転職回数が4社以上など多い場合、不利になるのではないかと不安になる人もいるでしょう。
たしかに、転職の理由がすべて曖昧な場合は、マイナス評価をつけられることがあります。
しかし、キャリアアップのためなど転職理由が明確であり、自分のアピールポイントをうまく面接官に伝えられていれば、転職回数が多くても問題ありません。
では、転職回数の多い人が面接で自己紹介するとき、どのように話せば良いのでしょうか。
ポイントやパターン別の例文を解説します。
目次
転職の多い人が面接で自己紹介をするポイント
面接の自己紹介は、自分の強みや活躍できるポイントを伝える場面です。
転職が多い人は、転職経験がマイナスにならず、プラスに伝わるように工夫しましょう。
まずは、自己紹介でのポイントを4点紹介します。
転職理由は必須ではない
そもそも、「家庭の事情で転職しなければならなかった」「営業を経験したいと思い転職した」など、詳しい転職理由を伝えなくても問題ありません。
過去になぜ転職したのか、今回どのような理由で転職を決意するのかは、話さなくても問題ない内容です。
自己紹介で転職理由まで伝えると、転職回数が多ければ多いほど話が長くなってしまいます。
必要があれば面接官から確認されるため、求職者側から転職理由を細かく説明しなくても大丈夫です。
面接における退職理由に関する詳細は以下の記事をご参照ください。
すべての職歴を伝える必要はない
面接で自己紹介をする時間は1分~3分程度です。
時間に応じて内容も調整しなければならないため、すべての職歴を伝える必要はありません。
3、4社以上経験している場合、すべてを時系列で話すと長くなりすぎてしまいます。
面接は自分をアピールする場ですが、すべての職歴を話すことが正しい自己アピールに直結するとは限りません。
自分を魅力的に伝えるため、業種や職種にまとめるなど内容を整理しましょう。
面接の自己紹介における転職に関する内容や例文は以下の記事をご参照ください。
応募先に適した経験をアピールする
面接官は、入社後に活躍できる人材かどうかを面接で判断しているため、応募先企業で活かせる職歴をピックアップして話すと、適確に自己アピールができます。
例えば、営業職に応募しているのであれば、「これまで2社合計10年間、営業職として経験を積み」といった形で、営業職にまとめて職歴とエピソードを話しましょう。
過去の経験をもとに、どのように活かしていけるかを伝え、自分の魅力をアピールすることが大切です。
ポジティブな転職理由を伝える
転職が多いと応募者自身がそれをネガティブにとらえてしまいがちです。
しかし、転職回数が多いことは、必ずしも選考においてマイナスになるとは限りません。
伝え方次第で面接官の受け止め方もかわります。
「キャリアアップのため」などポジティブな発言をすることで、プラスの印象につながります。
反対に「仕事が嫌」「なんとなく転職した」といった場合は、面接官から「入社してもすぐに辞めそう」といった印象を持たれる恐れがあるため、避けましょう。
転職が多い場合の面接自己紹介のポイント・例文
自己紹介の例文を見ていきましょう。
直近1社に限定する場合や、応募先に活かせる経験を話す場合など、4種類のパターンにわけて紹介します。
面接で自己紹介をする際の参考にしてください。
直近1社に限定する
直近1社に限定した場合、現在の状況やスキルを説明しやすいことが利点です。
ただし、直近の勤務期間が非常に短いケースや、応募先に適さない業種・職種であれば他の職歴を選択しましょう。
本日は宜しくお願いいたします。
大学卒業後は、飲食店での接客業や文具メーカーの営業職として経験を積んできました。現在は、食品メーカーの営業事務として4年間勤務しています。
昨年簿記2級を取得し、それを活かして数字管理に注力しながら営業サポートを行っています。
御社に入社した際には、数字管理に関する強みを活かして売上アップと市場拡大に貢献したいと考え応募しました。
本日は、どうぞ宜しくお願いいたします。
応募先で活かせる経験を話す
経験職種や役職などからマッチしそうな内容を選択して話しましょう。
自己紹介の内容を通して、面接官が活躍する姿をイメージしやすいことが特徴です。
自分の職歴やスキルのなかで、活かせそうな職歴を選び、具体的なエピソードをそえて話すことがポイントです。
貴重なお時間をいただきまして、ありがとうございます。システムエンジニアとして、今までに2社、合計7年間の実務経験があります。株式会社○○では2年間チームリーダーを任されており、5名のメンバーをまとめ、設計書や進捗の管理、トラブル対応を行ってきました。
御社では、システムエンジニアとしての実務経験、チームリーダーとしての管理経験を活かし、管理職として活躍したいと考えます。
本日は、どうぞ宜しくお願いいたします。
業種・職種でまとめて話す
職歴が複数ある場合、すべて話していると長くなり内容がまとまらなくなってしまいます。そのため、業種や職種ごとに整理するとわかりやすく自己紹介ができます。
自分が応募する企業とアピールしたいポイントにあわせて、業種でまとめるべきか、職種でまとめるべきかを選択しましょう。
【例文】○○と申します。本日は宜しくお願いいたします。
大学卒業後、大手家電量販店で3年間、アパレルショップで4年間、販売員として勤務してきました。
また、営業職としては医療器具メーカーで5年間、現職の文具メーカーで4年間勤務し、昨年は年間で営業成績トップとなりました。
販売職、営業職として培ってきたコミュニケーション力と、プレゼンテーション力を活かして、営業職として御社に貢献したいと考えます。
本日は、どうぞ宜しくお願いいたします。
未経験かつ実績がない場合
業種・職種ともに未経験で、過去に目立った実績もない場合、応募先企業に貢献できるポイントを探してアピールすることが大切です。
仕事へのスタンスやチームメンバーとの関わり方など、企業のホームページなどを確認して合う内容を考えましょう。
貴重なお時間をいただきまして、ありがとうございます。大学卒業後、人材サービス会社の営業職として2社合計7年間、書店販売員として2社合計8年間勤務しています。
営業職・販売職ともに事務処理が多く、作業をミスなくスピーディーに進めるため、チェックシートを作成し業務の効率化を進めてきました。
また、お客様とコミュニケーションをとる時間も大切にしています。
効率的に業務を行ってきた経験を、御社の総務部に事務職として入社しても活かしていきたいと考えます。
面接の自己紹介は、転職が多い人もポジティブに話せば好印象に
転職が多いことは、必ずしもマイナスに評価されるわけではありません。
話し方と内容次第で、面接官に好印象を与えられます。
そもそも、すべての職歴と転職理由を話す必要はなく、整理して話すことが大切です。
例えば、応募先で活かせる経験を伝える、業種や職種でまとめてわかりやすく話すなど、相手にわかりやすく伝えましょう。
また、転職理由を伝える際はキャリアアップのためといったポジティブな理由を話すことで、印象が良くなります。
転職回数が多くても引け目を感じず、企業に魅力が伝わるよう自分の強みをアピールしましょう。