新卒として働き始めたものの、「今の会社のままで良いのだろうか」「他の仕事も経験したい」と、20代のうちに転職を考える人も一定数いるでしょう。
実際に20代の転職割合は男女ともに10%を超えているのが現状で、20代での転職は決して珍しいことではありません。
20代はポテンシャルなどの将来性が期待されるため、未経験の仕事にも転職が可能です。
今回の記事では、20代での転職を検討している方に向けて、転職の成功ポイントやおすすめの業界を紹介します。
目次
20代で転職するメリット
転職をすると、自身の市場価値を知ることができ、習得すべきスキルや将来の方向性を、あらためて確認できます。
また、「20代」という比較的若い年代で転職することで、以下のようなメリットが得られます。
未経験の職種・業界にチャレンジしやすい
20代であれば、今までの経験や身につけたスキル以外にも、新しい仕事環境に適応できる柔軟性や入社後の成長性が期待されます。
会社によってはスキルを重要視していない場合もあり、比較的未経験の職種や業界にもチャレンジしやすいでしょう。
また、入社3年未満であれば、第二新卒枠を狙うことができます。
第二新卒枠は、新卒と同様に今後の成長性に期待されており、教育や研修などの手厚いサポートを受けられます。
未経験の仕事をじっくりと学んでいきたい人にとって、最適な採用枠となるでしょう。
第二新卒の定義や転職については、こちらの記事を見てみましょう。
ポテンシャルを重視してもらいやすい
先述した未経験の職種・業界にチャレンジしやすい点とつながりますが、20代という若い世代では、経験よりもポテンシャルを重視してもらいやすいです。
面接で、採用担当者が納得できるような志望理由や転職理由を話し、仕事に対する熱意を表現することで、スキルや経験がなくても内定につなげることができます。
30代以降の転職では、採用担当者は応募者のスキルや経験を重視し、採用することによる会社へのメリットや即戦力を求めてきます。
20代での転職は、自身の成長性を買ってもらえる好機であり、キャリアへの希望を反映させやすいといえるでしょう。
年収アップの可能性が高い
転職では、年収水準の高い業界に転職したり、中小企業から大企業に転職したりすることによって、年収を上げられる可能性があります。
特に20代では未経験の業界にもチャレンジしやすいため、現在よりも給料水準の高い業界にも転職しやすいこと、ポテンシャルも給料に反映されやすいことなどが、年収を上げられる要因です。
厚生労働省の令和2年転職者実態調査の概況によると、転職により年収が増加した割合は以下の表のようになっており、20代は約二人に一人の割合で年収が増加しています。
全年齢の平均と比較しても、20代のほうが転職によって給料が上がる割合が多いことがわかります。
年齢 | 割合 |
全年齢 | 39.0% |
20~24歳 | 46.5% |
25~29歳 | 46.3% |
【20代の転職】成功ポイント
転職するのであれば、自身の目的を達成し、転職を成功させたいと思う方がほとんどでしょう。
ここでは、20代での転職を成功させるために押さえておくべきポイントを紹介します。
転職理由を明確にする
転職活動を進める前に、まずは転職理由を明確にしましょう。
転職理由を明確にせずに、「なんとなく今の会社が嫌だから」などという曖昧な理由で転職活動を開始しても、軸がぶれるため自身に合う転職先を見つけることが難しくなります。
現状への不満や理想のキャリア・働き方を書き出して、転職先で実現したいことを決めてから、転職活動を開始するようにしましょう。
自身のキャリアを具体的にイメージする
転職活動をする際には、自身のキャリアを具体的にイメージしましょう。
「営業職をやってみたい」などの漠然としたイメージではなく、営業を通して実現したいことや、貢献したいことを深掘りしていくことが大切です。
そのために、まず自己分析を行い、自身の考え方や価値観を客観的に把握しましょう。
自身にあった転職先を見つけるためにも、中長期的な視点で、働きたい業界や貢献したい仕事、達成したい目標、仕事への向き合い方を考えていきます。
企業が求めていることを意識して面接に挑む
面接には、企業側が応募者に対して求めていることや、企業の価値観を意識して挑みましょう。
企業は応募者の年齢、採用枠(経験者採用なのか未経験者採用なのか)によって、応募者に求めることが異なります。
例えば、経験者採用であれば、即戦力となれるスキルの有無を、未経験者採用であれば志望理由やポテンシャル、業務内容への理解や熱意を重要視しています。
