転職活動を始めるとき、できるだけ最短で採用が決まるよう、計画的に進めたいと考える方も多いでしょう。
やるべきことがはっきりしていると、スケジュールも立てやすく迷うことがありません。
しかし、やるべきことの具体的な内容と面接までの流れを理解していないと、順番が狂って時間がかかってしまいます。
転職活動でやるべきことをリスト化する方法や、事前準備から面接本番までの流れを詳しく見てみましょう。
目次
転職時は「やることリスト」を作ると便利
転職活動は、次の流れで行うとスムーズに進められます。
- 転職活動前の事前準備
- 履歴書や職務経歴書の作成と送付
- 面接の準備
- 内定をもらったあとの退職手続き
事前準備として、まずは自分のキャリアの再定義や求人情報の収集を行います。
1週間ほどかけて作業をしたら、次に履歴書や職務経歴書などの書類作成へ進みましょう。
応募企業に合わせた内容で書き進めるため、こちらも1週間程度は必要です。
必要書類を提出して面接の日取りが決まったあとは、質問される内容を想定した面接の練習をします。
書類送付から面接を受けるまで、2ヵ月は見ておきましょう。
内定をもらったら退職手続きをします。
仕事の引き継ぎや退職に関わる諸手続きがあるため、最短でも1ヵ月は必要です。
転職活動はやるべきことが多いので、抜けがないよう気をつけなければなりません。
やることリストを作成して定期的に見直し、進捗をチェックしながら進めてみてください。
転職を決めたらまずやることは?
転職を決めたあと、勢いのままにすぐ応募する方もいますが、何も準備せず行動するのはあまりおすすめできません。
まずは第三者の視点で自分のスキルやキャリアの棚卸しを行い、転職先に求める条件を明確化する作業が必要です。
以下で詳しく解説します。
キャリアを再定義する
キャリアの再定義とは、自己分析して強みや弱みを見極め、自分にできること、転職で実現したいことなどをまとめる作業です。
自分の叶えたい目標が定まるので、企業とのミスマッチや転職活動の長期化を防げます。
例えば「正当な評価をしてくれる企業へ転職したい」場合、自分のスキルとキャリアにマッチした企業へ応募すると良いでしょう。
残業や休日出勤の多さが理由で転職するなら、仕事の効率化・福利厚生の改善に力を入れている企業を探すのがおすすめです。
求人情報を集める
自分のキャリアや転職の目的をはっきりさせたら、求人情報を集めます。
求人情報誌や求人サイトなどを利用し幅広く情報を集めると、自分のキャリアや希望に合った企業を見つけやすいでしょう。
求人情報では、各企業の社風や方針、その企業で働くメリットを確認します。
個人の能力を正当に評価している企業なら、収入にも反映されてやりがいを感じられるでしょう。
福利厚生が充実している企業なら、ワークライフバランスが整いやすくなります。
転職希望者の場合、転職エージェントに登録するのも効率的な方法です。
転職エージェントは、登録すると担当者が相談に乗ってくれたり、企業側からスカウトの連絡が来たりするケースもあります。
求人情報集めは、企業研究の第一歩です。
応募する業界の動向や各企業の方針・雰囲気をチェックしてから応募すれば、入社後のミスマッチも防げるため、積極的に求人情報を集めましょう。
転職先の条件を明確にする
転職活動の前に、自分が転職先に求める条件を明確にしてみてください。
現職で感じている不満を整理したうえで、譲れないと思う条件をはっきりさせると、優先順位が決まり応募企業を探しやすくなります。
例えば、仕事内容をはじめ福利厚生・社風・人間関係などの企業情報を集めたとき、譲れない条件が定まっていれば、そこに重きを置いて比較が可能です。
譲れない条件がまだはっきりしない方は、転職サイトやエージェントの職業適性診断を利用して、転職先へ求める項目を絞ってみましょう。
転職時にやること1:書類の準備~送付まで
自身の棚卸しが終わり応募したい企業を決めたら、下記の手順で準備を進めます。
書類の準備から送付までの流れをチェックしてみましょう。
職務経歴書や履歴書の準備をする
転職活動において、企業側はまず応募者から送られてきた履歴書や職務経歴書を確認し、面接するかしないかを書類選考します。
