報収集の手段は企業の公式ホームページだけでなく、社長や従業員のインタビュー記事、合同説明会、OB・OG訪問など数多くあります。
面接で尋ねられる志望理由や自己PRなどは、いずれも企業の情報収集ができていなければ浅い回答しかできず、志望度が低いととらえられかねません。
会社側のニーズに合う回答でアピールするためにも、入念な準備が必要です。
想定される質問の返答を考える
企業によって面接内容は少しずつ異なりますが、よく聞かれる質問にはある程度の傾向と対策が練られています。
少なくとも定番の質問には迷いなく答えられるよう、回答を準備しておきましょう。
回答を丸暗記するのではなく、事前に頭のなかで話したい情報を整理しておくと、多少想定外の質問をされても臨機応変に対応しやすくなります。
その際、まず結論を述べてから次に裏付けとなるエピソードを話すという順序を意識してみてください。
最後に再び結論として入社への意欲をアピールすると、要点がスムーズに聞き手へ伝わります。
ビジネスマナーを確認する
いくら面接の受け答えが完璧でも、身だしなみやビジネスマナーが不適切であればマイナスな印象を与えます。
面接官は求職者の回答だけでなく、態度や立ち振る舞いも見ているものです。
面接へ臨む前に、以下のマナーを確認しておきましょう。
- 正しい敬語表現
- ノックの回数は3回
- 「おかけください」などの指示があってから椅子に座る
- 受け取った名刺は自分から見て卓上の左側に置く
ビジネスマナーが身についていないと、採用後に取引先の相手と会わせるのには不安のある人材だと感じさせてしまいます。
当日の流れを想定して、基本のマナーを復習しておきましょう。
契約社員の面接に適した服装は、下記の記事で説明しています。
あわせてご参照ください。
契約社員の面接で不採用になる理由
契約社員の面接だからといって、楽に選考を通過できるわけではありません。
新卒採用でも中途採用でも関係なく、面接に油断は禁物です。
特に下記に該当する場合には、面接の結果、不採用となってしまうケースも考えられます。
- 志望動機が弱い
- 倍率の高い大手企業を受けた
- スキルをアピールできなかった
- 逆質問をしなかった
採用される確率を高めるためにも、面接の注意点をチェックしておきましょう。
志望動機が弱い
志望動機を聞かれた際は、志望企業でなければいけない理由を話す必要があります。
漠然とした内容では入社意欲が低く、ほかの企業でも良いだろうと誤解されかねません。
もし契約社員の面接に落ちてしまった場合は、志望動機が弱くなかったか振り返ってみてください。
企業研究をより入念に行うようにし、具体性のある理由を述べられるようにしておきましょう。
倍率の高い大手企業を受けた
人気のある大手企業の場合、契約社員の求人であっても応募が殺到して倍率が高くなることがあります。
選考を通過するには、ほかの応募者との差別化が不可欠といえるでしょう。
志望企業で活かせるスキルや資格、アピールできる実績がないか見直すための自己分析が必要になります。
もし大手企業にこだわりがない場合は、中小企業を中心に応募するのも一つの方法です。
選択肢が広がるだけでなく、自分の条件に合う企業も見つかりやすくなるかもしれません。
スキルをアピールできなかった
基本的に企業は、契約社員に対して即戦力を求める傾向にあり、いかにスキルをアピールするかが大切になります。
不採用となった理由として、うまくアピールしきれなかったか、企業が求めるレベルのスキルを保有していなかった可能性が考えられます。
仮に事務の面接を受けるとしたら、業務に関係のない資格をアピールするよりは簿記やMOS、ITパスポートなどが効果的でしょう。
アピールが足りなかった場合には、過去の経験を振り返り、どのように仕事に活かせるかまで具体的に考えてみてください。
逆質問をしなかった
逆質問は企業への興味・意欲を伝える機会といえるため、「質問は特にありません」などと答えるのは避けましょう。
ただし、給与や福利厚生に関する質問は、仕事への意欲に欠けた印象を与えてしまうため控えたほうが賢明です。
適切な逆質問の例としては、以下のようなものが挙げられます。
- 御社の戦力となるために今から身につけておくべきスキルや資格はありますか。
- 御社で活躍されている方の特徴や共通点はありますか。
逆質問は2~3個ほど用意しておくと安心です。
契約社員の面接で正社員登用について質問しても良い?
契約社員から正社員登用をめざしている場合は、面接中に質問をしても問題ありません。
ただし、正社員の条件にこだわっていると感じさせないように注意してください。
長く働きたい、活躍できる人材になりたいという側面から質問を投げかけると、成長意欲のアピールにもつながります。
入社後のミスマッチを起こさないためにも、自分のキャリアプランが実現できそうかやんわりと確認しておきましょう。
契約社員の面接はしっかり対策をしてから臨もう
契約社員の面接の内容は、正社員の場合とほとんど変わりません。
自己PRや志望動機など定番の質問は聞かれる可能性が高いため、どのように回答すれば自分を効果的にアピールできるか情報を整理しておきましょう。
また、面接準備として応募する企業の情報収集は必須です。
情報収集を疎かにしてしまうと、質問にうまく答えられず、手応えのない結果に終わってしまう可能性があります。
ビジネスマナーの再確認を含め、しっかりと対策をしたうえで本番に臨みましょう。