自己PRは、就職活動や転職活動の際に履歴書に記載し、面接時には必ずといって良いほど質問される事柄です。
しかし、自己PRの内容を考え始めると、何を書けば良いのかわからず、悩んでしまう人も少なくありません。
そこで今回は、自己PRで盛り込むべき内容や、具体的な例文をご紹介します。
目次
自己PRの例:盛り込むべき内容
自己PRは、自分が応募企業の求める人材であること、入社後に役に立てることをアピールするものです。
そのため、自身の強みと企業が求める人物像を理解したうえで、そのふたつが一致する部分を示す必要があります。
例えば、学生時代に電気・電子情報や機械工学を学んだ人が、無線機器やプログラム開発を行う企業に応募するとします。
このケースでは、学生時代に学んだ知識や開発経験が、応募企業の業務と関係しているため、以下のような自己PRが可能です。
私は学生時代、電気・電子情報を学んでいました。
ロボット相撲や無線機の研究・開発を行い、実際に企業と連携して商品開発した経験もあります。無線を使用した災害時の探索機器の研究・開発をなさっている御社で、私が培ってきた知識や経験を、ぜひ役立てたいです。
【強み・職種・経験別】自己PRの例文
ここからは、自己PRの例文を見ていきましょう。
強み別、職種別、経験別にそれぞれ紹介するので、参考にしてください。
強み別:自己PR例文
自己PRで用いられる強みのなかでも代表的なものとして、以下の3つについての例文を紹介します。
- 責任感
- 自己管理能力
- チャレンジ精神
そもそも、自己PRでアピールできる自分の強みがわからないという人は、以下の記事で探し方のポイントを解説していますので、参照してください。
責任感
物事を最後までやりとげる責任感は、業種、職種に関わらず活かせる強みです。
そのため、自己PRにも用いやすいでしょう。
以下に例文を紹介します。
【例文】私の強みは、何事も投げ出さず最後までやり遂げる責任感です。
まだ介護職について間もない頃、介護士の先輩が長期休暇に入り、急遽先輩が担当している入所者様のお世話についたことがありました。
変化を嫌う方だったので、入所者様に怒鳴られたり介護を拒否されたりしたのですが、ここであきらめては入所者様にも施設にもご迷惑になると思い、毎日笑顔で接することを心がけました。
入所者様と少しずつ心の距離を縮め、最終的には冗談を言い合えるほど打ち解けられたのは、私の自信にもつながっています。
御社へ入社したら、持ち前の責任感で最後まで仕事に取り組み、関わったすべての人が笑顔になれるよう努めたいです。
自己管理能力
目標から逆算して自分の行動を決められる自己管理能力も、業種を問わず活かせる強みです。
特に中~長期的な目標達成が求められる職種では、有効なアピールポイントとなるでしょう。
以下に例文を紹介します。
【例文】私の強みは、何事においても目標を定め、達成するために計画的に行動する自己管理能力があることです。
私は学生時代陸上部に所属し、短距離走を専門としていました。
しかし、僅差で私よりも早いチームメイトがいたため、2年生まで公式競技の選手に選ばれませんでした。
そこで、私は最終学年の大会で400メートルリレーの選手になることを目標に掲げ、自分に足りない筋力をつけるトレーニングを続けました。
計画的なトレーニングを行ったので、体を壊すことなく理想的な筋力がつき、最終学年で目標のリレー選手になれたことは良い思い出です。
御社に入社したら、自己管理能力を活かして計画的に仕事を進め、確実な結果が出るよう努めたいです。
大学生の就職活動に役立つ自己PRの情報を、もっとくわしく知りたい方は以下のページもご参照ください。
チャレンジ精神
困難な仕事にも前向きな姿勢で取り組めるチャレンジ精神も、よく用いられる強みの一つです。
チャレンジ精神にあふれる人材も、先にあげた責任感や自己管理能力を持つ人材と同じく、どの企業でも重宝されます。
なかでも未経験の業種への転職や、革新的な仕事に挑戦するような企業へのアピールとしては特に有効でしょう。
以下に例文を紹介します。
【例文】
私の強みは、チャレンジ精神が旺盛で、何事にも全力で取り組む姿勢です。
前職で勤務していた会社で、残業時間を減らす取り組みが社内全体で行われましたが、それぞれが連携しておらず無駄が多いと感じました。
上司に進言したところ、私を中心とした働き方改善チームが作られ、仕事の進め方や部署の垣根を超えた連携など、新しい仕事の流れを提示したことがあります。
今までにないやり方だったので戸惑う人もいましたが、新しい仕事の流れにしたところ効率が上がり、最終的に残業時間の大幅カットに成功しました。
新しい取り組みを提案・実行するのは、責任をともない緊張する作業です。
しかし、チャレンジ精神を持って仕事に取り組めば、思った以上の結果とやりがいを感じられると考えます。
御社で私のチャレンジ精神を活かし、困難な仕事やプロジェクトで結果を出していきたいです。
職種別:自己PR例文
応募する企業の職種に合わせた自己PR文を作成するのも良い方法です。
ここでは、職別の自己PRの例文をご紹介します。
営業職
営業職の自己PRでは、自分のセールスポイントを数字で明確にすると、文章も作成しやすく採用担当者の印象にも残るでしょう。
以下に例文を紹介します。
【例文】
私は、前職で〇〇システム株式会社の医療システム部で営業を担当していました。