そのため事前に行った自己分析をもとに、志望動機と自己PRを整理して、採用担当者から会ってみたいと思われる文章を作成しましょう。
エントリーシートも同様で、応募する企業に合わせたスキルやキャリアを記載します。
見やすいレイアウトや文章、印象に残るキーワードを選ぶことも大切です。
書類作成にあたって、記載のマナーや書くべき項目がうまくまとまらない人は、インターネット上で公開されているテンプレートを利用してみましょう。
かる・けるでは履歴書のテンプレートをダウンロードできます。
会員登録後に必要事項を記入すれば、自動で履歴書を生成できるのでぜひご活用ください。
書類を送付する
履歴書や職務経歴書が書き上がったら、以下の流れで送付します。
各項目を確認しながら作業を進めてみてください。
提出前のチェック
提出前には、次の項目をチェックしましょう。
- 空欄がないか
- 写真の貼り忘れがないか、貼り方に問題がないか
- 必要箇所への捺印漏れがないか
- 住所・氏名・学校名・会社名を正式名称で記載しているか
- 連絡先の記載漏れや間違いがないか
- ふりがなの書き忘れがないか
- 学歴・職歴に間違いがないか
- 誤字・脱字がないか
- 面接練習のためのコピーをとったか
封筒と送付状の書き方
提出書類の準備が終わったら、送付用の封筒と送付状を準備します。
上から順に、送付状・履歴書・職務経歴書・その他の書類を重ね、クリアファイルにはさんでA4サイズの封筒に入れましょう。
二つ折りでB5サイズまでなら、書類を折っても問題ありません。
封筒の表書きは、郵便番号と応募先企業の住所、応募先の企業名・採用担当部署名が必要です。
中央の企業名・採用担当部署名には御中をつけます。
また、朱書きで「履歴書在中」と書き、赤ワクで囲むのを忘れないようにしましょう。
送付状は、採用担当者へ向けた挨拶状です。
送付年月日と応募する企業名・採用担当者名、応募者の氏名・住所・連絡先を記載して、求人に応募する旨を伝えます。
送付状は、1枚にまとまる程度の長さにしてください。
書類送付時の注意点
応募書類の送付時は、次の項目に注意しなければなりません。
- 書類は折り目がつかない大きさの定形外封筒に入れる
- クリアファイルに書類をはさんで汚れないようにする
- 郵便料金の不足がないよう送料を調べる
- 期限に間に合うタイミングで送付し、急ぐときは速達を利用する
- 書き留めは応募企業の手を煩わせるので避ける
- 可能であれば書類送付の旨をメールでも伝えておく
書類の提出が面接時だった場合も、送付時と同様に封筒へ入れて渡すのがマナーです。
転職用の書類以外の準備に関する情報は、下記のページで詳しくご紹介しています。
こちらもご参照ください。
転職時にやること2:面接の練習~本番まで
応募書類を送付したら、面接に備えて受け答えの練習をしましょう。
練習に必要な事前準備と練習方法、面接当日のチェックポイントをご紹介します。
面接の準備をする
面接では、志望動機から応募者個人への質問まで、さまざまな内容が問われます。
それと同時に応募者から企業に対しても質問できる機会なので、事前にしっかりイメージトレーニングしておくことが大切です。
面接前に準備しておきたい内容を、以下で詳しく解説します。
応募する企業の情報を集める
面接を受ける前には、あらためて応募する企業の情報を集め直しましょう。
応募書類を作成する段階で、インターネットやパンフレット上からある程度の情報を集めているはずですが、それだけでは実際の社風などはうかがい知れないこともあります。
面接で必要なのは、より具体性のある生きた情報です。
例えば、応募する企業で働いた経験がある知り合いや、同業他社に務める友人・先輩から話が聞ければ、具体的な内容で受け答えができるでしょう。
応募企業の近辺に足を運ぶほか、口コミサイトでの評判を確認するのもおすすめです。
面接の質問に関する情報は、以下のページでもご紹介しています。
企業に質問したいことをまとめる
応募企業への逆質問は、集めた情報だけではわからなかった疑問を提示し、企業への理解を深める良い機会です。
より深掘りした情報を得られたら、入社後にミスマッチが起こるリスクも軽減できます。
また、逆質問をすることで入社したい意欲や積極的な姿勢を示せるため、採用担当者に好印象を与えられるでしょう。