20代前半と20代後半では、企業が応募者に求めることが異なるため、アピール方法を変える必要があるのです。
面接対策の段階から、企業の視点を踏まえて準備をしていきましょう。
【20代前半】仕事への意欲・熱意をアピール
社会人経験が少ない20代前半では、現在のスキルや知識よりも、社会人としての基本的なビジネスマナーや企業との相性、仕事に対する熱意などを採用担当者は確認しています。
ただし、20代前半での転職は前職での経験年数が1〜3年と短いため、採用担当者から早期退職を懸念されるかもしれません。
面接で転職に踏み切った理由や志望理由などを伝えて、仕事への意欲や熱意をアピールしましょう。
【20代後半】前職で得た経験やスキルをアピール
20代後半では、20代前半と比較してある程度社会人経験も積んでいるため、ポテンシャルが採用の評価軸ではありつつも、前職で得た経験や即戦力としてのスキルも求められるようになります。
未経験の業界や職種への転職であったとしても、前職で得たスキルや経験の生かし方を伝え、採用するメリットをアピールすると良いでしょう。
コミュニケーション能力やタスク管理能力は、どのような職種でも必要とされるスキルです。
汎用的に他の職種でも生かせる自身の強みを考えておきましょう。
また、同業種への転職は、前職の経験を生かしたキャリアアップの転職となります。
自身の専門的なスキルを棚卸しして、転職によって成し遂げたいキャリアを明確にしてアピールしましょう。
こちらの記事では、20代後半の転職に焦点を当てて解説していますので、参考にしてみてください。
20代転職におすすめの業界
ここからは未経験でも採用されやすく、20代の転職としておすすめの職種・業界を紹介します。
漠然と転職先に迷っている方は、転職活動の機会に視野を広げて、さまざまな業界を検討してみましょう。
また、こちらの記事では、性別ごとに20代の転職を紹介しています。
IT業界
近年はChatGTPなどの新しいAIツールが開発されるなど、今後も市場の成長が期待されているIT業界ですが、深刻な人材不足が予想されており、経済産業省の発表では2030年までに約45万人もの人材が不足すると予想されています。
そのため、企業側は積極的な人材採用を行っており、20代の比較的若い年代であれば未経験でもチャレンジ可能です。
パソコンがあればどこでも働ける職種もあるため、柔軟な働き方ができたり、スキルを高めることによって収入をアップすることもできるでしょう。
IT技術は日々更新されていくものなので、継続して学び続けることができる人や、論理的に物事を考えられる人におすすめです。
IT業界のなかには多くの職種があるため、仕事を通じて何に貢献していきたいかを考えて、転職する必要があります。
営業職
営業職はどの業界でも必要とされる仕事であるため求人数が多く、未経験でも転職しやすい傾向にあります。
営業職とは、自社の製品やサービスの良さをアピールして顧客の課題解決を提案し、契約につなげる仕事です。
お客様と接する場面も多いため、商談がうまくいったときなどはやりがいを感じやすく、また契約数を増やすことでインセンティブがもらえるなど、実力によって給与が高くなる傾向もあります。
顧客や外部の人と話す機会が多いため、コミュニケーションを取ることが好きな人や相手の目線で物事を考えられる方、商談を断られることもあるため精神的に強い方に向いている職種です。
介護職
高齢化が進んでいる日本では、介護職の需要も高まっています。
介護職は資格がなくても働き始めることができ、現場で知識や経験を積んで介護福祉士などの国家資格を取ることで、専門職としてキャリアアップも可能です。
介護職は自力で生活することが難しい方に、入浴介助や食事介助などの日常生活支援を提供して、その人が気持ちよく過ごせるようサポートする仕事です。
目の前の方を支援する仕事であり、直接感謝されることもあるため、仕事にやりがいを感じやすく、誰かの役に立ちたい方などに向いています。
また、働く場所によっては夜勤もあるため、体力がある方であれば挑戦してみるのも良いでしょう。
20代でも自分のキャリアを見つめ直して転職に挑戦してみよう
今回は、転職を考えている20代の方に向けて、20代での転職のメリットや成功ポイント、おすすめの業界を紹介しました。
20代は自身のキャリアを形成するのに重要な時期であり、経験や身につけたスキルによって、今後のキャリアの方向性が決まっていきます。
ぜひ10年後、20年後の、ありたい姿をイメージして、自身のキャリアを見つめ直してみましょう。