大きな医療施設では、早い段階から電子カルテや情報共有システムなどが採用されていましたが、私が担当していたのは、個人病院や入院施設がないクリニックです。
個人病院や小さなクリニックだと、システム導入に積極的ではないケースも見られ、売り上げも伸び悩んでいました。
しかし、各病院にこまめに足を運んで、医療システム導入のメリットを根気強く伝えたところ、前年度と比較して売り上げを20%伸ばした実績があります。
御社に入社しましたら、一度断られてもあきらめない根気強さで、営業業績を伸ばしたいです。
事務職
事務職の自己PRでは、持っているスキルや資格をセールスポイントにすると、文章がまとまります。
例文は以下のとおりです。
【例文】
私は以前、食品加工会社の事務を担当していました。
おもに担当していたのは、贈答品の受注から発送までの管理と伝票整理などです。
お中元・お歳暮の季節になると、1ヵ月で万単位の件数を処理しなければならず、エクセルやワードの検定資格がとても役立ちました。
パソコン操作では、速さはもちろんですが正確性も問われます。
御社に入社したら、パソコン操作の技術と資格を活かし、早くて正確に業務を遂行したいです。
接客業
接客業の自己PRは、営業職や事務職のように、はっきり提示できる数字や資格がないので、過去の経験やエピソードを盛り込むと良いでしょう。
例文は以下のとおりです。
【例文】
私は、前職で〇〇スーパーのレジ業務をおもに担当していました。
電子マネーが導入されて以降、さまざまな種類の電子マネーを利用するお客様がいらっしゃったので、何を質問されても答えられるよう日々勉強していました。
お客様のなかには、自分が使いたい電子マネーが使えないことでクレームを入れたり、店内で騒いだりする方もいらっしゃいます。
しかし、落ち着いて話をうかがい、一緒に悩んだり考えたりすることで、お客様を落ち着かせ和解する方法を身につけました。
御社の店舗でも、身につけた接客スキルを活かし、お客様に喜んでいただける接客をしたいと考えています。
経験別:自己PR例文
自己PRで盛り込む内容は、新卒・経験者・キャリアチェンジなど、過去の経験の有無や将来の展望でも異なります。
経験別の自己PRの例文を、以下でくわしくご紹介します。
新卒
新卒者は、社会人経験がないため、仕事で役立つポータブルスキルをセールスポイントにしましょう。
「冷静な判断力がある」「協調性がある」「物事の解決をうながす提案力がある」など、
現在身につけているポータブルスキルを自己PRに盛り込みましょう。
例文は以下のとおりです。
【例文】
私は、大学で児童教育の研究会に所属し、大学近郊の小学校で定期的に行われる交流会に参加してきました。
交流会に参加する学生の性格もさまざまなので、イベントの企画段階から意見が割れたり、まとまらなかったりしたこともあります。
私は、自分の意見を述べる前にまず相手の話を聞き、理解してから疑問点をたずねたり指摘したりして、できるだけ冷静に判断できるよう努めてきました。
私の姿勢に共感し、認めてくれた仲間から頼られたり、顧問の教授に冷静さを褒められたりした経験もあります。
御社に入社したら、冷静な判断力と意見を聞く姿勢を忘れず、協調性を持って仕事に取り組みたいです。
新卒の自己PRに役立つポイントなどの情報は、以下のページでくわしくご紹介しています。
ぜひ参考にしてみてください。
経験者
すでに社会人経験があり、何かしらのスキル・キャリアがある人は、仕事での経験を踏まえた自己PRにしてみましょう。
例文は以下のとおりです。
【例文】
私は、前職で食品加工業の製造ラインを担当しており、業務の管理者をした経験があります。
1日の製造数は決まっていますが、主婦で子育て中のパート・アルバイト職員もかなりの人数がいたので、作業員数を確保するため出欠管理を任されたこともあります。
お子さんの急病など、パート・アルバイト職員の突発的な休みで悩むこともありましたが、アクシデントに対応する能力や、マネジメント能力なども身につけることができました。
御社でこのスキルを活かし、予定どおりに仕事を進められるよう尽力したいです。
キャリアチェンジ
前職と関連性がない、未経験の企業へキャリアチェンジする場合の自己PRでは、未経験でも役立てられるスキルや、新しい分野への意気込みを伝えることが大切です。
具体的な例文は以下のとおりです。
【例文】
私は、以前介護用品のルート営業をしていました。
仕事柄、介護が必要な人やそのご家族と話す機会があったのですが、実際に使用する人の不安を取り除くためには、私自身に介護の経験が必要だと感じました。
介護士の仕事は未経験ですが、知識と経験から使いやすい介護用品などのアドバイスができます。
御社で過去のキャリアを活かし、利用者様とご家族に笑顔になってもらえる介護士になりたいです。
転職者に役立つ自己PRの情報は、以下の記事でもくわしくご紹介しています。
ぜひ参考にしてみてください。
自身の強みや経験をもとに自己PRを考えよう
自己PRで大切なのは、採用担当者に「この人と一緒に働いてみたい」と思ってもらえるような、自分のセールスポイントを伝えることです。
自分の強みや経験を掘り下げ、応募する企業が求める人物像と照らし合わせると、アピールすべきポイントが見えてくるでしょう。
自己PRは、より具体的な内容を盛り込むと、採用担当者もイメージしやすく印象に残ります。
過去のエピソードや結果・数値などを書き添え、ほかの応募者の自己PRと差をつけてみましょう。