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退職は3ヵ月前に言うのが常識?就業規則との兼ね合いも解説

この記事の監修者
緒方瑛利
【資格】
・社会保険労務士(東京都社会保険労務士会所属)
・ITストラテジスト(日本ITストラテジスト協会正会員)

【プロフィール】
北海道むかわ町生まれ。2013年、東京都競馬㈱へ入社し総務・IR広報等を担当。2018年に経済団体へ転職、創業・融資相談業務等に従事。2019年に社会保険労務士試験とITストラテジスト試験に合格。2020年にITに強い社会保険労務士事務所としてロームテックを開業。

退職に際して「いつ会社に伝えれば良いのだろう」と悩んでいる方は少なくないでしょう。

会社によっては就業規則に「退職意思は3ヵ月前までに伝える」などと記載されている場合があります。
しかし民法上は、退職の意思は2週間前までに伝えていれば適法です。

本記事では、退職を伝える最適なタイミングや、伝える際の注意点、また就業規則にある「3ヵ月前」といった期限の意味などを解説します。

退職を3ヵ月前に会社に言う法律はない

退職を3ヵ月前に会社に言う法律はない

退職について「3ヵ月前までに会社に伝えること」と就業規則に記載されていても、その規則を守らずに会社を辞めること自体は可能です。
ここでは、退職の意思を伝える時期についての、民法上のルールを詳しく見ていきましょう。

民法上は2週間前に伝えれば良い

民法第627条では、無期雇用など雇用期間が定められていない人が、会社に退職を伝える時期について「雇用は、解約の申入れの日から2週間を経過することによって終了する」と規定しています。
また、就業規則で退職手続きについて定めていた場合でも、法律である民法が優先されます。

よって、就業規則で「退職の申し出は3ヵ月前まで」とされていても、退職の2週間前までに伝えれば、会社を辞めることは可能です。

ただし、年俸制で働く人の場合はルールが異なります。
6ヵ月以上の期間によって報酬が定められている場合、3ヵ月前までに退職を申し出る必要があります。

退職の3ヵ月前に伝えられると理想的

退職の際には、業務の引き継ぎや有給の消化など、退職日までにやるべきことが数多くあります。
また、後任者の選定にも時間がかかるため、できるだけ早く伝えたほうが会社に迷惑がかかりません。

よって、就業規則や契約書に「退職の意思は3ヵ月前までに伝える」などの記載があるのならば、その期限をできる限り守るべきでしょう。

就業規則を守ることで、退職が円満なものになり、退職後も良好な関係を保ちやすくなります。

就業規則の「退職3ヵ月前」は何のための期間?

会社の就業規則で「退職の申し出は3ヵ月前まで」などと規定されているのは、それが退職の手続きや準備に必要な期間だからです。
就業規則で定められている期間は何のためにあるのか、以下で詳しく解説するので確認してみましょう。

退職を受理されるまでの期間

退職を伝えてから社内で伝達されたり承認が下りるまで時間がかかることも多いため、退職を伝えてすぐに受理されるとは限りません。

直属の上司に退職を伝えると人事など社内で伝達され、話し合いが行われたり場合によっては引き止められることもあり、交渉や承認が下りるまでに時間がかかります。

一般的には退職を申し出てから承認されるまで1〜2週間ほどといわれていますが、スムーズに承認してもらえない場合はさらに時間がかかるものと考えておきましょう。

人材の配置や引き継ぎをする期間

退職をする際には、後任の選定や人材の確保、また業務の引き継ぎなどが必要です。
これらは通常の業務と並行して行われるため、時間を要します。

一般的に引き継ぎにかかる期間は1ヵ月ほどといわれていますが、他部署からの異動や新規で採用をする場合はさらに時間が必要です。

引き継ぎをしなかったことにより、会社が損害を被った場合には賠償責任を問われることもあるため、自分のためにも退職までの期間は余裕を持って設定しましょう。

有給を消化するための期間

退職するときに有給が残っている場合、消化することができます。
よって、引き継ぎのスケジュールを組む際には、消化する有給の日数も考慮しましょう。

引き継ぎが中途半端な状態で有給を取ってしまうと、休暇中や退職後に連絡が入ったり、場合によっては呼び出されてしまうこともあります。

3ヵ月前に退職を伝える際の注意点

退職を伝える際には、以下4つのタイミングや伝え方を避けるように注意することで、スムーズに退職がしやすくなります。

  • 会社や上司の都合が悪いタイミング
  • 重要なビジネスを任されているとき
  • 人事異動の直後
  • 間接的な方法

繁忙期や、重要なビジネスを任されている時期、人事異動の直後などは、会社が慌ただしく、退職の手続きにも時間がかかってしまうため、避けたほうが良いでしょう。

最初に退職の意思を伝える相手は、直属の上司にしましょう。
人伝などにはせず、アポを取ったうえで直接伝えることが重要です。

また、転職を考えている場合は、転職先が決まってから退職の意思を伝えると、転職をスムーズに進めやすくなります。

退職表明は「3ヵ月前」といった就業規則も考慮して退職は円満に

民法には「雇用は、解約の申入れの日から2週間を経過することによって終了する」と規定されています。
よって、就業規則に「退職の意思は3ヵ月前までに伝えること」とあっても、それを守らず退職することは可能です。

しかし「3ヵ月前まで」などの期間は、スムーズな引き継ぎや後任の選定のために設定されている期間でもあります。
よって、円満な退職をめざすのであれば、就業規則に従って退職を伝えるべきでしょう。

退職を伝える際は人事異動の直後や重要な仕事の最中、また会社や上司が都合の悪いタイミングは避け、最初に直属の上司に直接伝えることが大切です。

執筆者について

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