雇用保険の失業等給付(失業保険)は、退職したら必ずもらうものだと思っていませんか?
実は、失業保険はもらわないほうがメリットになる場合があるのです。
失業保険をもらうべきか、もらわないべきかは、そのときの自分の年齢や再就職の予定などによって異なります。
この記事では、失業保険をもらわない場合のメリットや、受給中に再就職が決まった場合などについて解説します。
目次
失業保険はもらわないという選択肢もある
失業保険は、退職した際に必ずもらうものではありません。
失業保険をもらうか、もらわないかは、自由に選択することが可能です。
どちらを選べば良いか迷ったときは、退職理由、在職期間、次の転職先が決まっているかどうかなどが判断材料となってきます。
例えば、会社都合退職である場合は、自己都合退職のときと比べて受給可能日数が大幅に増えます。
さらに待機期間がなく、すぐに受給できるため失業保険を受け取るメリットは大きいといえるでしょう。
自己都合退職の場合は給付開始までに2~3ヵ月かかるので、給付開始期間までの生活費に余裕がない場合は、早めに就職先を探すのがおすすめです。
失業保険をもらわないメリット
ここでは、失業保険をもらわない場合のメリットについて解説します。
雇用保険の期間がリセットされない
まず、雇用保険の期間がリセットされないというメリットがあります。
失業保険は、雇用保険の加入期間が長いほど多くの金額を受け取ることが可能です。
しかし、一度退職して失業保険を受給してしまうと、雇用保険の加入期間がリセットされてしまいます。
その場合、次の就職先を退職したときにもらえる失業保険は少なくなってしまうということです。
一方で、一回目の退職のときに失業保険を受給しなかった場合、次の就職先を辞めても雇用保険の期間は合算されるため、もらえる失業保険の受給日数も長くなります。
自分の年齢や次の就職先の予定などを考慮して選択すると良いでしょう。
申請の手間が省けてスムーズに就活を進められる
失業保険を申請するために、ハローワークに出向く必要があります。
さらに、失業保険受給中には月に1回、失業認定のためにハローワークに行かなければなりません。
月に1回とはいえ、退職後の就職活動をすみやかに済ませたいのであれば、ハローワークでの手続きが負担になるケースもあるでしょう。
失業保険をもらわない場合は、ハローワークに通うために割いていた時間を、就職活動に充てることができます。
失業保険をすべて受け取らないほうが良いケース
失業保険はすべて受け取らないほうが良いという場合もあります。
具体的には、失業保険において基本手当の給付を3分の1以上残した状態であれば再就職手当、給付日数が3分の1以上かつ45日以上あれば就業手当を受け取ることが可能です。
基本手当日額は年齢によって変わりますが、再就職手当の場合、上限は6,190円、就業手当の場合、上限は1,857円となります。
失業保険を受け取るためにはさまざまな手続きが必要であり、かつ前職の5~8割となるため金銭面での余裕を考えると早めに就職したほうがメリットが大きいといえるでしょう。
さらに、再就職手当を受給した人が前職よりもある一定の条件で賃金が少なかった場合、就業促進定着手当を受け取ることができます。
失業保険はもらわないほうが良いケースもあるので、よく考えて申請しよう
失業保険をもらうか、もらわないか、どちらがメリットがあるのかについて解説してきました。
失業保険は働かずしてお金が手に入るので、もらったほうが得だと思われる方も多いかもしれません。
しかし、もらわない場合のメリットも知っておくことで、自分の状況に合わせた選択をすることができます。