対して、面接官から質問がないか尋ねられたとき「特にありません」と答えるのはあまり印象が良くありません。
逆質問はチャンスと考え、積極的に話を聞けるよう準備してみてください。
面接の逆質問に関する情報は、以下のページでもご紹介しています。
面接の練習をする
面接の事前練習では、よく聞かれる質問を想定したうえで回答内容をまとめておくのがベターです。
定番の質問としては次のような内容が挙げられます。
- 自己紹介
- 転職を考えた理由
- 応募企業への志望動機
- 自身の長所・短所
- 仕事に関する成功体験や失敗体験
- 応募企業への逆質問
特に、志望動機は履歴書に書いた内容を丸暗記して答えてはいけません。
口頭で質問されているため、相手に合わせて柔軟に答える姿勢が大切です。
声の出し方や話すペースを意識して、採用担当者が聞き取りやすい答え方を練習しましょう。
面接当日
面接当日は、着衣から身のこなし・話し方まで、マナーを守った対応が求められます。
当日は濃紺やグレーなど落ち着いた色合いのスーツを着用し、男性はネクタイも忘れないようにしましょう。
女性は派手な化粧を避け、落ち着いた髪色・髪型で臨むのが一般的です。
面接では、入室する立ち振る舞いから最初の質問までのわずかな時間で印象が左右されます。
挨拶の声が小さすぎたり言葉遣いが粗かったりすると、面接官にネガティブな印象を与えかねません。
採用担当者は、入室前のノック・ドアの閉め方・挨拶の仕方・お辞儀の仕方など、ビジネスマナーもチェックしています。
身につけておくべきマナーのポイントもチェックして、好印象を持ってもらえるよう練習しておきましょう。
自分自身も応募先の雰囲気に合うのか判断する
面接は、自分自身が応募先の雰囲気に合うかどうかも判断できる場です。
残業の有無や休日出勤の頻度、社員同士のお付き合いについて面接で説明されたとき、自分に受け入れられるか否かでマッチ度の高さがわかります。
お互いの情報と要望を綿密に伝え、マッチングすれば理想的な転職が実現できるでしょう。
転職の面接を受けるときは、マナーを守りつつ逆質問で企業の情報を掘り下げ、自分自身が応募企業に合っているかを確認してみてください。
転職時にやること3:内定確定後の流れ
転職活動の末に内定が決定したら、必要な手続きを行って転職完了です。
具体的な内容を以下で詳しく解説します。
内定を承諾する
面接を受けた企業から内定の通知を受け取ったら、労働条件などを確認し、問題がなければ承諾します。
賃金や労働時間などの雇用条件が記載されているため、自分の認識とズレがないかを確認しましょう。
企業によっては内定を承諾するか否かの回答に期限を定めているケースもあり、結論が出ている場合は速やかに回答するのがベターです。
何かしらの事情で期限までに回答できない場合は、応募企業へ連絡して期限の延長を交渉してみてください。
新しい職場への移行に必要な手続きをする
内定を承諾したら、現在の勤め先へ退職交渉します。
退職日が決定したら、仕事の引き継ぎや後任選び、健康保険証・社員証・社内で使っていた備品の返還など、必要な手続きを行わなければなりません。
場合によっては引き継ぎや手続きに時間がかかり、予定入社日に間に合わないこともあります。
退職手続きの進捗は新しい職場へこまめに伝えて信頼関係を築いておき、万が一入社日に間に合わないときは相談すると良いでしょう。
また、退職後から新しい職場への入社までに期間がある方は、年金や健康保険料などの手続きが必要なケースもあります。
どのくらい期間が空くのかを調べ、必要があれば個人で手続きを行いましょう。
退職手続きに関する情報は、以下のページでも詳しく解説しています。
転職時はやることをリストにまとめて一つずつこなそう
転職活動は、やるべきことを時系列で書き出してリストにまとめ、定期的にチェックしましょう。
リストにまとめておくと転職活動から退職までの流れを可視化でき、計画的に進められます。
また、リストをチェックすれば転職活動の事前準備もしやすく、抜け漏れが起きるリスクを減らせます。
やることリストを作成し、一つずつ丁寧に対応して転職活動を成功させましょう。
転職活動の詳しいやり方は、以下のページでもご紹介しています。
あわせてご参考ください。